1969年モノを、もうひとつ (Let Me Alone)

職場のヴァンさんと、映画談義をしていたら、

彼が、ジェームス コバーンの名を挙げた。

他人の口から、この役者名が出るのは、滅多にないことであるから、

僕にとっては、ずいぶんと、上機嫌な日になったのだ。(おかげで、古書店兼カフェで、700円も散財した)

さらに。

話は、スティーブ マックインと、その服飾センスに及ぶ。

マックインの着こなしは、いまだ、世に評価が高いらしいが、

それを間違って解釈すると、トラディショナルアイテム魔に堕すから、注意が必要だ。

はじめに、なになにのアイテムありき、では決してなく、

本質は、テラテラした華美を遠ざけて、質実で機能的なもののみをまとう、これに尽きる。

つまりは。

なにを着ないのか、が問われるのであって、

ちょうど、アウトドアアクティビティが、なにを持って自然の中に行かないかを問うのと、よく似ている。

たとえば、上の画像が、その見本。

白いボタンダウンに、臙脂のクルーネックセーター、

その上に、ツィードのジャケットをはおり、(おそらく)パンツは、薄紺のデニムだろう。

……決して気障りにならない、没個性をもいとわない、さりげなさ。

これぞ、最上等なセンス。

さて。

マックインの代表作のひとつが、〈ブリッド〉(1968年)。

サンフランシスコ市警の、アウトロー刑事という役柄は、

それから3年後に世に出た〈ダーティハリー〉の、そのまま先駆だから、

本来ならば、ハリー キャラハンは、マックインが演じるべきはずが、

実際に、映画製作の現場には、そういう話があったという。

納得ですな。

……60年代末期、質実、孤独(アウトロー)、という話になったので、

1969年に発表された、作り込みも実にシンプルな、この曲を聴いてみるかい?

では。