これから先を見すえれば (大宮戦レビュウおしまい)

【前回の要旨】
☞攻撃的なスタッツのほとんどで相手を上まわり、ボール保持率60%強でやりながら、シュートは同数の 11本、そのうち枠へ飛んだのは、大宮3、山雅1。

この点、大宮も大したことないが、こっちはそれ以下の出来。

こういうゲームを〈善戦〉の軽い言葉でやり過ごさず、厳しく総括、修正をかけようよ。(以上)

大宮とは、今季の対戦(プレーオフで)は、もうありそうにないけれど、

来シーズンは再戦があるやも知れず(別のステージで)、

そのためには、3バックの左シャドウに入る杉本 健勇が、かなり頻繁に、右に流れてチャンスメイクに動く、ということもデータに残しておきましょう。

……(大宮のような)3バックとやるには

攻撃面では、相手サイドバックを引っ張り出して、その裏に深く侵入することが常道。(センターバックを喰いつかせれば、なお上等)

山本 龍平(左)は、たった1度(失点のクロスをゆるしたシーン) をのぞき、

相手サイドバック(#22)を、攻守で凌駕していたから、敢闘賞に値いします。

これには、ひとつ内側に張っていた村越 凱光の位置どりと動きも効いていた。

他方。

樋口 大輝(右)は、同じサイドに中村 仁郎が入ったおかげで、

中村を潰そうと、相手2~3人がまとわりつくために、前方スペースが消されてしまうぶんだけ窮屈になった。

ここは、ボランチか、中村との連携で、前進する手法を開発しないと。

たとえば。

右からクロスを入れる者を樋口に限定してしまうのでなく、

樋口が(相手サイドバックを連れて)内側に入って、かわりに中村が外に張る。

その中村へセンターバック、またはボランチが、直接ボールを入れてもいい、ゲーム中、米原が1度やったように……。

さらに。

野々村 鷹人は、右サイドバックへのボール供給を、あとステップ2歩分は短縮すべき。現状、数秒ロスし、相手に時間を与えている。

これは、ボランチ経由でアクセントをつけたり、直接アウトサイドハーフ

にボールを入れるなどして、時短を図れ。

中村、途中投入の滝 裕太(左アウトサイドハーフ)は、

固めた相手守備網に突破口を創ろうと、ボールを中央へと運ぶシーンがあって、それ自体はいいでんすが、

そうなると、彼らと逆方向か、相手裏に入っていってボールを貰おうとするプレイヤーが生まれないと、せっかくのドリブルが活きてこない。

……と、なぜに細かいことをとやかく言うのか?

これから対戦が待っている、11チームの採用システムをみると……

4バック一択 ☞  3つ (奈良、宮崎、沼津)

3バック一択 ☞  1つ (ys横浜)

残り 7チームはふたつを使い分けているが、運用の比率をみると、

4>3   ☞  2つ (今治、鳥取)

4<3  ☞  5つ (讃岐、長野、金沢、岩手、琉球)

ざっと、3バックを主として採用しているのは、8チームとかなり多い。

しかも、4バックの山雅とやるには、ポジションが真正面から相対するのを避けて、3バックを採るかも、という観点で、

8つは、3バックで来ると診ていい。

サイドが鍵、と力んでみても、具体論を準備しなければ空疎。

気合いだけでは、サイドは獲れません。

なので、サイドにおける、対3バックの打開策には注目です。

さて。

4 – 3 – 3 は、ボランチが3人健在でピッチに立つことが前提のようだから、

時節は、中村が一列上がって、最前線(右)に位置するのかどうか。

すると、背丈のないスリートップに、どんな強みを付与するのかを再考でしょう。

僕など、ロングフィードを正直に入れるんじゃあなく、

全体を片方のサイドに寄せておいて、反対側のサイドバックにロングパスして、

そのまま空いたサイドを持ち上がる、これでいいじゃん、といつも思いますけどね。

ズラリと構える密集の中へボールを入れないのは非紳士的な行為、なんてことはないはず。

では。