足許をみつめる話。

家人が、新聞記事の切り抜きを、

―これ面白いよ、とテーブルに置く。

市民タイムスの、5/26付け。

〈山雅プレイヤーの愛用サッカーシューズ事情〉のコラムだった。

― へぇー、31人中14人。
およそ半分が、アディダスを履いていらっしゃるんだ。

インタビュウしてみると、着用のフィット感とか、見た目で選んでいる、といった回答だった、とか。

こういうところが、市民タイムスのお行儀の良さであって、

僕なんかは、もともと下賤な性格ゆえに、

選手は、特定のシューズメーカーとスポンサー契約しているんでは?(つまり、現品や金銭が動いている)とか、

高校時代の監督が、やたらと某メーカーを推すので、仕方なく履くようになった、とか。

もっと、生々しい理由を求めてしまうんですね。

(3部リーグのJリーガーには、そういった契約のアプローチはない?)

(そういう意味で、

― どこも似たり寄ったりですけど、見た目の格好の良さだと、これです、なんて答えが、いちばん納得できます)

市民タイムスのお行儀の良さ、と書いたけれど、

これは、不要な煽りもない、平穏で平和な記事を好む、という社風を褒めているのです。

(これにくらべると、どこかの新米などは、サッカーについて洞察が浅薄であるもかかわらず、不見識に、評価を上げたり下げたりすることにおいて、ひたむき。

数多くの世帯が、その偏向した記事を読まされるのだから、これこそ、信濃の国の不幸、というものだ)

ところで。

サッカー界にあっては、アディダス社製が、断然トップのシェアを獲ってるんでしょうか。

スニーカー全般においては、いまや、ナイキ社が、アディダス社の数倍の売り上げ。

で。

ナイキが市場を席捲した背景には、こんなエピソードも在った。

1980年代半ば、当時、ナイキ社は、プロ入りしたら、アディダスとの契約を望んでいた新人マイケル ジョーダンと、(おそらく破格の金額で)契約を結ぶことに成功。

さらに、全米プロバスケットリーグのゲームでは、そのカラーに〈白色〉を一定以上含むシューズを着用、というルールがあったが、

ナイキは、彼専用に、赤×黒でカラーリングしたやつを提供し続けた。

1ゲーム当り数十万円の、違反金もあわせて払い続けて(おそらくは)。

一般向けセールスのキャッチコピーは、こうだ。

ジョーダンなら罰金ものだが、君なら、このエアジョーダンを自由気ままに履くことができる!!

……以上、どこまでも、お金のお話で失礼しました。

では。