天使とは、ひとに恵みを与えるために降りてくる、天からの使い。
(殺戮の天使、というのもあるが、これだって神の御心をなすために放たれる)
昔々。
イスラエルの民が運んだ聖櫃(アーク) の天蓋に置かれた天使ケルビムは、背に翼を持っていたけれど、
今日、人間界に下される天使のおおくは、スーツ姿であったり、風采の上がらぬ中年男の格好をしているのではあるまいか?
でなければ、僕たちが、天使に出逢った時、ほとんどその存在に気づかないでやり過ごしてしまう、なんてことはないはずだ。
知人の看護師さんが、患者に頭部を酷く殴られた。
もしもの損傷があるといけないと、念のため画像診断を受けると、脳動脈に重い病巣が発見された。
放置すればかなり危険、かつ、開頭手術もかなりむづかしい、とのことだったが、先月、無事に手術はおこなわれ、現在は療養中。
自分を殴った憎い患者が、実は、命を救ってくれた天使であった、というお話でした。
では。