― 真剣にやるスポーツは、フェアプレイとは無縁のもの。
それは、憎悪、嫉妬、驕り、あらゆるルールの無視、
それと、暴力を目撃できるサディスティックな愉快と結びついていて、違う言葉で言うと、
銃を使わない戦争だ。
サッカーの母国の作家、ジョージ オーエル(1903~1950年) の、辛辣な表現ほどでないにしても、キレイごとではすまされないものを、サッカーは多く含んでいる競技、と思う。
だからこそ、フェアプレイの精神を唱道し、ふたつの色のカードを準備しておかないとならないわけか。
前稿で書いたとおり、山雅は現在、リーグトップに、反則が少ない。
(ただし、イエローカードはそれなりにもらっているから、〈反則ポイント〉では、リーグ14位)
山雅の、ゲーム当り犯すファール数は、10個。
前節SC相模原戦の 11個(うち3つはオフサイドによる)は、平均的な数字だった。
双方にカードも出ていないから、かなりクリーンなゲームでした。
これが、たとえば、長野パルセイロは、ゲームあたり、15個(リーグワースト3位)。
対山雅戦(5/13)では、26個(うち4つは間接FK) のファールだった。
カウンター攻撃を特徴とするサッカースタイルであることを斟酌しても、
長野が、かなりこのゲームに気持ちを込めていた証拠。
僕からすると、こういうのを、ムダに熱い、という。
観ていて、こりゃあファールを犯してでも相手を止めなけりゃ、と思うシーンもあるが、少ないファールでゲームをやるほうが、やはりいい。
笛でいちいちリズムが途切れるようなサッカーは、観ていて興醒めで、
フリーキックのチャンスをもらえるにせよ、やってるほうにしたって、攻撃の流れが、一度中断してしまう。
さて、FC今治。
ゲーム当りファールは、13個で、カードは山雅と同等数。
今治は、カウンター攻撃に特化した、と言ってもいいくらい、カウンター狙いのサッカー。
ゆえに、山雅が中途半端にボールを持ってしまうと、攻撃チャンスを与え、被ファールも増え、さらに、こっちのリズムが損なわれるだろう。
だから、できれば、相手にボールを預けて始めることを続けられればいいんですけどね。
では。