無題。

21日に埼玉県の某市で投函された葉書が、きのう届いた。

叔父(母の弟)からのもの。

ご無沙汰しております、で始まって、改行。

妻〇〇が今月15日に永眠し、18日に葬儀を執り行いました。
以下……、年末の移動のさまざまのリスクを考え、事後報告とさせていただきますのでご理解ください、生前賜りましたご厚情に感謝いたします……、と続く。

この叔母とは、数えるぐらいしか逢ったことがなかった。

照れ隠しに違いなかったろうが、

自分よりも年上で、当時は婚期を逃がした(と世間でいうような)年齢の女性を妻に迎えたことを、

― 人助けだよ、とか叔父が言うのを聞いて、(たしか高校生だった) 僕は、

― よく言うよ、救われたのは、叔父貴のほうだろうが!、と内心思った。

叔父の家には二度ほど泊めてもらった覚えがあって、叔母の上品な柔和さ、穏やかな家庭の雰囲気に触れると、

将来、こういう女性と巡り合えれば……などと夢想していた。

要は、僕にとっての憧憬の女性だったわけだから、

その訃報に、食事の味覚を感じないほど、かなり応えている。

最後にお逢いしたのは、かれこれ20年近く前にもなるのか。

不義理なやつよ、これ以上後悔しないためにも、早々に、叔父を弔問しなくちゃならない。

では。