昨日。
帰宅すると、やけに多くのツバメらが、上空を乱れ飛んでいる。
近くのつがいでもやって来て、互いになわばり争いでもしているのか知らん?
念のため、隣家の軒下を見に行ったら、この前までは巣にあった黒い頭が見当たらぬ。
そうか!
ツバメの子らの、今日が初飛行だったんだ。
どおりで、思いつくままに、せわしなく飛び回っているわけだ。
数えてみると、ひー、ふー、みー 、3羽のヒナが飛び立った。
巣の外に出ても、引き込み線にとまった子に、親鳥が餌を運んできては与えている。
独り立ちは、まだまだ先。
ツバメは、成鳥になるまでに落命することが多い、と聞いた。
でも、これからしばらく、空は君たちのもの、大いに飛行を楽しむがいい。
田村 隆一(1923 ~ 1998年)の詩に、こんな一節が在った……。
空は小鳥のためにあり 小鳥は空からしか墜ちてこない (幻を見る人、より)
1952年発表。
時代の暗澹を表出した詩で、僕は好む。
けれど、ツバメよ、そんな絶望には知らん顔で、ひたすら、狂喜乱舞せよ。
では。