基本スタイルと修正と (秋田戦レビュウ 後篇)


4得点のうち三つは、こちら側、つまりは、アウェイゴールでの出来事だった。

すべてが秀逸のシュートだったためか、一瞬のことで、その詳細も見極められず。

しかたなく、その都度、前方に出て行って振り返っては、オーロラビジョンに映されるリプレイを見上げて納得している、そんな山雅ファンサポーターの皆様でありました。


要はですね、ホーム&アウェイのゴール裏は、ほとんどフラットなコンクリートの階段状。
それなりの地上高もないから、トラックの彼方でおこなわれているゲームの臨場感にかなり欠けて、視認性も良くない。

しかも、アウェイゴール裏からはゲームの時間進行がまるっきりわからない。

……、とまぁ、今後、修正するお気持ちがあるのかないのかは不明ですけれど。

苦言は以上、さてと、後編は、主に、ゲームマネジメントについて。

先の五輪日本U24チームについて、いちばん面白くなかったのは、ゲーム内の修正や、相手の虚を衝くような策の繰り出し、を感じなかったこと。

監督采配のほとんどは、先発のメンツに尽きてしまい、交代カードによって戦い方が変わるマジックは、期待薄だった。

対秋田戦は、それよりかは、かなりわかりやすい。

❶秋田のスタイルは、ひたすら不変。
守から攻への切り換えの瞬間、ボールを遠くへ蹴り出すと、前線プレイヤーが既に落下点めがけ走っている、というオートマティカリーを身上とする。

この時の、手数と時間のかけ方をいかに素早くおこなうか?、に賭けるわけだ。

前半の中盤、山雅はこれにずいぶんと手こずっていたが、後半に入ると、相手を真似するかのように、ロングボールの蹴り出しを敢行。

たまたま、後半開始早々に追加点が入って、ゲーム進行に余裕が生じた事情もあって、これが奏功。
セカンドボールが拾えるようになる。

加えて、競り合いの部分では、リフレクションを怖れずにボールを叩くことで、競合そのものの負荷を減らした。

ただし、ゴール前30mに侵入すると、トライアングルのワンタッチパスを織り交ぜ、人がスペースにどんどん入ってくるようにボールを動かすことで、秋田守備の目線を左右に振り続けて、シュートチャンスを創出。

スタイル遵守の相手に対しては、みづからが変わりながら、しかし、追求するボール支配は押し通す、それが今回の勝因だっかのかも知れません。

ここらのさじ加減、かなりむづかしいチャレンジかも知れぬ。

最後に、蛇足です。

主審清水なにがし、との場内アナウンスがあった時、あぁ、あの御方か……、と不安になったものの、なんと、カードが1枚も出なかった。

クリーンなファイトに徹した両チームのやり方にも、山雅がのびのびと闘えた要因があった、と考えています。

では。