註:標題の句は、無花果(いちじく)を、ムカカ、と音読みで。
光風舎主人、田中 博文氏のツイッターは、2014年5月13日を最後にして、今も残る。
ご逝去によって、途切れたまま。
病を知って、長野市の病院に田中さんを見舞ったのは、その少し前だったか。
癌と闘うベッドの上で、かなりやつれていたが、いつもと変わらず飄々として、淡々。
万事、成り行きに任せるよ、といった風情で、切羽つまらない態度に、かえってこちらが救われた。
帰り際、その著書『真田一族外伝』を下さると言うので、自署をねだった。
長野で、編集者、フリーランスのライター、そして古書店経営とキャリアを重ねた田中さんだったが、もともとは、松本は村井のご出身。
墓所は寿地籍の菩提寺に在ると、ご遺族から聞き、かつて訊ねてみたがわからず。
日々のせわしさで、そのままになっている。
忘恩を悔うのならば、今度こそは伺わないとな、と自分に言い聞かせる五月……。
では。