ここからブレずに (2021.4.10 磐田戦レビュウ)

一応、結果は記しておこう……か。

リーグ戦6分の1の節目は、1 – 4 の敗戦。

飯田ICで中央道を降りると、一路国道151号を南下するコースを採る、ってのが、ひねくれ者の萬年の面目です。

いやいや、この季節、南信濃を観るには、このコースなんです。

下條村から阿南町を、花桃が、赤、白、桃色でポッと、街道の庭先に咲いているのを楽しみながら通過すると、県境を越えて。
豊根村、新城市(ともに愛知県)を経由して、浜松へと、遠州路を走る。

磐田市まで行って、駅近くに車を置き、東海道線を使い、東へとひと駅を乗る。

昨年開業した、御厨(みくりや)駅で降りて、スタジアムまで歩いてみた(ゆっくり徒歩で、20分弱)。

この駅、スタジアム最寄り駅、として開業したのです。

ヤマハスタジアム?
アウェイ観客を、入場時に、日陰の、急な階段に誘導するような扱いは、そのまんまでありましたよ。
それと、アウェイ席へは、時計、スコアなど情報提供が皆無、っていう古臭い思想がいまだ健在。入場料は取るくせに、なんとも、ですな……。

〈前半の前半、これを、90分間まっとうせよ〉
風上ということも考えて、もしも磐田が、相手をひきつけておいてからロングボールといった、緩慢なサッカーを戦略的に採用したのならば、評価を差っ引く必要がありますが、ゲームの入りは、今季最高の出来でありました。

ピッチを左右にひろく、ダイナミック、俊敏にパスでつなぎ、推進力豊かに相手ゴールに迫る。
魅せましたね。

これは、ここまで来てゲームメンバー間に、ひとつの落ち着きと連携の深まりが進んでいる証拠。

願わくは、阪野の覚醒と、まだ本領を発揮していない(現状)隠れたタレントのお披露目でありましょうか。

〈攻撃するためにこそ 守れ〉
あのハンドのジャッジにも言いたいことはあるが、前半終了間際39分になって、ルキアンにこの日最低限の仕事をさせてしまったのは、痛恨。
第5節の水戸戦のデジャブかぁ……。

56分のオウンゴールによって 0 – 2 となっても、ファイティングポーズを崩さず、その4分後に 1点返したのは大いに評価したい。

鈴木のヘディングシュートによるゴールをアシストしたのは、なんとセンターバックの篠原 弘次郎だった!

ゴールライン際深くからのクロスは、まっこと見事。
なぜそれを強調するのか?

それは、このゲーム、本職のサイドバックが入れるクロスは真っ正直で、かつ、相手にとってほとんど脅威的でなかったから。

このゲームを落とした最大要因は、自他とものクロス精度とその威力の格差だった、と言ってよい。

もちろんクロスへの反応の側にも課題があるわけで、ここは喫緊な解決すべき課題。

なお、ディフェンス陣の責任感と攻撃参加が増しているのは注目。
中でも野々村の成長が著しく、ファーストディフェンスまで顔を出す、といったシーンもあったり。

……、というわけで、責めているわけじゃあ全然ないんだが、このゲームはある意味、
〈良くも 悪くも 外山凌〉というのが萬年式結論。

攻守にわたる果敢なプレイは唸らせた。
けれど、2度ほどあったペナルティエリア内でのシュートチャンス。
せっかくおいしいところに、ほとんどフリーでボールが来たんだから、あれを決めてこそ、外山ではないか。

違った言葉で総括すれば、スタッツのほとんが優位なのに、なぜ戦果が逆転するの?

サッカーに優勢勝ちはないしても、今まさに、登り切るべき頂上はそこ。

ファンサポーターが観たいのも、せっかくの魅力あるサッカーを、勝利で締めること、これでありましょう。

では。