容赦なき具体論で克つ【山形戦プレビュウ 後編】


乗鞍岳の昨日、版権帰属先:オフィス/モモ

〈あの日の落差〉
第2節の、対京都戦がスコアレスドローに終わった、そのすぐ後

DAZNの画面を、それより1時間遅れて始まった 東京ヴェルディ vs  山形 に切り替えた。

やってる、やってる……。

でもね、5分としないうちにスイッチをオフしたんです。

なぜか?

なんとも気の抜けた、平板で淡泊なゲームにみえてしまい、たちまち興が失せてしまったから。

器ばかりが大きいあの味スタの、がらんとした環境もあるが、これが、ヴェルディのサッカーかい?、っていうくらいプレイヤーが立ちんぼに感じられ、切り裂くような活発な動きが、そこには感じられない。

対するモンテディオ山形も、似たり寄ったりの動きでつき合っている。

さっきまで観ていた、あのギリギリまで高められた、緊迫のサッカーとは、なんという落差なんだろうか!

〈しぶとい猛者、山形だろう〉
山雅を支えてトップリーグに導いてくれた勝負師 石丸さんの指揮も、2年目。
スタイルも深化しているだろうし、息吹も戦列に加わった。
FWヴィ二シウスは、昨季14得点で、この前のヴェルディ戦で早くも2得点。
他にも、相当な戦力を擁し、最後方のゴールマウスは、藤島 栄介(元山雅)が守る。
2019年は第6位、昨年は第7位。
……であれば、14日は、リーグ屈指の強豪との対戦には違いない。

〈見出したベンチマーク(基準点)に 殉ぜよ〉
となると、相当な対策を練ってゲームに臨むのは、あたり前なんだけれど、
そっちの戦術はともかくも、先のゲームで到達して魅せた〈強さ〉があの時だけのものでなかったことを証明することこそが、このゲームの最大テーマでありましょう。

監督インタビュウによると、レボリューショナルな京都との戦いに向けては、チームに相当なネジを巻いて臨んだらしい。

だとしたら、次は、対戦相手におかまいなく、あの高みを常に維持できること、これが至上命題になる。

強い、という印象はもちろん、やってるサッカーの具体的な手順と場面の集積があってこそ。

例えば、京都戦の前半のキックオフが、そのひとつだった。

たしか、佐藤から安東へと、横に短くパスを出すと、安東は間髪を入れずに、サンガの右サイドバック飯田が駆け上がって空いたスペース目がけてボールを蹴り込む。
そこには既に、外山がタッチライン沿いに走り込んでいた。
キックオフのやり方を変えてでも、ゲーム冒頭から、容赦のないプレイに徹底、執着したのだ。

山形が、山雅にとってベンチマーク足り得た時代は、既に5年前あたりで終わっているのだから、
ひたすら自分にしっかりと向かいあい、そのスタイルを確立する。

さすれば、結果はおのずとついて来るでありましょう。

では。