旧く新しい記憶、の巻。

―だが、密集化は、はたして一方的にわざわいを招いただけだったろうか。
たとえばインフルエンザの大流行の原因になったことはたしかだが、人間は密集によって不利な状況をつくりながらも、立派にそれを乗りこえてきたのである。
利害の一致が、集団的な抵抗力を組織することになり、それがやがて個人の抵抗ではなしえなかった力を発揮したわけだ。
人間は密集からのがれることによってではなく、逆に密集の力を利用することで、悪や不潔を乗りこえてきた。つねに禍を転じて福となす―それが人間というものなのである。―

ふと、本棚から引っ張り出して読んでいた本に、たまたま見つけた一節が、これ。

安部 公房(1924~1993) のエッセー『密集化現象』(1959.4.22の日付) にある。

へぇ、公房氏は、集団による力の結集を、善なる力、とも認めていたのか。

その作品中の主人公たちのほとんどは、集団による非合理な圧迫から逃れようとしてもがく人物なのに……。

日本のCOVID-19対策が、もっぱら集団的な有形無形の圧力に依存していることの、預言的な考察とも言えましょう。

以上、他者の文章を引用するばかりの、今回です。

では。

【前々回へのコメント】
☞ルノワール氏 より (2021.02.15.11:11)
梶芽衣子&沢口靖子
梶芽衣子姉さんの
一度だけなら♪
聞かせくださり有難う御座いました
心に浸みる曲です
野村正樹の曲でもありますね     
沢口靖子は何故に科捜研の女?
彼女は美人すぎて近寄り難い雲の上の存在
よって恋愛ものより科捜研に向いていると思うのは私だけでしょうか?     

☞萬年より(2021.2.16.04:38)
ルノさんへ
コメントありがとうございます。
沢口靖子について、私が夢想するのは、サイコな犯人役とか、コメディーにおける道化役、jyouそんなところなんですがね。