来季への布石を感じつつ (2020.12.16 ヴェルディ戦レビュウ)


〈厳寒を楽しめ〉

スタジアムではそうでもなかったけれど、DAZN観戦した家人によると、サッカーボール(雪上用カラーであっても)が、かなり見えずらかったらしい。

ピッチに薄く積もった雪を、松商学園の生徒諸君や山雅スタッフが、すっかりとかき終えると、アルウィンは、感謝とねぎらいの拍手に包まれた。

あぁ、こういうのは素敵な光景だ……。


セルジ―ニョの記念Tシャツが届いた夜に、そのセルジ―ニョが不在。
しかも、Jリーグ催行で、最低外気温レコードのゲームに立ち合えたことを憶えておこう。

〈両者の 持てるものと不足なもの〉
追求するスタイルがそれぞれ明確であって、かつ、両方の監督について来季続行が決まっている。
……、となれば、自然と、来季への積み上げとはなにか?、という視点での観戦になってしまった。

1 – 1 のドロー。

むろん失点を喜ばないが、同点には持ち込める力はついてきたな、というのが率直な感想。

ゲーム様相は、プレビュウで予想したとおり。

で、ゲームは、山雅のものであったし、失点シーンが、ヴェルディにとっては、ほとんど唯一の決定機だった。
攻撃回数は多くはないが、一発必中で決められる力量を見せつけられた、と言える。

後半における怒涛の攻撃があったために、
前半の、相手ボールを狙いながら守備に費やす時間の長さが、どうしても出来の悪さのように感じてしまうが、それは違う。

前半の我慢と学習があったからこそ、後半のシフトアップと相手ディフェンス裏狙いへの戦術転換が可能になったのだ。

特に、常田から阪野を狙ったロングボールの、タイミングと精度には感心した。

昨夜ヴェルディとやってみると、ボール動かしの手数とパターンはそれほど多彩ではないことが了解できる。
縦に通しておいて、横に叩いてから、前に入ってくるプレイヤーがそれを受ける等々。
ボランチを経由するやり方もほぼ一定。

よく訓練されて見事だけれど、この先、ゲームをモノにするための強度はどう深めるのか?、という課題。

だから、佐藤 優平を起点とする気の効いたプレイを別にすれば、おそらくヴェルディサッカーは、ほぼ分析し尽くせるだろう、山雅の側からすれば。

ひるがえって、我が山雅。
回避しながら、避けながら、ということは棄て去り、つぶして切り裂いていく攻撃。
たとえば、杉本 太郎がショルダー to ショルダーで相手をブンっ、と弾き飛ばして進むボール際。

―おそらく、チームとして高めたいのは、あるいは、ファンサポーターとして観たいのはそこのところだろうな、と思い当たった昨夜。

これには、攻守一体化のうえに築いてきた守備の安定と、特に、佐藤 和弘の加入が功を奏していて、萬年辞書には、〈佐藤効果〉とあるのです。


来季ヴェルディとの対戦の予習ができて、なおかつ、順位表をみたら、あれま、13位に上がっているではないか。
……、ということで、喜ばしい雪の朝。

最後に、トップリーグ昇格を決めた徳島、福岡には、おめでとうを。

では。