ヴェテラン と戦う (ザスパ戦プレビュウ)

ヴェテラン。

と言ったら、英語圏では退役軍人(帰還兵)を指す。
アメリカ映画には、帰還兵を描いた良作が多い。
『バニシング ポイント』や『タクシー ドライバー』など。

いけない、話が横道にそれました。
ここは日本。
なので、経験豊富なプロフェッショナル(エキスパート)、で行きましょう。

で、前節の町田戦(3 – 0 で勝利)をざっとおさらいしたら、
ザスパクサツは、ヴェテランたちが、適宜修正をかけながらゲームを進められるチームに仕上がっている感を強く受けた。

リーグ戦での出遅れ挽回と連敗の波に苦しんではいるものの、勝利数は11で、山雅のそれ(10)を上回る。
また、3点以上獲ったゲームは 3つ(山雅は1つ)であるから、たたみかける強さには、十二分に留意すべき相手なのだ。

〈要所 で崩せ〉
❶ヴェテランとは、最終ラインの舩津、中盤の宮阪や岩上、前線の大前、林らをいう。
陣形のなかに、彼らが適宜に配されていることで、ゲームの局面に応じた攻守を組み立ててくる。
たとえば、町田戦では、攻めにハヤるあまり、人数に乏しくなった町田の中盤を衝き、そこでけっこう自在にボールを動かす。
あるいは、ピッチを広く使い、いなすようなボールを多用して、町田の攻撃をはぐらかす。
……、そういった頭脳的なプレイが目についた。

それが、あらかじめ与えられた指示だったのか、状況に応じて選択されたやり方だったのか?
いずれにしても、その作業をこなしてみせる理解力と力量が、そこには在る。

攻撃面。
町田戦でセンターバックを務めた、川上、岡村はともに23歳の売り出し中の俊英。
そこを、枚数的に同等のツートップで強圧をかけ、ボール奪取の起点とするだろう。
ザスパは攻撃を組み立てる際は、内田 達也が最終ラインに落ちて3バック気味になる。
この時、2列目から中盤にかけては、山雅が枚数的に優位になるので、そこにチャンスが生じる。
宮阪 政樹を孤立させて無力化したいところだが、果たして……。

群馬は、サイドの岩上 祐三へボールを逃がすか、あるいは大前 元紀が降りてきてボールを捌くだろうから、そこも含めて対策する。

とすれば、群馬の左サイド加藤 潤也のところへとボールを回させ、ここから攻撃突破を図ることになる。

結論。
山雅は、その右サイドに手間と人数をかけて侵入していくことになりそう。
もちろん、右に集めておいて、左へと、ビッグスイッチを織り交ぜながら。

守備面。
キーワードは、スピード。
つまり、群馬がロングボールとサイドからのクロス、という戦略できた場合は、スペースを消し、侵入者を抑え込むために競走を余儀なくされるだろう。

それには、ボールに追いつくための個の速さ、それと、センターバック間の連携が必要になるから、今節も、橋内 優也にはご苦労をいただくことになりそう。

早い話が、ヴェテランの智恵と技量をできるだけ発揮させないように、かつ、伸び盛りでも未熟さを残す部分を衝く、という戦術を推奨するのです。

つまりは、老獪さにおいて、こちらが上回れるか、そこでしょうね。

かつて大宮で#10を背負ったふたり(大前、岩上)であれば、簡単にやらせてくれはしないだろう。
とは思うけれど、今夜は、なにがなんでも、上州の地に凱歌をあげるのだ、山雅。

では。