みづから不利を選ぶなら (長崎戦プレビュウ)


*長崎産「西海(読み方しらん)みかん」がなかなかイケて、黄色くなった指でキーボードを打っています

〈前提要件 その1〉
Vファーレン長崎は、2018年シーズン、クラブ予算が、前年比200%強のアップとなった。
これは、某通販会社大手の完全子会社化されたことで、確かな資金が流入するようになったためだが、その後も予算は堅調に推移していて、その額は、20億円台の中盤。
これは、我が山雅と、ちょうど、どっこいどっこいの規模だ。

―ということは、両チームが対戦すれば、ほぼ同様な年俸取り同士の対抗戦となるので、拮抗したゲームになるのが、必然。

実際、リーグ前半のホームでは、2 – 2 のドロー。(正直、山雅の側に勝ち越しのチャンスは微笑みかけた)
その後、両者とも、移籍加入による補強に動いていて、戦力差はほぼ同等とみる。

〈前提要件 その2〉
❶対戦においては、両者スタイルの特性から、長崎がボールを保持し、山雅が構えて立つ、という構図になることは必至。
長崎の保持率は、60%弱くらいか。

❷4バックを採用する長崎であるが、実運用は、左サイドバック#5鹿山はワイドに高い位置を取るので、3バックの様相。

さらに、ボランチのひとり#40カイオセザールがアンカーに落ちるから、ワントップの場合だと、中盤で、5人のタレントが躍動するような景観が生まれる。

厚い中盤からの飛び出しで、彼らがペナルティエリアへ侵入するのだから、突出したゴールゲッターはいないものの、4点以上を記録するプレイヤーを、9人も抱えるという豪勢な話になるわけ。

❸攻撃の一番の武器は、左サイドから。
次に、中央を突破して、の順。
中央突破の場合は、ペナルティキックがみえたあたりで、一斉に走り込んだ味方のひとりに相手ディフェンスの意表を衝いたショートなパスが渡って、即シュートに持ち込んでくる。
じりじりと侵入をゆるした時点で、8割がた勝負がついているとも言えるか。

と言っても、パスに殉ずるわけでなく、ロングボール一閃の攻撃も繰り出す。

❹守備をながめれば、リーグここまでで失点は、34。
試合当たり1点未満だから、最終失点が、40点のペース。
ここらは、監督交代後の山雅と、ほぼ同じ失点率なんで、そこそこ堅い守りが出来ている。

〈取り立てて新しいチャレンジはするな!〉
相手に多くボールを持たれるという状況には、ひたすら我慢。
要は、詰めに行くのか行かないのか、どこを追い込むのか、どこへ逃がすのか。
―パスコースを消すための位置取り、守備の受け渡し、こういうところでスキをみせずに集中すること。

時間帯の目安を決めておいて、飛ばすところ、いなすところの強弱の味付け、そんなところまで手が回れば、とは思います。

とは言うものの、特にゲームに入る時は傍観者的にならずに、適宜、長崎の攻撃の芽を摘んで、そこからカウンターを仕掛ける。
この繰り返しをゲームを通じて、飽かずに実行することに賭けましょう。

結局は、いままで高めてきているスタイルをもっと高度化する仕事がそこに在る。
ゆえに、フラストレーションには、まったく無縁のお話で、無益な昂ぶりも要らない。
そんな緊張感は、長崎のほうに任せておけばよろしい。

攻守の要となる中盤で、どれだけ優位に立てるか?、ひたすらそこに注目。

となると、我がチームにおいては、塚川 孝輝のポジショニングが気になりますなぁ。
萬年的には、浦田 延尚をサイドに使うならば左に入れて(最初から高橋 諒でも可)、前 貴之を右サイドに置いて、長崎の左サイド攻撃を抑止。
塚川は、佐藤 和弘とボランチのセットを組ます。
あとの前線3枚は、多いタレントの中から、ご自由に。

(けれど、ジャエルのフォワードとしての雰囲気は捨てがたく、結果を残してもらいたい)

自動昇格圏内を狙う長崎に対してダメージを与えたいのであれば、たとえ引分けでも十分。
勝てれば望外、くらいの醒めた頭脳が、今は大切だと思います。

では。