布サッカーの正体見たり 町田戦 (2020.11.15レビュウ)

2 – 1 の 勝利。
それもほぼ完勝、と言ってよい。

仕事から戻って、前半40分頃からのDAZN観戦だったが、やりたいサッカーがほぼ出来ていたんじゃあないか?

さらに、公式ハイライト映像を観たら、その前にも決定機がけっこうあった。

記憶によると、対ゼルビア戦で気持ちよく勝利したのは、これで二度目。
それだけでも、ありがたいことに違いない。

〈こういうサッカーを求めて、今季を始めたのか?〉
自在に支配した中盤を経由して、あるいは最終ラインから前線へ、素早くボールを動かす。

ビッグスイッチを織り交ぜながら、狭いエリアをものともせずにボールに絡む。

次々と人が湧いてきてゴールへと迫る、ワクワクさせるサッカー。

これを具現しようとして、あれだけ苦しんでいたのか、山雅?

手持ちのカードからすれば、きっと、こういう攻撃で魅せたかったんだろうなぁ、布さん、と勝手に思い込もうとしている自分が居る。

それを継ぐ格好で、シュアなデッサン力といったらいいのか、スタイルの整理と絞り込みに手腕をみせている柴田さんも大したもんだが、そこには、みづからが編成した戦力(の資質)を知悉している、という自負もあるはずだ。

相手ボールホルダーの追い込み、奪取、反転してからの有機的なパスのやりとりによる展開。

さらに、抛り込まれたボールやイーヴンなボールをほとんど回収してしまうネチッこさ。

勤勉で手を抜かないファーストディフェンス。

最終ラインは、空中戦でかなり勝率を上げているはずで、ボールの持ち出しも練れてきた。

常田 克人による先制点、というのは、ディフェンス成長の、象徴的な!!ひとコマでありましょう。

〈ゼルビアの特長を摘み取った 山雅〉
以上の良点がテンポ良く打ち出せたことで、結果、町田攻撃の推進力を封じられた。

このゲーム、平戸 大貴をツートップの一角に据えてきたようですが、先制点を献上して手詰まり感が深まるにつれて、彼は中盤に落ちて(ボランチのごとく)プレイせざるを得なくなる。
そうなると、中盤の枚数で優位な山雅の思うツボ。
その動きを牽制、抑圧しやすくなった。

さらに、縦に人とボールを動かすことに馴れた町田ではあるが、サイドの幅を使うことはあまり無いがゆえに、ボールの出しどころが減じ、攻撃が停滞する。

最後は、長躯めがけての抛り込みに活路を求めるほかなかったわけだ。

ゲーム後、京子さんからのメールには、
―中島(なかしま)と平戸に仕事をさせなくてよかった~!、とあったがまさにその通り。

片方のサイドでボールを動かすことで、ディフェンスをそっちへ釣っておいて、逆サイドに展開する、ってのは、町田の守備意識を逆手にとる狙いでしたね。

まぁ、山雅の各個のポテンシャルがフツーに発揮されれば、このリーグにあっては、対戦相手の対策に汲々とせず、自己のスタイルの追求に焦点を合わせるってもんでしょう。

さて、プレビュウでも書いたとおり、今節を終えても順位は動かなかった。

けれど、至近上位の勝ち点を伸ばさせずにそこに並んだことで、15位への足がかりは築けた。

中美 慶哉の負傷は大いに気になるが、次節が、大いに楽しみにはなりました。

では。