象徴的な敗戦 (2020.9.30 金沢戦レビュウ)

80分近くになって先制され、そのまま 0 – 1 で終戦。

今季の容貌である、チグハグさが、もっとも表出された象徴的な試合だった。

その意味で、萬年的には、ワーストゲームかも知れません。
リーグが終わった時に、いちばん悔やまれる、という意味でも。

失点自体は、CKからの混戦の中、一番上背のある奴に頭で押し込まれたもので、あまりとやかく言う内容でもない。

けれど、そのCKは、ディフェンス間の横パスをかっさらわれたことに端を発していて、判断の遅れと、怖気づいてしまうようなディフェンスがいまだ克服されていないシーンを見せつけられた。

そのまた根底には、ジリジリと金沢ラビットらの走力に押し込まれ、思い切りの良いロングボール、素早いボール回し、早めのシュートに対して、後手に回るようになった事実があって、強固な意思の面では、金沢が優った。

トンネルは早々に抜け出せるものでもないが、ついに最下位(群馬)と勝ち点1差の21位、フツーだったら立派な降格圏なわけで、いやはや。

〈明確になったことは 何か?〉
采配(ゲームプラン)は、かなり明快になった。
例えば、怪我明けの、橋内、前については、60分稼働をあらかじめ決めてあるとか。
また、米原を(おそらくは)ワンボランチ(=アンカー)にした、3 – 5 – 2 を採用とか。

ただ、この陣形だと、右アウトサイドに入った久保田のミッションに消化不良が残った。
後ろへボールを叩いてから前方へ走り込むという作業が窮屈でスピード感に欠ける。
その後方にいる前 貴之との連携が上手くいったとも言い難く、右サイドの攻撃が停滞したのは痛かった。
左サイドがかなり活性化していたので、余計に目立ったのかも知れぬ。

個人的には、ゲームのMIP(最も印象に残ったプレイヤー)は、前 貴之。

右サイドバックでは、持ち上がったらそこで打てよ、と言いたくなるような、変に遠慮したプレイが不満であったが、後半開始からツーボランチの一角に配転されると、急に活き活きと輝き出した。
身体でブロックにいって止めたシュートも何本かあったように記憶する。

となると、初めから、米原と前のツーボランチを採り、3 – 4 – 2 – 1で良かったと思う。

〈いまだ不透明なところとは?〉
❶攻撃では、セルジ―ニョを中心とした多彩なパス回しと、見切りをつけて打つ形を整合すること。
手間をかけることとシンプルにやることのメリハリですな。

❷守備では、最終ラインのボールの動かしの初速と連携、前へ出て身体を入れる決断。怖気は、だいぶなくなったけれど。

見出しをつけるならば、
最適を見い出すために、我慢する攻撃と、前に打って出る、果敢な守備。

これが実現しない限り、上昇気流には乗れないだろう。

失点直後、森下がまるで自分のミスを挽回するかのような感じで、最前線に駆け上がっていった姿、まさにこれですよ。
できるんだから、遠慮せずやってくれ、森下!

せいぜい白馬そだち(お米)の当選券に当たったことを慰めにして、アルウィンを後にする夜になった。

では。