制限時間を待つな (FC琉球戦プレビュウ)

〈前段 その1〉
―敗けてしまえ、って思いながら画面観てたよ。
前節対長崎戦における息子の気持ちだそうな。
この偽らざる心境、なんとも辛いファン心理ではないか。

―前監督の時は、勝敗は別として、やり切った感のあるサッカーだったなぁ。
これもまた、おおいに示唆に富む感想ではないか。

〈前段 その2〉
リーグ20節を消化した今、クラブ別入場者数(平均)で、さて、山雅は第何位でありましょうか?

第8位(2,689人)、が正解なんですね。

第1位は新潟(3,949人)、以下、長崎、磐田、北九州、岡山が3,000人台で続き、次に千葉(2,907人)、京都(2,770人)、で、山雅とくる。

あの!徳島が9位(2,480人) であるから、データ上からも、山雅は集客力においてもはや平凡になった、と断じていい。

藤田 息吹が言うように、山雅がサポーターあってのチームであるならば、
この調子だと、せいぜい頑張って、今季は、中の上的な順位で精一杯、ということかいな?

山雅公式ページからは観客数の表示は一切消えているから、クラブみづからこのテーマには冷淡ということか……。

週中水曜日の入場数を拾おうと思ったら、1,000円ポッキリのハーフタイムチケットくらいは、やらないと。
―確実視される赤字を少しでも埋める経営努力が感じられませんなぁ。

〈前段 その3〉
対大宮については、琉球(5 – 0)と山雅(0 – 1)、また対水戸戦は、琉球(3 – 2)で山雅(2 – 2)。
琉球にホームのアドヴァンテージがあったにせよ、同一チームとの戦績からすると、フツーにやれば、勝機がいづれに在るかは、目に見えている。

まぁ、前提のその2(観客のこと) なんかは、この際、どうでも良くて、
けれど、チームとして、少しは爪痕を相手に残さなければなりませんよ。

〈琉球とは?〉
ひと言でいって、攻撃を前面に押し出したチームスタイルが持ち味。

30m侵入回数がリーグ1位、ペナルティエリア侵入回数は同2位、パス数は2位で、シュート数は 8位、そしてボール支配率 54.%は7位。

では何故、順位で18位に居るかといえば、得点はリーグ9位タイだが、失点がリーグ最下位タイ、というカラクリ。

センターフォワードには、リーグ得点2位(9点)の阿部 拓馬を有す。
かつ、得点センスに優れた上原 慎也が途中投入の切り札として控える(ここまで3得点)。

ツーボランチの一角には、上原 一将。
彼を起点としたサイドへのビッグスイッチ、中央を割る縦パス、これは脅威です。
さらに、精力的に右サイドを動きまくっては、攻撃に絡んでくる風間 宏也は厄介。

ざっと、ここらのタレントの連動をぶったぎる、孤立化を図る、これに尽きる。

〈制限時間もなく 立ち合え〉
大相撲では、立ち合いに制限時間を設けている。
これは、ダラダラと仕切りを繰り返させないための決まり事だった。

つまり、対戦力士の呼吸と意思が合えば、一回の仕切りで立って良いのだ。
それくらい緊張感あるのを望むが、
実際は、制限時間いっぱいまで仕切っておいて立つ取り組みがほとんど。

サッカーでは、こういう立ち合いは比較的トップリーグに多い現象であって、そこらへんは技量的な強圧と自負がそうさせる部分があるんだろうけれど、ディビジョン2にあっては、そういう胸の合わせ方は、端から捨てるべきであるし、推奨されるはずもない。

制限時間などおかまいなしに一気にラッシュする、これこそ、今の山雅にこそ求められる態度だろう。

さぁ、ボールを持ってこれから前へ、あるいはフリーキックのリスタートを緩慢に、なんて余裕は、今の山雅から排除すべき、ということだ。

つまり、相手の態勢が整うのを待ったり、相手のリスタートには漫然と対応しない、あるいは、スローインは最大限の工夫と狡猾を持っておこなう。
―この辺、山雅にはいまだ、なぞるような趣きがあって、もっと絞り切った、尖がった攻守が必要ではないか。

もちろん精神論ばかりではダメで、戦術の裏付けが必要。
❶琉球はやはりクロスを入れて得点したいわけだから、当方は打たれる前にシンプルにサイドを獲ってクロスを入れ込む。(前節の奏功ポイント)

❷中央から行く場合も、上里のスルーパスの前に、米原なりが先にパスを打つ。
ボールを相手が優位に持つことが予想されるから、特にボランチは、上里とディフェンスライン、あるいは2列目とのワンツーに惑わされることなく、能動的なポジション採りを徹底しよう。

❸中央から仕掛ける場合、フォワードに入れてワンツーで後方から打つ、これは前節で、なかなかやり切れなかった部分。
諦めずに繰り返してもらいたい。やはり取り組の結果は大切。

……、とまぁ、あえて守備を棚上げしてでも、まずは準備したことを出し切る、相手に率先して攻撃を繰り出す、是非、これで。

相手のパスワークに対しては、乱調と断絶を与えて、出来る限りこちらペースの時間を刻みましょう。

では、なりふりかまわずのアルウィンで。