ベンチマーク をいまだ創れず (2020.8.12 千葉戦レビュウ)

 

―あぁ、山雅からは、今日も元気をもらえそうにないか……。

0 – 3 になった(68分)あたりで、家人が呟いた。

開始8分に先制すると早くも、千葉は攻撃の手を緩め、加点するとその守備的な姿勢はいっそう強まった。
退いて守り、カウンターで得点できればオーライで、あとは時間を確実に進ませるのみ。
こういう場面で工藤ちゃんが投入されるとは、なかなかしたたかな戦術。

今季千葉の最大テーマは、こういった規律を内面化することなんだろう、きっと。

〈今季のベンチマークにできた、この試合〉
現在の取り組みを完成させる、という見地に立てば、〈最適解〉を見い出すにはもって来いの、ゲームだったはず。

ボール保持60%強の側にまわるところまではクオリティを上げて来たのだから、その状況でスコアを動かすには手ごろな戦況なわけ。

つまり、ベンチマーク(ひとつの完成形)を創るチャンスだったのだ。

今、チームがみずからに課している与件は明白になっていて……、

先発フィールドプレイヤ10人の平均年齢(公式サイトより)は、25.5歳
連戦乗り切り策もあるだろうが、若手登用をかなり意識した、3 – 4 – 2 – 1 を採用。
スリーバックがすべてレンタル組というのも凄まじいが、これをテコにしてDF陣内の競争をもっと熾烈化させるべき。

❷上に書いたように、相手が守備に回れば、60%強のボール保持ができる地点まではたどりついた。
やはり、逡巡ないパスまわしと、サイドへの展開がその武器になる。
それが発動されるのは、個の技量によるボール奪取から距離感の良い連携が必須。
中盤より後方では、それなりの熟度を感じるまでになったが、プレビュウで書いたように、単なる外縁でボールを動かしたところで、堅固な陣形は崩せない。
さらに、中盤より下からのボールの持ち出しにも、いまだ不足な昨夜だった。

外国籍プレイヤーの活用にメドがたったこと
ゲーム勘とフィットネスを見究めつつだろうが、トライアルをより強く進めよう。
ただし、アウグストは右サイド、イズマはシャドウ的に運用したほうが、攻撃に厚みが増す、と思う。
センターフォワードはやはり、阪野、鈴木、服部ではあるまいか。

中盤(ボランチ)の組み合わせが豊富になったこと
塚川が投入されてから、チームはかなり攻撃的な容貌を増した。

さらに、米原は基底からの正確なパス供給に加え、長身を活かすべくペナルティエリアへの侵入を何度か試みている。これを続けるべき。

いかなる組み合わせでも、あるいは、アンカーとして一人を配するにせよ、ボランチの駆け上がりと攻撃参加が無いと、得点力は上がらない。

サイドの構成をどう組み立てるか
このポジションもかなりのタレントを試してきた。
そのミッションを、深い位置からのクロス供給の回数、と単純化して良いのではないか。
それに、カットインでシュート!、を上乗せするべきでしょう。

#10セルジ―ニョを どうフューチャーするのか?
ボールが出て来ないと我慢できず、みづからが後ろに下がってボールを前に運ぼうとするプレイが目立った今節。
そこから誰かに一度、二度預けてから、再度高い位置でもらいたいのだろう。

としたら、セルジ―ニョからの受け手、彼への出し手、との連携を深めないと、どうしたって、独りてんてこ舞いで、攻撃がノッキングする。

波長を合わせられるメンツが、サイドを併用しながら、しかも、中央寄りに何枚か入って来ないと、相手の守備網に穴は開かない。―喫緊のテーマだ。

以上、支持し、完遂を期待し、かつ個人的に注文をつけたい項目を挙げておく。

とは言いながらも、息子の言葉にも傾聴すべきだろう。

―増島の2点目。
フリーキックからヘディングでやられたシーンをみて、対セットプレイの練習やってないの?、って思うわ。
結果が出ていない(失点した)んだから、プロとしてだめでしょう。失望です。

ごもっとも、なことで。

では。