コンバート論 (いわき戦レビュウ❸おしまい)

〈おおいに、あざむけ〉
いわき戦は、ストレート対ストレートの、直球対決のようでもあったゲームだった。

山雅が、そういうサッカーにつきあった、とも言える。

けれど、

サッカーも、正当なあざむきを武器とする競技である以上は、
(それゆえに、待ち伏せ行為は、オフサイドとしてファールを課す)

そこにもやはり、企画性や、意表性が必要でして。

ベースボールでは、ストライクからボールへと変わる変化球(コントロール技量) を駆使できないと、ホームランを献上してしまう。

たとえば。

そういうシーンが、ゲーム最初6分の、ロングスロウ(by村越)に仕込まれていた。

あの時。

金子が、ペナルティエリア内で足をさすってうずくまったが、あれ、サインだったんだね。

村越がピッチに叩きつけるスロウを入れた瞬間、金子がニヤに飛び出してきて、ボールを相手に当ててコーナーキックを獲た。

これを観るに、練習での創り込みの準備の豊富さがうかがえる。

次戦でまみえる大宮は、失点の50%が、〈セットプレイから〉によるから、おおいに 期待してます。

〈コンバート論の蒸し返し〉(左サイド脆弱の克服)
左サイドは依然として、カード(プレイヤー)不足が否めない。

実際、金子からの効果的なフィードが、右サイドに限定されている。

前節から復帰の #7 松岡 リムは、あくまで澤﨑と同様なポジションを担うか?、と思われるから、

オンリー樋口の状況を解消すべく、

不測の事態に備えるためにも、

#19 田中 想来を、その守備力を強めることで、左サイドバックへとコンバートする。

または、佐相 壱明

彼は、2020季長野で、左アウトサイドハーフとして、22ゲーム出場の実績があるから、コンバートできるタレント、と思うんですがね。

では。

確かめられたか? 真価と現在地 (いわき戦レビュウ❷)

(註、アーモンドの開花)

ゲーム前に、チノ氏と、

山雅の〈真価〉を測れるゲームになる、と話をしていた。

大宮、藤枝、磐田、札幌。
2部のチームと、何度か対戦していたのにもかかわらず、なぜかそう思ったが、

ゲーム開始してしばらくすると、ははぁ、と見えてきたものがあって……。

〈いわきサッカーの粗描〉
ガタイのいいプレイヤーを、適宜に配しておいて、

中盤の俊敏性で、ボールを回収。

サイドから侵入すると、

逆サイドのペナルティエリア角には、かならず誰かが入ってくる約束事。

相手守備を、立て続けに左右に振る波状攻撃で、ゴールに殺到する。

あるいは。

ロングスロウを執拗に繰り返して、守り手の損耗を期す。

山雅の 1失点目は、そんなで、最後はアタマで決められた。

ただし、セットプレイ、クロスは、かならずしも高精度にあらず、

このゲームでもイージーなミスで、こっちは、4度、5度と、助けられた。

山雅の走力は、ほぼ90分落ちなかったが、

いわきも消耗を見せずに対応してきたので、どちらかがへばる、という状況は生じない。

言わば、

規格外/屈強なプレイヤー、敏捷性を装備した〈装置〉の中、

ロングスロウ一辺倒の単調さも、蹴り出し一辺倒もいとわない、外連味には目もくれぬサッカー。

この実現には、それだけの時間と労力を要しているに違いない。

〈やっかいの克服〉
いちばん顕著だったのが、いわき右サイドバック#30。

対峙する樋口からすると、相手の肩口に、自分の頭がある、という体格差。

リーチ長もあるから、相手との間合いの詰め方にも、戸惑いがあったか。

前半は、そこでの格闘で遅れを取ったので、山雅の左が機能せず、

右サイドの〈片肺飛行〉に。

それでも、左サイドを使おうと、サイドチャンジのロングボールを入れたが、残念ながら、それを回収できず。

ゲームの入りがかなり良かっただけに、そこが、一層目立ちましたね。

意思疎通と、位置取りとボールのミスマッチを是正して、

#30を前に出しておくかして、その後方を襲いたい、次回対戦での課題だ。

後半には、思い切って距離を詰めて自由度を奪うことができて、#30の脅威を、ロングスロウにほぼ限定することに成功。(もちろんロングスロウは、厄介)
その修正は、評価します。

〈小田にはじまり 小田に終わる〉
したがって、右サイドが、もっぱら、山雅の攻撃突破口になった。

#43金子から、#2小田 逸稀へのロングフィードは定番化。

特筆すべきは、後半68分。

小田が広く駆けまわって、相手ディフェンダー、そしてキーパーへと猛チャージをかけたシーン。

あきらかに、あの突貫で、こっちの攻撃にひとつのスイッチが入ったことはたしか。

その後、ロングフィードを織り込んで最前線で勝負することの繰り返しが、

結果、藤枝の逆転ゴールとして実ったわけで、

チームにひとつの〈喝〉を入れることができるああいうプレイは、かなり貴重。

相手の不要なつっかけに対する猛然抗議も、流れを持ってこられるならば、有効でしょう。

で。

被同点弾となってしまったクリア未遂(不運にも味方?の身体にあたって撥ね返った)ね。

手まで伸ばしてシュートストップしようとする小田の必死さをみたら、なんにも言えなくなる。

緩い寄せでクロスをゆるしたことも、ミスに近い。

 

……以上。

相当の年月をかけて出来たサッカーに対し、

駆け出しのサッカーが、それほど見劣りを感じさせず、かつ、当方の時間帯をかなり創れたのだから、

上等な出来高のゲームでした。

では。

残酷で,素晴らしきゲーム (とりあえず★いわき戦レビュウ)

2 – 2 で、90分を締めて、PK戦となるも、そこで負け。

アディショナルタイムで、一時は逆転したりと、

あれだけやった感があっただけに結末は、ずいぶん残酷なものとなりました。

レギュラータイム終了の笛が吹かれると、

僕の居た後方からは、

― 富山戦で学んだことを忘れたのかよ!、という声が聞えてきたが、

そこまでさかのぼって、このチームを責めるのは、〈酷〉というもの。

たとえ、数分間でも、

感極まるような歓喜をもらっておいて、

逆転のまま終えられなかったチームに文句をたれるのを、恩知らずというのだ。

そもそもが。

共闘する者として、(☜ 〈共闘〉とクラブがいっているからには)

10,000人を突破できない(7,900人) ことの責務について、どう考えるのか?

……ここでは、とりあえず、次の4点。

❶金子のゴールは、澤崎のアシストになるのかどうか、

もしそうならば、勝ち点を 15まで積めたこととあわせて、

プレビュウにおいて、僕が求めた結果は、手に入れたこととなった。

❷前半で、いわきサッカーが実感され、そこにはかなり手こずったけれど、

後半、それを修正し、かつ、流れをこっちに持ってきた指揮官の手腕と、

それに応えたプレイヤーは、称賛に値いする。

いわきとは、来月には再戦があり、

見劣りしなかった今度の経験知からして、かなりな勝算が見込めるはず。

❸ここまで、9ゲームを消化して、クリーンシートが 2度(のみ)をどう評価するか?

と、同時に、無得点試合が 2回(のみ)で、勝ったゲームは、すべて複数得点。

堅守というには、まだ不足があったりして、

守備の憂いを消し込んでおいて、走り倒して、攻撃で粉砕するチーム。

この容貌を、もっと着実に、今の山雅には、刻み込みたいですね。

❹藤枝 康佑、言い方は悪いが、ただのネズミじゃあないわ。

〈神の手〉で翻弄するとは、フォワードの資質に際立っており、

金子 洸太を含めて、これら若手には、瞠目すべき才がある。

こうなると。

田中 想来も、琢磨して、これらに割って入れ。

では。

拮抗を覚悟しつつも (いわき戦プレビュウ❷)

たとえば、

福島、甲府、岐阜、長野。

これらのチームと、山雅、いわき、それぞれの対戦〈内容〉(勝敗は別)をみると、

圧倒(=優位)度や、互角度のあり方が、かなり似ている。

ゆえに、(乱暴ですが)

両者の力関係は、ほぼ拮抗しているだろう、と診ます。(その優劣は不明)

いわきとは、直近3シーズン、対戦がないので感触はほとんどないが、

遠く、2022季の記憶では、縦に速く、力強く……だったか。

今季。

山雅よりも、得点、失点ともに少なく、かつ、大負けもないから、

堅実なサッカー、と勝手に判断。(山雅が点を獲り過ぎなのだが)

だから、やることとは、真っ向から闘うこと、これに尽きる。

互いに、策を弄するよう場面も、あまりないだろうから、

〈剛直な引き締まった〉ゲームになりそう。

その中で、注文することは……、

たとえば、福島戦の、小田のゴールを演出したコーナーキック。

あの発端は、

安永が、福島の安在(ボールホルダー)をゴールラインまで追い詰めることで、ラインを割ってしまうミスを誘発したこと。(これが、今季の安永の変わりよう)

ガツンガツンのぶつかりにばかり目がいきそうですが、

こういった執念深い、一見、地道なプレイにまで心配りができるかどうか。

観ていて、集中と緊張を求められるゲームでしょうが、それも、また、一興。

個人的には、

あれだけシュートを放つ澤﨑に、ゴールとアシスト(セットプレイ) が生まれ、

チームとして、

前半戦を終えた時点で、勝ち点が15以上になればうれしいです。

では。

前節の問題点から始めよう(いわき戦プレビュウ❶)

なかなかに良いスコア(3 – 1)で勝利できた福島ユナイテッド戦。

けれども。

このゲームでは、60分以降のラスト30分間、山雅のシュートは 0 本だった。

後半ずっと、福島のボール保持率 が、ほぼ60%と変わらない中で。

これ、けっこうな問題点ではないか?

山雅が、0 – 3のスコアのままに、ゲームを締めようとしていたはずはないので、

その理由が、

福島の繰り出すパスが長くなり、ロングフィードが織り込まれ、かつ、サイドから侵入するように展開した、というのならば、

山雅のほうに、攻撃エナジーの衰えが生じただけ、では済まされない話。

つまり。

ラスト30分の過ごし方、特に、攻撃の迫力を維持するための方法論を開発、研磨しなければならない。

しかも、その時のスコアによって、

かっきり守備陣形を作って構える相手と、ゴールをめざして前傾で来る相手、この2様相にわけて、それぞれに活路を、ということ。

粗くいうと、❶固めた相手守備を崩す手法、❷ロングカウンターの決まり事。

もちろん、このふたつは、90分間にわたり使えて、かつ、対戦相手のスタイルに関係なく有効であるわけなので、

いわき戦において、特に攻撃で是正がなされているか?が、

まずは、注目点でありましょう。

では。