参戦リーグを〈金〉で買えるのか? (勝利の方程式 ❸)

クラブの有する資金、つまり、クラブ売上(=収益)でもって、

目標とするリーグ参入を果たせるのか?

その答え。

半分はイエス、残り半分は、ほとんど確約できない。

❶イエスのほう。

なぜなら、

クラブ資金を積み上げてあるラインにまで到達すれば、トップリーグで戦えるから。

その目安は、クラブ売上規模が、おおよそ40億円をクリア、と診る。

そのお金の有り無しが、トップリーグにとどまるための攻防線であって、

エスパルスは、一昨年にそこを確保し、一年ムダに2部で過ごしたものの、1部に復帰。

また、ゼルビアの場合は、2部にいた2023季に、既に34億円の売り上げを確保している。

両者とも順当な事例で、資金量をバックに、フィールドマネジメントもそれに見合う結果を出した(出している)、といえる。

Vファーレンは、予算をその規模にしないとトップ参戦がしんどい。

むしろ、トップリーグでは、売上が 30億円に達しない環境下、そこにとどまり続ける、湘南、福岡といったクラブの残留力や戦闘能力から、多くを学ぶべきかも知れない。

特に、我が山雅の場合だと。

そもそも彼らが、トップリーグに居ることが稀有なのだから、その秘訣を盗まない手はなかろう。

❷クラブ規模と参入リーグが合致しないほう。

上に指摘した資金量を下回ってくると、まったく相関性がないとは言えないけれど、どのリーグで闘うのかに、確固とした基準は見当たらないし、

逆にいうと、かなり多くの要素の、それも偶然の(必然性がない)組み合わせの結果とみるべき。

人間の思考(理性)には、これをやればこういう結果となる、といった原因結果の必然的な連鎖を求める習性が染みついているから、

こう言うと抵抗があろうが、やはり、事実だと、僕は思う。(かなり哲学的な表現で、恐縮です)

だから。

2部、3部リーグでは、

宿命論的なゲーム観を持たないほうが、ゲームを診る眼がよほど曇らない。

山雅については、

このリーグを見回す限り、現状、資金的にはもっとも潤沢なクラブに違いない。

が、そこと戦績の連動性を求め過ぎてはいけない。

僕は、トップチーム人件費(現下、過去最高時のほぼ半減)は、これからでき得るかぎり増大をめざすべき、と主張する。

参戦するリーグに関係なく、他の、より資金の乏しいチームのやりくりの上手さに関係なく、です。

コストパフォーマンスとかの名目で、これを変に削減するほうに向かえば、

それこそ、その発想は、安い時給で人を酷使しておきながら、人手不足を嘆く、無能な経営者と変わりない。

考えてもみなさい。

地元民さえ音を上げるような長い極寒と、それほど住みやすくもない地方の街に住んでもらうのですよ。

ファン&サポーターばかりが熱くても、それを誇るのはプレイヤーであって、

決して、我々ファン&サポーター自身ではありません。

では。

勝ち切る技量 (勝利の方程式 ❷)

方程式その❶における、

各チームで明暗が分かれた、大きな要因は、

〈攻撃が活発な時間帯に、ゴールが獲れなかった〉こと、だと思う。

よく言う、詰めの甘さや、シュート精度の不足。

そこにはもちろん、相手ゴールキーパーらのファインセーヴもあるんだけれど、

3部リーグは、チームの総力の低さのゆえからか、

耐えきる力に乏しいゲームが多いので、獲れる時にゴールを獲らないと、その後、ゲームの中で、暗転を味わうこととなる。

☞ この点は、山雅ファン&サポーターであれば、骨の髄までご存知のはず。

では、我慢し続ければいいのか?

否。

それは、みづから攻撃性をシュリンクしてしまうこととなるから、

あくまで攻撃的姿勢を採りつつ、相手の出足や出鼻をいなす、挫くのが、ゲーム潮流を渡さないための方策に違いない。

僕は、これを〈巧さ〉と呼び、山雅が身にまとうべき特質のひつと、と主張してきた。

なぜか?

2024季。

山雅が先制に成功したゲームは、全部で、25こ。

0 – 0 のゲームはたったの 2つだったから、有得点ゲームの先制率は、69 %

7割方のゲームで先制してるのは素晴らしく、攻撃的な容貌が露わ。

ただ、注目すべきはそこではなく、

先制して、その後、ゲームがどう締まったのか?、だ。

……その内訳。

勝ち ☞ 14  (つまり、山雅の逆転勝ちは、昨季、2こ)

ドロー ☞ 7

負け ☞ 4 (逆転負け)

要は、先制したうち、そのまま勝ち切れたのは、56 % だった。

ワールドカップの予選リーグにおける先制勝利率が、おおよそ 60数パーセントらしい。
意図的なドローをもくろむケースの多いリーグでの数値なのを考えれば、

山雅の 56 % は、いかにも低調な数字だ。

数字上のお遊びと言われかねないが、ドロー7のうち、4ゲームで勝てれば、

勝利数は、計 18 となり、(先制勝利率 72 %)

これは、僕が求める、勝率 5割(19勝)に、ほぼほぼ匹敵する。

おそらく。

ピッチに配されるタレントの質と戦い方に、

昨年に対して、ドラスティックな変換を期待するのは見当違いのはずだから、

今は、チマチマと勝ちを積むための、

勝ち切る力、すなわち、〈巧く〉ゲームを握る流儀の進化を、ただ求める。

では。

なにかと明暗の濃い…… (勝利の方程式 ❶)

 

プレイヤーの退団(移籍)などで、昨季使っていたゲーフラ 4つのうち、3つを仕舞うこととなった。

新規に作ろうと思い、

すこし前に、生地(布)を用意してあったけれど、やっとその気になって、手をつけはじめている。

ただし。

リーグ開幕もしていないので、プレイヤーを描くのに、〈題材〉に乏しい……と、泣き言ばかり。

(註 ☞ 右の人差し指があかぎれしていて、キーがキチンと打てず、ミスタッチばかりで難儀。なので、この先を短くします)

さて。

4チームをのぞいたリーグ開幕戦を、適当に、ハイライト等でひろい観したところでは、

チーム、およびゲーム内容の出来について、対戦者の明暗が、クッキリと浮かんだ第1節。

これで、リーグの今後が決まるわけでもなかろう。

けれど、

これからやるに際し、警戒すべきチームとその方法論において参考にはなります。

期待できる、ゆえに厄介なチームは……

栃木C (vs 相模原)、群馬 (vs 琉球)、高知 (vs 栃木SC)、鳥取 (vs 沼津)、奈良 (vs 福島)、それに、宮崎 (vs 長野)。

とにかく、やることが意思統一されている点がめだつ(仕上がりは不明)。

ところが、このうち、勝利(という結果)にたどり着けたのが、

栃木C、たったひとつ、とは。

これも、また、サッカーの歯がゆさ、辛さでありまして、それは ❷で考察します。

対し。

沼津は、3 – 0 と良きスコアで勝利してますが、

その皮肉を、チキンとスカウティングするならば、山雅の勝機は増す、と思います。
(中山さんの仕込みの、その上を行くならば)

では。

なぜ,映画『Let It Be』(1970年公開)を評価しないのか?

その理由(わけ)を、ふたつ。

❶映画『A Hard Day’s Night』(1964年公開)は、
多忙な日々(Hard Days)を送るビートルズが、実録風に、彼ら自身を演じて魅せた、洒落たコメディだった。

当時の売れっ子アイドルがドタバタと画面を動き回る、とは言え、

白黒ということもあって、

『Saturday Night And Sunday Morning』(土曜の夜と日曜の朝、1960年英映画)に一脈通ずるような、シニカルな風刺が効いている良品。

僕の中では、これとの比較がどうしても頭をもたげる。

いくら、スタジオセッション(曲の作り込み)や、手短に演ってみせた公開演奏を描くにしてもですよ、

この後、名作アルバム『Abbey Road』(1969年秋発表)を創る力がある彼らなのだから、

見え透いたヤラセ、たわいもない会話やギャグ、そういったもので、音楽制作の仕事ぶりをうすめて見せるのは悪手だろう。

❷セッションに参加したビリー プレストン(1946~2006年) の、作品中における扱いが、あまりにも軽い。

ビリーのキーボード演奏の素晴らしさが、どれほど楽曲に寄与していることかは、一聴瞭然なのに、

映画を観るのは、ビートルズマニアだ、といった決めつけがあるから、こうなってしまうんだろうが、

なんとも敬意に欠ける、とはこのこと。

その腹いせにと、

ビリーの作った『You Are So Beautiful』(1974発表)を、ケニー ランキンがカヴァーでしているやつを聴いている。

では。

楽しみは増す……。

― モネ展は、あくまで、おまけだったんですよ。
ライブ(最近はコンサートをこう言うらしい) のついでの。

アベちゃんが、こういってエクスキューズするものだから、

― それにしたって、パウル クレーは観るべきだよ、と念押ししておく。

― クレーには、たとえば、モネなら水連、ファン ゴッホならひまわり(静物)、といったお決まりな作画上のテーマがない。

その都度、違った思想で描かれた、ひとつひとつの作品が、ただ在るだけ。

それが、素晴らしいのよ。ある意味、マネに近い。

ただし。

クレーは、描写の技量を拒絶する姿勢(=画法)によって、他の画家と決定的に違う。
おそらく、この点が、この画家の、独自な先駆性。

さて。

先日、K君からのショートメールが入って、

……パウルクレー展は、静岡市美術館で 6月7日(土)~8月3日(日)の日程で開催される由。この美術館は、JR静岡駅北口より徒歩3分だそうです。静岡には県立と市立の美術館があるようで二重行政の典型、と言われそうですね……。

市立美術館には、数年前、古代エジプト展を観るために訪れた。

葵タワーと呼ぶ 25階層ビルの、3階フロア―を占めていて、マチナカ美術館をめざしている感じ。

対し、県立のほうは、郊外の高台、県立大学キャンパス至近にあって、

広い敷地に、デンとした構え。

おすすめは、ロダン館と呼ばれる、アネックス(本館の後ろ)。

ここには、地獄の門(現物からの鋳造によるレプリカ=本物)など、ロダン作品を多く収蔵している。

地獄の門は、

日本では、上野の西洋美術館と、ここにしかない (世界では 7つが現存する)

12個までは複製させる、というから、松本市は購入を考えたらどうか?(真剣に)

そうだ、クレー展と一緒に、ロダンも観に回りましょうか、当日?

……と、K君には、メールを返しておいた。

では。