パンツひとつに主義をとおす。

 

― ねぇ、これなんか、どう?

家人が、CO-OPのカタログのページを指し示して、訊いてきた。

みると、チノパンのようだ。
ふん、ふん……。だが、いけない。

ウエストの脇がギャザーのようになっていて伸縮する構造だ。

中高年向けに快適さを訴求した仕立てなんだろうが、

いい齢をした大人が、こういう安逸に堕すのは、ダンディズムの放棄ではなかろうか。

― いや、やめとくわ。
これ。ラインが、僕の体形に合わないように思う。

隣りを連れ添って歩くジジイが、

短パンに黒タイツとか、アデ〇ダス風(アデ〇ダスではない)トラックパンツをお召しになるのを、

あってはならないチョイスと、忌み嫌う家人が、

そやつに、フツーのスラックス(長パン)を履かせたい魂胆を、

僕は、もちろん、承知しているので、

ことさらに、やんわりと、お断りするのであった。

アデ〇ダス流呼称だと、トラックパンツ。☞ジムスラックス?

僕の愛用は、実は、

しま〇らの、婦人用Lサイズで、2本ラインが、サイドに入っているやつ。

女性対象だから、ひざ下が細く、腰回りに余裕があるカットになっていて、

176㎝の僕にも、丈も含めて、まことに違和感なく着まわせる。

僕は、同じものを 3本持っていて、変わりばんこに使うが、生地にへたりも来ず、もう数年来の重宝だ。

価格は、アデ〇ダス1本に対して、8本は購えるから、実に買い得感あり、

別に 3本ラインに執着もないし。

……しかし、まあ。

山雅の 60周年コラボウオッチを辞退するのとはわけが違うから、なんとかせねば。

服飾メーカーのサイトをいくつかあたり、

今はセールス価格になっていて、

家人ご推奨のものとほぼ同額帯の、リネン風なネイビーのスラックスを選ぶと、

― これ、注文していいかな?

案の定、お許しが下りたが、

でも、はじめて試すメーカーなんで、

指定のサイズがしっくりとくるかどうか?

今は、それを気にしながら待つのであります。

では。

このまま進め(条件つき) (沼津戦レビュウ ❷)

なんといっても、目にみえた、いちばんの進化は、

早川氏が、セットアップのジャケット姿で采配をしたこと。

いやいや、これなんかは、〈新化〉と言うべきか。

と、軟な話は差し置くとして……、

ゲーム中にあった、いちばんシンボリックな進化の光景は、

前半22分頃だったか、(DAZN画面では拾えていないけれど)

沼津が押し込んでいた状況下、山雅がなんとかクリアしたボールが、相手ゴールキーパーへと到達したその瞬間、

山雅の最終ラインを含む陣形全体が、グッと前方へとひた走る。

この時、沼津の最前線は、遅れをとってそのまま居残る格好となった。

山雅と沼津の切り換えのスピード感は、4倍速くらい山雅のほうにあって、

迅速なファイティングポーズ、これは、あきらかな新味。

強烈、かつ細かな落とし込みを感じさせる。

布陣的には、センターバック 2枚と、ボランチ2枚、ここはしっかり作っておいて、特に、#10 菊井が自由度を有して動くから、

4 – 4 – 2、4 – 3 – 3、4 – 2 – 4、と流動的にやるのは、

相手のマークに狂いを生じさせる意味でもいいが、

要は、沼津でいえば、#8のようなセンターフォワードを欠いてシーズンインしている山雅なんで、そこを今後、どう覚悟するのか、打開するのか、にかかわる。

たとえば。

終盤になってやり続けた、ボール蹴り上げの裏面狙い作戦ですが、

あれが、果たして、浅川 隼人の投入が、活きるための戦法であったかどうか?

右から菊井が入れたクロスに、頭で反応したのは前田 陸王でしたが、やはり、あそこは、浅川を狙ってもらいたいし、そういったシーンを多く創出すべき。

ロングシュートが枠外、ってのを観ると、菊井はやはりアシストで活きる。

野々村 鷹人が、パスを、前線右の 佐相(あるいは凱光)へ、(サイドバックを飛ばして)ダイレクトに入れるようになったのも、目につく変化。

これを筆頭に、パスの出しどころの逡巡、ためらいといったムダや、陳腐さが消えて、同時に、❸前方向を選択しようという姿勢がめだつ。

……進化、のいくつかを拾ってみましたが、これを大切に究めていく。

として、すると、どうしても、運動量が増すわけで、

沼津戦で起きた、終盤へかけてのガス欠からくる、陣形のルーズが生じてしまう。

互いの距離が延びて、ボールを先に相手が拾うことで苦しい局面が生まれる。

ここを、交代カードの使い方を含めて、どうやって克服するのか?

次節以降の注視点だと思います。

では。

いま,春が来て (2025.2.23沼津戦レビュウ❶)

ゲーム結果は、1 – 1 のドロー。

同じ引分けであっても、

先制してのドローと、同点に持ち込んでのドローとでは、

心象がけっこう違うから、それに左右されると、ゲームの評価をし損なうからご注意。

……総括すれば、

力量の違い(山雅の優位)はあるにせよ、それにあぐらもかかず、ボールを追いかけまわしての、

ほぼワンサイド。

沼津式サッカーを、ほぼ完璧に封じ込めた。

失点?

あれは、事故に等しいから、ゴールまで持っていった相手#20を褒めてオシマイ。

そこをどうこう言ったところで無意味、ってもんでして。

我らが開幕。

ということで気負っていたとも思えませんが、

村越のゴール後、ベンチメンバーも繰り出しての、ゴール裏でのセレブレーションは、チームの雰囲気の良さを感じさせて、グッド!!

村越、龍平といった、ホームグロウン世代が、ああいった落ち着きを魅せるプレイを続けると、

チーム全体の自信、自分自身への信頼、そんなものが自然と醸し出されてくる。

で、愛鷹からの帰途。

名残り雪の歌詞がなんとなく想い出され、

いま、春が来て、君は綺麗になった、のキレイの部分を、

〈賢く〉(カシコク)に置き換えて、我がチームに進呈すべきゲーム。

山雅よ、去年よりずっと、かしこく、なったね、と。

❶沼津が反則の多いサッカー(昨季は、リーグで7番目に多い)であることを前提に、

ファールに見舞われた時の痛がり方を〈統一〉することで、

沼津の速いボールの持ち出しと繋ぎを寸断し、時間の流れをこっちへ手繰り寄せる。

被ファールは、10数回あったので、6~7分に1度は、こっちのペースでゲームを止められたことになる。

同様に。

相手の裏抜け狙いには、最終ラインを制御してオフサイドを獲る。

❷先制ゴールに象徴されるように、

スローインひとつにも、隙のない(相手の虚を衝き)心配り。

かつ、コーナーキックごとに図っていた意思統一。
(ゴールにはならなかったが、3本は野々村の頭にヒットしていた)

もちろん、チームに、狡猾なサッカーを求める筆者のおもわくが、

多分にゲームに投影されてあるにせよ、です。

では。

これぞ,天の配剤 (沼津戦プレビュウ)

願わくば。

冠雪の富士を視界の隅に入れつつ、愛鷹に向かいたい。

(……のですが、チケットは用意するも、或る事情で、この記事を書いている時点で実現が不明。したがって、レビュウも、それにより観測地点が左右されることを、あらかじめお断り)

さて。

昨季のリーグ最終戦の相手と、今季の初戦で、再びまみえる、とは……。

もしも、サッカーに神があるならば、その采配に感謝しなければなりません。

なぜなら。

気分としては、山雅が、昨年積み上げたものの記憶から即スタートできるし、

❷ゲームそのものでは、あそこから、どのように脱却/進化しようとしているのか?を、観て取れるのかも知れないから。

あの時のゲーム、とにかく、前半は酷かった。

沼津に、長短のパスで巧くこっちの陣形を引き延ばされて、サイドからの侵入をゆるしまくった。

でも、後半に入ると、おもに中盤を締めることで劣勢を立て直し、主人公としてボールを握れるように修正できた。

アディショナルタイムの安永弾は、そうやって相手を押し込み続けたがゆえの快挙でした。

修正力をみせたのが、最大の収穫。

で、今節の見どころ。

ボールを主体的に動かせれば、勝機はかなりこっちのもの。
どんなボールを使うにせよ、思うようにボールを使えれば、あるいは、相手にボールを預けて、こっちの思惑どおりにボールを誘導できれば。(単なる保持のことでない)

沼津は、とにかくボールを持って、しかも、サイド中心に速く攻め込みたいチーム。

だから、そこを逆手に取るとしたら、ボールを持つリスク(相手の)を衝く、または、カウンター的にやって、局面を一気にひっくり返す、ってことか。

❷後ろを4枚にしようが、3枚にしようが、

ポイントはプレイヤー間の距離を間延びさせず(させられずに)、縦に、コンパクトな陣形を保つこと。
それでもって、全体で、相手を前線から押し込んでいく。

❸今季からレギュレーション変更があって、登録メンバーは、上限20名。
交代枠 5人はそのままなので、指揮官のカード選択力が、より問われることがひとつ。

ふたつめは、山雅でいうと、サンタナ、村松、渡邊あたりまでがベンチ入りできるかな? 楽しみは増す。

❹中山采配は、やはり、隠し立てもせずに果敢。
来季から前線のレギュラークラスが流出したものの、

スリートップに、ふたりの大卒を初戦から起用し、前節の鳥取戦では、それがハマった。

チーム全体が気分よくゲームに入るだろう。☜ そこも衝け。

着目すべきは、

一回目の、ゴールキーパーからのロングフィードがどこに入るかを観れば、狙いたいスペースがおおよそ判るので、そこを感じて、巧く対処することです。

では。

竹原ピストルとは,チャントである 『なごり雪』

 

森田 童子(1952~2018)と、鮫島 有美子(1952~ )は、

1950年代初頭生まれ世代の歌手の、双璧に違いない !! (もちろん、ただ僕の中で)。

その森田の、『たとえばぼくが死んだら』(1980年発表)を、

竹原 ピストルがカヴァーしているのを聴いて、えらく感心してしまった。

実直に、美しくのびやかに、情に流されず、かといって、情を棄てもせず、品の良い日本語で歌っている。

で、次に。

『なごり雪』(1974年発表、by かぐや姫)もカヴァーしているので、これも聴いてみて、いやぁ、大したものです。

歴代カヴァーのなかで、出色でしょうね。

そこには、あの名残り雪を歌う(姿勢)、ではなく、竹原自身の名残り雪が厳として在るからだ。

つまり、歌詞中の、

電車が行ってしまって、踵を返してホームから去る主人公の、

新たな出発が、深い決意で感ぜられる、そこが良い。

竹原 ピストルについては、近々にでも、また。

では。