天網恢恢疎にして漏らさず。 (てんもう かいかい そにして もらさず)
『老子』の中にある言葉。
天の網は広く張られ、網目が粗いようにみえるけれど、決して漏らすことがない。
つまり ☞悪事は、かならず露見する、という警め。
〈まさか ジュビロが老子を?〉
前置きが長くなりましたが、ジュビロ磐田のサッカースタイルは、この格言がいちばんシックリくるように思います。
採用するシステムはどうであれ、プレイヤー間の距離は比較的に遠く、ピッチを幅広く使う。
ロングなボールや、ロングなパスを素早く繋いで、手早くゴールをめざす。
このようなボールの配球ができるのは、個々の高い技術が在るからであって、
加えて、アウトサイドのプレイヤー(大森や松本)が、自在に動くことで、一瞬にして攻撃の網目をギュッと密にする……。
〈網目の粗密を操る者に 注意!〉
前節の京都戦は内容的には拮抗したゲーム。
先制しながらも、ピーター ウタカの個人技2発に沈んで、新監督の初戦を落とした磐田。
山雅もヤラれたけれど、ウタカをペナルティエリアに入れてしまうと、あぁなるわ。
そもそも、静岡ダービーか、または、アウェイ席が埋まるレッズ戦にしか使用してこなかったエコパスタ(収容50,000人)なんかでなぜ開催したのか?
広大なスタジアムの、閑散による緊張感の欠如。
これこそが、敗戦の根底にあったとしか思われない。
……と、対山雅戦で、ジュビロがエコパを使用しなかった恨みをここで晴らしておく。
今日は雨の中になりそうだけれど、2年連続、アルウィンで遠藤 保仁にお目にかかれる、ただそれだけのゲームになるのか?
あるいは、そこを制すことができるのか?
ここが、今節のテーマでもありましょう。
〈遠藤効果が どう出るか?〉
攻撃面。
前回の対戦(8/9)、前半26分、高橋 諒からのアーリークロスを、鈴木 雄斗がヘッドで一閃してゴールを叩き込んだ、あのやり方でしょう。
磐田ディフェンスは、時間を与えれば統率された強さをみせるが、スピードには比較的に弱い。
ロングであれ、ショートであれ、鋭いカウンター攻撃を仕掛ける、これでいきましょう。
磐田守備陣をできる限り、後ろ向きにしてしまうことが大切。
ボール保持はおそらく、山雅35 : 磐田65 くらいであって、こういう胸の合わせ方がハッキリしているだけ、やるべきこともわかりやすいというもの。
守備面。
これは、遠藤の加入によって、どれくらい磐田のスピードが減ずるか?、がポイントになりそう。
単純にボランチで、とは考えづらく、ツートップの真下くらいに張るのでは?
両サイドバックが高く上がって圧力をかけつつ、遠藤が、前線に向かって、意表を衝く、気の利いたパスを入れる、という構図か。
この場合、その周囲がどれだけ遠藤の意思を読み取れるかが、磐田の攻撃における生命線。
だが、左サイドの大森 晃太郎は6年間遠藤と一緒だったし、センターバックの今野 泰幸は昨年までチームメイトだったので、連携に支障はなく、特に、大森―遠藤ラインは封じるべき最大箇所。
フル出場はないにしても、ゲーム要所での投入はあり得るから、そこらの準備をあらかじめ仕込んでおく。
ボールを持たせてもかまわないと割り切れば、ラインをムダに下げないこと。
ゆえに、このゲーム、サイドの攻防ではジュビロの侵入を抑え、かつ、こちらがサイドで相手を背走させ、その追走をかわす、ここが焦眉の急を要するところ。
決して勝てない相手でもない。
雨中の寒さも味方につける、ってことで行きましょう。
では。