よけいな注文しないから (FC岐阜戦プレビュウ)

長良川のスタジアムは、その独特の立地や、雰囲気で好きな場所のひとつですが、

今節の対戦相手が現在最下位であることなど、とりたてて騒ぐこと(時季)ではなく、

だから、あの地で、岐阜さんと上位リーグでまみえるのは、近い将来だろうと僕は思う。

今季、過去6戦のスタッツをみても、(昨季のタレント流出をカヴァーしつつ)

かなりの自力を証明する戦いをしているし、

ここへ来て、強力な外国籍フォワードを補強してテコ入れをしたようで、

特に、サイドのポジションと、守備のセンターには、実績あるタレントを擁している。

……ゆえに、明日は、外山 凌(左サイドバック) と、中村 仁郎(右ウイング) のふたりに会いに行くのだ、くらいに考える。

……ふたりとも、厄介ですが。

さて、我が山雅。

前節、待望の勝利で界隈の雰囲気もいいが、

あれにしたって、未勝利の直前3ゲームを、しっかり戦った土台の上に成り立ったのであるから、

逆にいうと、ひとつ勝ったからといって、調子に乗ってもいられない。

ゆえに、今節は。

4 – 3 – 3 のきわめてオーソドックスな布陣の、手強い相手に対し、

特には、活発な、その左サイドを封じながら、逆サイドも手当てしつつ、

投入されるクロスを無力化する、できれば、投入そのものを阻止する〈攻撃するための裏面としての守り〉。

ひたすら、そこの追求度を確認したい。

要は、得点こそが、良薬なんです。

あとは。

三日前のルヴァンで使わなくて済んだ、先発陣には苦労しないでしょうが、

ルヴァンを戦った、控え(ベンチスタート ) 9人の選定と投入タイミング。

― これに着目ですかね。

では、櫻花の長良川で。

やらされたからこそ,できたサッカー (ルヴァン杯 鳥栖戦レビュウ)

延長戦を含め 120分間をやって、

1 – 0 の勝利。(得点は、田中 想来のPKによる)

ラスト3分のコーナーにおける時間稼ぎも、なかなかでござった。(高評価)

ひと言では、ナイスゲーム!! (結果もその内容ともに)

組織された、南ゴール裏チャント繰り出し(選択)も新鮮。

4,000人弱の観客の側には、ルヴァン杯のゲーム思想について、

一定の理解にもとづく期待値のようなものがあって、

それが、はからずも、リーグ戦よりよほど〈高度で、より支援的で共闘的な〉スタジアムを生み出していたと思う。
☜萬年が求めるものに、かなり近かった

……以上が、アルウィンの観戦環境。

さて、次が、ゲームの舞台設定と、ゲーム様相で……、

予想したとおり、双方が、リーグ戦から大幅なターンオーバーをほどこす。

山雅は、GK大内ひとりが、リーグ先発のメンツ。

(この起用で、ロングフィードが織り込まれていることを察す)

リーグ戦の途中投入組で先発したのは、佐相、國分、大橋の 3人。

3人のレギュラークラス(野々村、山本龍、村越) をベンチに置く。

ゆえに、先発の平均年齢が 、22~23歳あたりのチームだったはず。

対し。

鳥栖は、直近のリーグ戦先発メンツは、皆無。
つまり、チームごと(11人) をターンオーバーして先発させた。
ただし、リーグ戦の先発組 6人が、ベンチスタート。

❷で、鳥栖さんですが、さすがに、昨季まで13シーズンをトップリーグでやっていただけあって
プレイスピード、気の効いたパス、身のこなし、そういう部分には、J1の片鱗ありまくり。

現況、レギュラーを獲れてないにせよ、個々の能力も、それなりに高い。

後方、または中盤でタメておいて、

サイドをスピードにのって突貫。

最後は、クロス投入で仕留める、そんなスタイルと診たが、

惜しむらくは、詰めとフォワードの迫力が、チト足りぬ。

マトモにやれば、9割方はゲームを支配される、そいういった力関係が大前提なんで、

そして、それを受け入れて、マトモにやるしかないわけだから、

相手ボールをどっかでかっさらっては、即、前方向に走り込み、

シンプルに個で持ち込んでシュートまで完結する、

あるいは、すばやくクロスを投入する、それに特化するのはアタリ前の策。

― (チームとして) 連携ができてないねぇ、と後ろにすわった御方がつぶやく。

たしかに。

ただし、こなれた連携を求めることは酷な話であって、いわば、急造でやってんだから、

しかも、勝ちと同じくらいに、

個々は、レギュラー獲りに向けて、自分の〈価値〉を表現したいのだから、それもやむなし、と僕は思う。

❹ただし!!

こういうゲームを余儀なくされたからこそ

余分な遊びがプレイから消えて、

チーム意思のやじるしが、つねに、前方向に向いたわけであって、

バックパスは、パスアンドゴー、または、ボランチが一呼吸いれるためにセンターバックと交わすだけ、といった様相。

すると。

山雅はやっぱり走るサッカー、と称揚する声があがるんでしょうが、

勘違いしてはいけない。

劣勢をひっくり返す術として、余裕をかます場合でなかっただけの話であって、

相手の強圧に堪えるごとに、こっちは多く足つりながらやっていたはずで、そ

れが、いつまでも常態であってはマズイ。

しかし、ですよ、そんな中、山雅としての追求事項は保持されていた。

つまりは、

(5 – 3 – 2 で)しっかりと距離を保ち陣形を敷く、

あるいは、挟み込んではボール奪取をおこなう、

こういうチーム規律と球際の執着は、〈不変〉にせよ、すくなくとも今季は。

鳥栖の場合。

特に前半、堀米がボランチ的に落ちて、パスをそこかしこに出しながら組立てていたけれど、彼のタクトスピードにチームの〈速度〉が限定される皮肉もあったので、そこは、こっちに有利に働いたかも知れない。

(ゆえに、前半しのいで、後半の頭で息を吹き返せた)

まぁ、ああいう部分をマネて上手くやろうとするのは、まだ 4年は早い、昨夜のチームでは。

そうです、ユース出身者が 4人ピッチで飛び跳ねている中、

僕らは、4年後の山雅とつきあっていたのかも知れないなぁ

個々が見せた価値を細かく触れるのは割愛しますが、実戦投入を重ねれば、かなり上手く、強く 逞しくなるプレイヤーばかり、と感じました。

……さて。

敢闘賞が、村松 厳、スタジアムによる投票選出のMVP (石山 青空)

昨晩のアルウィンの〈眼〉はやはり、節穴でなくマットウ、でありましたね。

では。

変わらぬ山雅を魅せてくれ(ルヴァンカップ1回戦プレビュウ)

(☞ 2019.5.8 ルヴァン杯磐田vs山雅、マッチデイプログラムの表紙、未来のことなどわからない)

鳥栖さんが、対戦するに魅力的なチームかどうか?

……などと非礼なことは言ってはなりません。

わざわざ遠い九州から来てくれるのです。

(ゲームをおこなうからは、勝利をめざすのは当たり前のこととして)

僕からすると、今、この時期にやるルヴァン杯のテーマは、

チームとして練り上げてきた内容を、すこしばかりメンツが変わっても、

ブレることなく表現することであるはず。

前後にリーグ戦をたたかう、その週中のゲームなので、

(双方が)リーグ戦のレギュラーに手を加えることは必定。(ターンオーバーってやつです)

ならば.。

山雅は、レギュラー入りを狙うプレイヤーを試すことがマストではなかろうか。

その前提で、いくつか注文をすると……、

❶相模原戦の登録メンバー、

あれは、チーム首脳がルヴァン杯に向け仕掛けた伏線であって、その中で、特にカタカナ名のプレイヤーが、本日のゲームではピッチに立つ、と予想。

すなわち、

キム ジュンヒョン、チアゴ サンタナ、本間ジャスティン、ルーカス バルガス。

対戦相手の鳥栖さんの存在価値とは、

(サガンのゲームをまったく観ていない者の決めつけですが)

3バック(3 – 4 – 2 – 1)を採用すること、

比較的に堅い守備を特長としていること、

得点力がイマイチであること、そんなところ。

つまりは、前節の相模原にかなり近しいサッカー、の感じ。

となると、メンツが少々変わろうとも、山雅は、前回とほぼ同様な作戦でやる、と診る。

そのひとつだけを指摘すれば。

相手のボランチに(ボールが入らないようにして)前向きで自由なプレイをさせないでおいて、

ツーシャドウにボールが入った時と場所で、徹底的に挟撃して奪取をかけること。

そのタスクを、左右センターバックが出てきて担う(攻撃的に)。

よって、ワントップのFWを孤立化、無力化できる……。

☞ この戦法が、相模原戦の大眼目だったことは確かであるけれど、

はて?、鳥栖が、イスマイラのような危険なフォワード頼みなのか?

あるいは、相模原くらいに連携において緩いのか?

それは、正直、わかりませんけれど(無責任でごめんなさい)。

❸山雅のほうからすれば、自分が対峙する個々の相手はともかくとして、

2023年季で、向こうのトップチーム人件費(総額)は、山雅のズバリ 2倍だった。

どんな職業であっても、結局は、

報酬が、自分の価値評価の、いちばん大きな反映であることに変わりない。

だから、将来、今の 倍の年俸で働く Jリーガーになってみせる、という野望で立ち向かえる。

勝ちにおいて捨て身にならずとも、自分の価値向上のためにとことんやれ。

……そういったゲームを期待してます。

では。

(見落とすな) 鍛錬と煽情と礼節と (相模原戦レビュウ❷)

〈鍛錬〉(技量的の)
地力がチト優っていて、

加えて、自分流サッカーの突き詰め度において、山雅に分があったから、ああいったゲームになったと思う。

コーナーキックでもないのに、センターバックのぶつかり合いがあったこと自体、

山雅が、いかに攻撃スタイルを追求しているのか? の証明。

そこには、過去3ゲームにおける仕込みと検証があってこそ、

決して突然変異的な表出でもない。

もちろん、今後、相手が相模原レヴェルの、寄せ合いサッカーであるはずもなく、楽観視はできない。

〈煽情〉
SC相模原は、今節もファールが多く(山雅の倍)、カード数は、リーグトップを走り続ける様相。

ゲーム開始前に、相模原の監督が紹介されると、

(これが、スタジアム観戦の愉しみのひとつなんだが)

山雅ゴール裏からは、猛烈なBOOが飛んだ。

彼は、Jリーグとしてアクチュアルプレーイングタイムを増やしたいのであれば、ファールを流す基準をハッキリさせろ論者であるらしいが、

この試合、主審はけっこう〈流して〉いたと思うし、

そもそも、ファールになろうともやれ、というチーム気風が醸成されるのは、

果たして、一体、誰の言動によるものなのか?

リーグを見回すと、

ファールの多い上位 ☞ FC大阪、栃木C、沼津、岐阜、鹿児島、そして相模原。

逆に少ない上位 ☞ 山雅、福島、北Q、鳥取、金沢、長野。

反則数だけでゲーム(と順位) が決まるわけでもないが、

サッカースタイルを含め、3部リーグでは、この二極化が、どんな闘争を生むのだろう?

若手の向こうみずと、熟練者の確信犯を巧く運用しながら、相模原がこれから、どうやりくりするのか?

ま、すくなくとも。

相模原がファールを犯すことで、

山雅には、セットプレイとリスタートの権利を与えられ、流れを持っていかれたことは事実だった。

〈礼節〉
あの橋内 優也のならわしからはじまった、

ゲーム後スタジアム一周における、アウェイファン&サポーター席への挨拶。

いまや、チームとしての公式儀礼として定着しているけれど、

今節は、佐相 壱明が、

他の者よりも、一歩進み出て丁重に頭を下げていたことに、彼の人柄がうかがえた。(山雅に移籍前に、2季在籍)

では。

これほどの表現の素晴らしさよ (2025.3.23 相模原戦レビュウ❶)

2 – 0 の、完封勝利。

ただし、〈勝利〉という言葉は、

ここまでのサッカーを作り込んだことに対する賛辞として使いたい。

それは、北ゴール裏同志チノ氏の表現をお借りすると、

ここ数年来なかったほどの、〈整理された〉サッカー。

その真意は、

(観ていて) プレイの意図が明確であり、かつ、それ相応の技量に支えられている、ということ。

これをベースにして、着実に進めば、10ゲームくらい消化して勝ち点 20が現実味を帯びるだろう、とチノ氏は踏んでいるようだ。

〈攻める守備と 猛烈なプレスバックと〉
フタを開ければ、

双方が、初期的に 3 – 4 – 2 – 1を採るミラーゲームとなった。

局面毎に、同ポジションが対峙すれば、両者個々の技量(地力)差から、

山雅のほうに優位はしぜんと生じる。

そして、こっちは、相手のボランチへのパスコースを限りなく消す策を遂行、

かつ、相模原ツーシャドウ(高木、武藤) のところでは、素早い寄せでボール奪取を敢行し続けたから、

前半、相模原には、山雅ゴールに肉薄するシーンはほとんど皆無。

後半、基底からの組み立ての閉塞を破るため、

相模原は、ロングボールを多用して山雅の守備ライン裏を狙う。

けれど、それも、山雅の迅速なプレスバックによってなかなか突破口が開かない。

このありさまを、守備のカイゼン、とかたづけるのは間違いで、

あくまで、攻撃を波状的に繰り出すため、攻撃モードを維持するために、

つねに前方向へ向かい、挟み込みを駆使しては、ボール奪取、入手を求めている、そう考えたい。☞ それにより、相手に後ろ向きのプレイを要強する(追加)

その姿勢が、何度か魅せた野々村の駆け上がりや、杉田のスルーパスにシンボリックに現れた。

杉田は、要領を得たプレイで、ホーム初見世で、早くもアルウィンを魅了した!!

浅川を下げたあとは、菊井がワントップになり、そこに國分、佐相が絡む格好になったが、

70分以降のガス欠も、今節はなく、

しかも。

終盤、相模原の、屈強フォワードをかましたパワープレイがあったけれど、

防戦一方とならず、空きスペースを巧く使っては、何度も相模原ゴールに迫るシーンがあって、

あのあたり、最後をもう少し丁寧にやれば、さらに得点できたね。

最後に……。

絶好機を何回か外してくれた高井 和馬には、心苦しいが、ありがとう、を言わなければならないかな。

では。