仁郎,石丸さんが やって来る(FC岐阜戦プレビュウ❶) 

#7 仁郎は、前節奈良戦では、とびきりの存在感を示したばかり。

さらに、石丸氏は、采配 2ゲーム目として、それぞれアルウィンに、ご来蹴。

なんとも言えない、舞台設定ではありませんか。

ところが、キャプテンマークを巻く外山 凌は、警告累積による出場停止。

水臭いぜ、外山。

岐阜さん、現在、 19位に低空飛行。

だが、

攻撃的スタッツに関しては、我がチームと、トントンな実績であるから、

そして、おそらくは、新監督は、その守備を攻撃的にテコ入れするだろうから、

まったくもって、気の抜けないゲームであることは、明々白。

我が方にすれば、万が一、勝ち点3を差し上げることになると、直近 5ゲームで、1勝 4敗となって

山雅丸は、いやでも、指揮官更迭の議論が浮かぶ喫水線へと入る。

……さて。

ゲームのポイントは、ざっくり、ふたつ。

❶攻撃面について、サイドのスペースを、いづれが、多く、上手く使えるのか。
(サイドからのカットインを含めて)

❷守備陣が、いかに多く、攻撃に参加できるか。

山雅が、

前節長野戦から取り出すべき課題は、

前半20過ぎまで相手を捕まえきれない試合運びであったことと、

その後、形勢を挽回してからも、拙攻に終始したこと、この2点。

それも、観ていて、場当たり的で、納得感や、やり切った感に乏しい攻撃。

ゲーム後半は、相手に、シュートを1本も打たせなかったほど、こっちが攻め続けていたのだから、余計に残念だった。

(☞ 相手に圧倒された、というのは、印象に惑わされた不当な評価に過ぎない)

今節。

その難題を、どう修正してくるのか?、興味は、そこに尽きてしまう。

ロングフィードとグラウンダーパスを織り交ぜるとして、

ロングボール一本槍、あるいは、お決まりのボール移転だけでは、相手の意表も衝けない。

パスで前進するならば、

そこには、(個の)ドリブルと縦パスを挿し込むサイドチェンジを有効に使う、そういった変化をつけないと、相手守備に穴は開きません

石山 青空を獲ったのは、高い位置で、ボールを活発に動かすサッカーをめざすからだと思うが、

緩急の変化が、最近は、菊井のワンタッチパスでしか観られないのは、寂しい。

では。

〈いつか〉などやって来ない (長野戦レビュウ❸のつもり)

ゲーム開始前、メインスタンドの2階席から、松代の方向を眺めると、

これが、なかなかの絶景。

地上に噴出した溶岩がドーム状に固まった(=火山)〈皆神山〉(みなかみやま)が目に入る。

萬年の母方の先祖は、松代の山あいの住人だったので、思い入れもあって。

太平洋戦争が敗色濃厚な中、

大本営、皇室、それに、中央政府の機能までも、この山の地下に移転しようとする、なんともケッタイな計画に着手していたが、それも、敗戦で、頓挫、消滅。

〈信州〉は、〈神州〉と読める、とこじつけの断末魔。

こういうことを、為政者が真剣にやっていたのだから、哀しくも、笑える話。

それから、きっかり 80年後。

そこから数キロ離れたスタジアムで、フットボールに、10,000人の観衆が集まっているとは、当時、だあれも想像しなかったはず。

では。

10歳以下の幼児をのぞき、ほぼ全員が鬼籍に入っているだろう、今から 80年後のいつの日か

はたして、ここで、なにをやってるんだろうか、人々は。

しかし。

僕らが、自分を変えられるのは、いま、今日、明日、明後日、せいぜいこの一週間の話で、

〈いつか〉なんてのは、決して来ない、架空の未来……。

Someday Never Comes (1972年 by クリーデンス クリアウオーター リバイバル)

これ、名曲だよね。

では。

【箸休め】山雅な一日。

 

昼休み。

モモ氏が、テーブルで食していたのは、なんと、山雅応援弁当

近くのデリシアで購った、とのこと。

そのクオリティからすると、市価よりは 100円以上は高額なのに、

― その分が、クラブの収入になるはずだから。

しかも、彼、今週末の岐阜戦は、観戦するつもり、とは、なんとも、ありがたいみ心ではないか。

退勤時の雑談で、

〈戻りオフサイド〉についてモモ氏に語っていると、そこへ出勤したばかりのソネさんと、ばったり。

― 浅川が、琉球へ移籍、それも完全で。知ってました?

― いや。仕事中だったしね。

― 浅川を出したということは、フォワードがひとり補強されるんでしょうかねぇ?

― 桃山学院の藤枝君が、それだったりして。
(さて、どうなるか)

退勤の道すがら、

どこかに遠雷が聞こえ、灰色の雲がおおきく、北東の空にせり上がってきた。

あぁ。これこそ待望の雨か、ありがたや。(草木の水やりは大変)

それから数時間、

ポツポツと雨粒があったりしたが、結局は不発。

そのうち、西方には、入日が輝いている。

来るか、来るか、と期待させて、なんだ、こんなで終わるとは。

こういうのを、山雅天気、と呼んでしまえ。

囲み取材へのサーヴィスかも知れんが、

長野戦は、勝利がマストです、とか、誓ったようなことは言わないのがいい。

― 勝敗は時の運ですから、なんとも。
でもね、でき得る限りの準備をして、全力を尽くします。

それくらいにしておこうよ。

やれ、昇格とか、結果とか。

チームも、ファン&サポーターも、そんな文言を、それぞれが、都合よく言質に取ったり取られたりしながら、応酬しあっているようにみえる。

ワンソール、ってのも、同じ穴のムジナ言葉になっていて、なんとも辛くないか?

僕らは、なにかと、運命的なストーリイを創りたくなるけれど、

勝敗とは、その都度、たまたま出るサイコロの目のようなものが継起していくことでもあるから、

無理なこじつけに踏み込んだら、不健全です。

では。

活発な,不活発 (長野戦レビュウ❷)

開始 5分。

失点直後の、小川 大貴の反応をみれば、わかるように、

斜め右後方から入ってくるクロスを、野々村が、そのままやり過ごしたのは、

ここで下手に頭を出したら、オウンゴールになってしまう!、との判断だったのかも知れないが、

やはり、あの場合は、ボールに触って、弾道を切る、変えるの動作はディフェンダーとして当たり前、と思う。

それ以外に、守ることに関して、愕然とさせられる無責任なプレイはなかった。

で、攻める部分ですよ。

意図を完結できない、または、その場しのぎになっていて、そもそもやり遂げたいアイデア(の共有) がうかがえない。

そういうのが、(診方が浅いのかも知れんが) 観る側には、強い不満足を残すんですね。

その本流を繰り返しておいて、

今回は、ふたつだけ、感じたことを。

ひとつ。

左サイド奥は、

菊井 悠介がそこに入ってきて動く分、山雅にとっては、攻めにおいてアクティブなスペース。

ただし。

(おそらくは)そうやって使うぶんだけ、サイドバック樋口 大輝のゴールラインへの突貫と、クロス投入を弱め、不活発にしているのではないか。

ボール回しすることで、サイド突破をチャラにしている、といった塩梅で。

長野戦、樋口からのクロス投入ありましたっけね?

最近では、樋口の存在感は、ペナルティエリア内の、折り返しヘディング要員として。

それでも、悪くはないだろうけれど、

ゲーム当りのクロス本数が、昨季 17.3本(リーグ 4位)、今季ここまで、12.4(リーグ17位)、

また、

コーナーキック数は、昨季 5.8本(リーグトップ)、今季ここまで、4.5本(リーグ12位)。

このデータは、サイド突破の手法が、確実に衰退しているから、でしょう。

浅川 隼人の活用度が極少化したのは、クロス本数の減少と連動してます、きっと。

ならば。

クロスをむやみに入れずに、基軸が、ドリブル突破に移行しているか?、というと、

ドリブラーに呼応する人と連動性のかけ方が、少ないよね。

さぁ、どうする、これから。

ふたつ。

加入したての、川上、藤枝が、途中投入でありながらも、

それ相当に存在感を魅せる、ってのは、それだけの才能を選りすぐって獲った証拠、ではありましょうけれど、

かなりフラットな選手起用は、誰が出て来ても同じに戦えるから、と言われれば、ごモットモなんですが。

せめては。

ピッチ内の、阿吽の呼吸といったものの醸成を、どこかで、きちんと担保してください、と願うばかり。

では。

85分+α の過ごし方。 (長野戦レビュウ❶)

前回の直観的速報を、すこし、深掘ってみましょう。

……ビジター指定席を選ぶと、お隣の観戦者は選べない(当たり前)から、

すると、要らぬ雑音の中での、観戦となってしまうこともある。

今回のお父さん(50歳台?)だと、

ひとつひとつのプレイへの要求度が高く、つまり、おおむねが批判調で、

― ああやれ、こうやれ、そうじゃあないだろう。

さらには、ボールが、相手側においてつながると、

― 気合いが足りない、相手のほうが気持ちが入っている、と精神論を持ち出しての応援。

ピッチでたたかう他人の心情を、そこまで決めつけられるのは、無邪気な自己感情の投影に過ぎないのだが、

僕からすると、我がチームに気持ちがこもってなかったようには診えなかったし、大いに奮戦していた、と思う。

山雅のプレイヤーは、その点、ねぎらわれるべきだろう。

ただし。

結果として、開始 5分の失点を挽回できずに、そのまま、ジ エンドだった点は、今後の戦い方にも、大きな影を落とすから、

その後、タップリ残された85分の戦い方については、注文はつけたい。

簡潔に言えば

幸いにして、80分過ぎに失点したわけでもなかったし、

技量差を背景に、やがてはこっちが、ゲームのほとんどを、押し込む形勢へと移行したのだから、

リトリートして、しっかりと守備態勢をつくる相手をどう崩すのか?、

どこにスペースを拓いてシュートまでたどりつくのか?、そういうところが、

スカッとしないのが、実に不満なんですよね。

長野は、5 – 4 – 1 でピッチをまんべんなく埋めて守り、

対し、こっちは、同じ3バックではあるが、サイドバックが高い位置取りをしながら向かう。

すると、相手の 5人の間に、山雅が 3~4人と挟まれ、その後方から、菊井とふたりのボランチが周回してボールを動かしす格好。

いわば、3 – 3 – 4 の陣容。

三人のセンターバックは、相手のカウンターに備えながら、これも、前へと向かう。

長野の守備陣形が、連動性が良く、堅かった(ミゴト!!)ことはあるにせよ、

大内が挿し込むロングフィードについて

そこからどういうストーリイを展開したいのか、が不透明。

相手のセンターバックに競わせて、セカンドボールを回収するのならば、誰がどこに位置してして、そこへ獲りにいくのか、とか。

相手の裏へと入れて、ヨーイドンで競争するのならば、想来を、誰と誰ががサポートするのか、といった筋立て。

そういった狙いが、こっちからは、みえないんです。

ロングフィードが、状況ごと、いくつかのカテゴリーとして、チームに落とし込まれているんでしょうか?  (その必要を僕は感じますが)

たとえば、前半20分あたりからの数分や、後半の 50分台のような、ボールを保持し、動かして攻撃を畳みかける時間帯の、

いかにペナルティエリアに、人とボールが、割って入っていくかの方法論

たしかに、たくさんの手は試みられてはいたんだが、

やっぱり、物足りなさが残る。

菊井がワンタッチで前方に流すボール配球が、あらかじめ凱光に、どのくらい定番的な約束事として共有されているのか?

30分には、高橋 祥平から、菊井に、素晴らしい縦パスが通るが、

相手陣形の隙間スペースを、チーム(の共有アイデア)として、誰が起点で誰が受けるものとして、常に、虎視眈々狙っているのか?

……ロングフィードの空中戦、グラウンダーパスの多用。

これらは、いづれも使うべき武器でありましょうが、

その使用の裏に、個人の、その場限りの技量表現を越えた

チームとして、いつでも抜刀できる〈高度な再現性〉にまで達しているか?

プレイの意図が、ハッキリと伝わってこないこと、方法論の希薄さに、焦りを感じてしまう。

すべては、チームへの頼み事にはなりますけれど、

これから。

毎ゲームが、失望のカウントダウンとなることだけは、ご勘弁願いたい。

その一心でいるというのが、おおかたのファン&サポーターのホンネでは?

では。