【再掲】テストの予習どれだけした? (長野戦レビュウ ❸)

面白がって喧嘩する程度なら、これを、なんとかダービー、と煽ってもかまやしない。

それが、篠ノ井駅から歩いて数分の地で生誕した萬年のご意見。

幼少の頃から、長野、松本ふたつの場所を行き来した体験からすると、それなりの地域性はあったにせよ、所詮、山に囲まれたエリアの、五十歩百歩。

だから、互いの差異から〈風土〉を説き起こし、ふたつのサッカーチームに、それを背負い込ませてもね、って思う。

もっとも近い場所(80km)で活動しているチーム同士ならば、せいぜい、

〈仲良く〉しかも、洒落が通じる程度の摩擦に収めよ

なにかと底意地悪く山雅ファン&サポーターをイビりに来る南長野のスタジアムジョッキー氏にしたところで、

長年の間、3部にくすぶって来た哀切を、言われるほうの屈辱感を想定の上で、ここぞとばかりに晴らしているんだから、それはそれなりにBOOを浴びせて、優雅に対応するさ。(そうしていたけれど)

で、はっきりさせておくべきは、敗北したチームへの、かつてないほどの盛大なBOOのほう。

ゲーム後、アウェイ席のほぼ全体が、厳しい態度と怒号で溢れた。

もともとが、アウェイ席を占めたファン&サポーター多くは、普段から山雅の戦いぶりを観ていて、諸般やりくりし、相当な熱意を持って集まった。
(恩に着せてはいない)

たまたま、対長野戦、という舞台ではあったけれども、

本質的には、非常に低いクオリティのゲームしかできなかったチームへの叱責と、現地に居た者として受け取った。

― いろんな事情があったにせよ、あれはないぜ、山雅。
シュート4本(公式)、とは、聞いて呆れる。

山雅のエンブレムをつけて、箸や棒にもかからないようなサッカーをすることは認めない ―。

そういった意思表示だった、と思う。
(いくら罵声を飛ばしたところで、憂さは晴れないことがわかっていても、だ)

観ている者の勝手な感情移入があるから、〈戦う気持ち、気概〉を持ち出す議論も出てくるが、それ以前の話ですよ、これは。

長野のほうが気持ちが入っていた、というのも錯覚で、ああいったサッカー流儀なのだ。

とにかく、非難の喧騒は、マトモなサッカーを創れなかったチームへの不満表明。

たとえスタイルを打ち出すに、試行錯誤するのが我がチームの実力だとしても

君ら、一体、テストの予習をどれだけマジメにしてきたんかい?、と言いたいのだ、ファン&サポーターは。

その反応(BOOと罵声)は当然です、といったキャプテン安東 輝の表情が、僕のこころに残るけれど、

あの低品質な仕事を称賛された日には、やってる側は、かえって、皮肉で非礼な対応と感じるだろう。

テストで赤点をとって褒められたら、居心地が悪い、と同じです。

……、10ゲームを消化して、勝ち点が15。

で、目標からの 乖離は、勝ち点で 5。

困難でも、スタイル構築の仕事から逃げず、

もちろん、こんなことぐらいで、ファン&サポーターは逃げもしない。

では。

両翼をもがれて (長野戦レビュウ ❹) 

さて、今回は、すこし踏み込んだゲームレビュウ。

アウェイからの帰途、
車上ルーチンワークは、助手席の家人に、ゲーム後監督インタビュウを読んでもらうこと。

そして、今節。

読み終えた家人は、
― ちっとも、この敗残を痛感してない!!、と吐き捨てたんだけれど、

僕のは、すこし違っていて、
どうやら率直、痛烈に言いたいところをかなり我慢している、そんな感じがした。

やりたいことはアタマでは理解しているけれど……、あたりは、登録プレイヤーの技量に対する見切りを、できる限りトーンダウンした言い方だ。

これを読む者は、

― 残念ながら、これが、現況精一杯の技量なんだけれど、それでも、なんとかこの路線で行きたい、そう解釈すべきだろう。

不調や怪我の情報をできるだけ避けている様子もあって、
特に、サイドバックに置きたいプレイヤーの不在に苦慮していることは、明らか。

僕は、天皇杯予選のサイドバック配置については、てっきりリーグ戦への煙幕とばかり思っていたが、全然違った。

プレビュウで書いたとおり、対長野戦のキモは、サイドの攻防であったはず。

で、橋内 優也を右に置かざるを得ないとすれば、このサイドから敵陣奥深くの侵入は、榎本 樹による単騎突入が目に見えているし、

右 山本 龍平では、屈強な長野5バック守備とタメにやらすのは、あまりにも酷

特に、山本の場合、左方向にフタをされると、連携をかまさないと、単独で左へと切り崩すのが、なかなかむづかしい。

もちろん橋内、山本ふたりは力を出し惜しみすることもなく奮戦していたが、
両サイドは、どうだろうか、欲目でも、2 対 8 くらいの、圧倒的な劣勢であって、それがほぼゲーム趨勢の比率となり、

このエリアの閉塞が、山雅の敗因の かなりを占めた、と思う。

そして、両の翼をもがれた状況を、他の局面でひっくり返すだけの、工夫と智恵がなかった。

後半、榎本を下げたことで、状況はますます絶望的になるも、

橋内に替えて宮部 大己を投入したことで、左サイドにいくらか風を吹き込めるようになったので、あそこは、先発宮部でしたね、やはり。

要は……、読者お察しのとおり、下川 陽太と藤谷 壮の復帰(復調?)がないかぎり、よほどのテコ入れをしないと、この厳しさは続くと診ます。

では。

平常運転さえ できなけりゃ (長野戦レビュウ ❷)

ゲーム終了の直後。

篠ノ井駅行のシャトルバス乗り場に向かって歩いていると、

(自宅でおそらくはDAZN観戦の) 息子から、電話が、相方のスマフォに入った。

かなりお怒りの様子だったから、切り際には、おいおい、家族に当たり散らすなよな、とご忠告申し上げのだが、

その要旨……、

❶何をやろうとしているのか、不明なサッカー。

❷縦パスが入った時の絶望的な判断の遅さに象徴的な、その都度考えてのプレイ。

❸2失点目に至る(サイドでの)マークの受け渡しなど、とてもプロとは思えないほどズサン。霜田さん、守備面全然見ていないんじゃあないか?

……、おおかたその通りなんだろうな、と思います。

長野は、普段から突き詰めているだろうサッカーを、忠実に遂行しただけ。

つまりは、主にサイドを起点としたカウンター攻撃、宮阪によるセットプレイの妙味、反則ポイントリーグ最多レベルの、激しい当たり(犯した反則20以上)など。

前節、いわてグルージャ戦、内容では、7割方優位を獲られても、4 – 1 で勝ち抜くサッカーであることが納得できる。

対し、我が山雅のほうが、自分流儀を遂行するにおいて、ミゴトにお粗末だった。

こうなると、前節対FC大阪戦の勝利も、偶然と菊井悠介の個人技だけによるものだったことが、証明された。

だから、これで、実質4連敗。

要は、沼津戦以降の、自己スタイル表出における急降下曲線、ここにフォーカスしないと、なんにも始まらないではないか。

では。

さぁ,もって来いの2週間の始まりだ (長野戦レビュウ ❶)

次節の、ホーム鹿児島戦(5/28) まで、

(チームにとって十分か? は、別として)

ファン&サポーターには、少々時間があり過ぎるので、

しかも、感情的な思い入れがあるばっかりに、

尾ひれ背びれがついた、共同幻想の松本山雅、についての評論が飛び交う、そんなことが、しばらくは、続くんでしょう。

ただし、共同、といったところで、それは、各個の心象に多分に左右された信念、信条みたいなやつですから、厄介なこと甚だしい。

せいぜいそれらを整理、腑分けしときましょうか、この2週間。

萬年的には、ひとつの投稿を、手短か、簡潔にすべくをモットーにして。

2 – 1 の敗戦。

結論から言うと、監督2年目で、継続的なスタイル深化が機能している長野と、

ここ4年間、毎季あたりひとりの指揮官でやりくりしてきた山雅との、

サッカースタイル浸透度の差が際立ったゲーム、でありました。

ダービーですか?

そういうのは、それを売りにして、かつ煽った方々に、お任せします。

では。

秘策は仕込まれた (長野戦プレビュウ ❷)

長野はどうやら、リーグ戦から大幅なターンオーバーをしたらしい(@天皇杯県予選)。

ただし、カウンター基調の、ペナルティエリア侵入迫力の偏愛、それと、セットプレイ(by 宮阪)といった特長は、チームとして不動に違いない。

どちらかといえば少ないチャンス、それを決め切るサッカー。

では、山雅は、どうか?

霜田さんは、ゲームにおけるプレイヤー登録に際し、連続性をかなり大切にしているようにみえる。

でも、控えめであっても、あのゲームなりに変則は、仕掛けてあった。

ひとつは、サイドのところ。

天皇杯県予選のレビュウを書いた後で、霜田さんのインタビュウを読んだら、橋内は、(4バックシステムの) サイドバックとして起用した、とある。

僕から観たら、あれは機能的には、断然3バックであったから、
今節への煙幕として、右サイドをある意味、囮として使ったのだと判断した。

長野は、そこを狙って、森川が再三衝いてきていたけれど、

ここで、今回は、どちらがイニシアチブを執れるのか?

このあたりが、本職のサイドバックを起用することで、山雅に優位に展開すれば、霜田さん、相当な策士といえる。

だから、ポイントは、山雅の右サイド、つまりは、長野の左、そこのせめぎ合い。

ふたつめは、ボランチ。

安東、米原のセットだったが、今回はより強度を強くしたセットでゲーム冒頭から来るのかどうか?が、ちょっとした見もの。

更に。
変則的といえば、(県予選) 榎本は交代で出て来て、そしてまた交代しているんだけれど、個人的には、右サイドやる時がいちばん活きているので、そこで先発でいいんじゃあないか?

……発声可能となったスタジアムの熱気は、これを、存分に楽しみたいが、

チームはむしろ、そんな高揚におかまいなく、

究めるべきスタイルを、沈着、果敢に遂行すれば、おのずから道は拓けるし、課題も正直に絞り込める、と思います。

10ゲームを消化して、スタイルがそこそこ出来てくること、それが、大切。

では。