ふたりの樋口……。 (福島ユナイテッド戦プレビュウ)

畑は早や白くして、収穫が近い、麦秋の日。

果たして、いづれのチームが、(勝ち点を)刈り獲れるのか?

もちろん。

ご贔屓に勝利あれ、とは望むが、僕は、(ここだけの話) かなり悲観的だ。

前節が八戸だったから、というよりは、このところの傾向として、

攻撃の先細り感が否めないことが、いちばんめの懸念材料

さて、福島について。

ここまで、リーグ最多得点(タイ)で、かつ、リーグ最多失点。

ざっくりいえば、攻撃的で、だからこそ、撃ち合いを苦にしないサッカー。

☞ 萬年ご推奨の、4 – 3 – 3 (中盤が逆三角形を成す) を採る。

昨季から、攻撃の要が複数退団し、手当はしたが、あそこまで挽回ができていない印象。

チーム得点王は、樋口 寛規で、現在 8ゴール。

このペースだと、確実に、彼のキャリアハイとなる。(プロ16年目、福島在籍10シーズン目で)

つまり。

現状、チームは、樋口を常にみていて、そこにボールを託し、彼の侵入を期してボールを動かしているのだ。

昨季のプレイオフ、山雅の被先制点は、その樋口が挙げたもので、

あれは、ディフェンダーの死角(盲点)から突然現れてシュートを撃つ、彼のプレイスタイルの見本だった。

さらに、福島の攻撃のいちばんの特徴は、中央を鋭いパスで突破できること。

となれば、いまだ未熟で成長の余地が大きな、我がセンターバック陣にとっては、

守備の受け渡しの迷いや、ボールウォッチャーになることで置き去りにされる可能性は、かなり高い、これがにばんめの懸念

だから、この一戦を、

鉾(福島)と盾(山雅)がやりあうゲームなどと、マヌケなコメントをする者がいたら、それこそ噴飯もの。

なにせ、盾が、いまだ一人前の盾でないのだから、そんなキッパリした様相にはなるもんか。

さすれば。

当方としては、とにかく相手ゴールネットを揺らすことに専心しなくてはならないが、先制されたら……、まぁ、覚悟は決めておきましょう。

ペナルティエリア内外のあたりで、

互いの距離感を近く保って、3手以内をメドに、シュートまで持っていく。

いわゆる仕上げの部分でどれだけ鍛錬してゲームに臨んだのか?、そこに注目です。

気合いじゃないよ、技量ですよ、観たいのは。

攻撃面でいくと、
山本 康裕から小川 大貴、小川 大貴から菊井 悠介、このパスが活きれば、活路は開けそう。

ゆえに、山本 康裕の復帰は、勝利へのマスト!!、なんですが。

小川がほとんどのゲームで先発を獲っている現況、先発から外れているのが、樋口 大輝

しかし、守備に不安があるとは言え、あのヘディングは魅力なんで、八戸戦のリベンジを期して、左サイドバックで先発を望みます。

同時に。

滝 裕太は左に置いて、やはり、杉田 隼をセンターバック(左)に入れて、そのサイドから徹底して侵入しましょうよ。

福島の#10森 晃太が、(山雅の) 右サイドを突破してくるんだったら、そっちは、宮部 大己らで抑え込む、では?

それぞれの樋口が織りなすゲーム模様は、はて、いかように?

では、アルウィンで。

ひとはそれを,アメリカンと呼ぶ?

先日。

穂高まで出かけて、(お店で) スパゲティを食した。

ナポリタンにハンバーグを載せたもの。

それを、アメリカンと称していたが、世では、その呼び名が流通しているんだろうか?

僕の偏見では、北米の食文化にはパスタがあまり結びつかないので、

いまだにこの名称には、釈然としないでいる。

……どうでもよいことを、こんな静かな曲を聴きながら、思っているのです。

ブレッドの、1971年発表の曲。

では。

しょうもない進捗管理で日を過ごす。

職業人生で身に着いた、僕の悪癖のひとつが、進捗管理。

計画時に、評価の指標をあらかじめ決めておいて、

ものごとが、(狙いから診て) どのくらいはかどっているかどうかを確認する、ってやつ。

そんなことからは解き放たれて生活したいと思うのに、ついつい、心がそこにおもむく。

リーグ戦は、ここまで 14節をやって、全体の 37% を消化。

なんだかんだで、もう4割か。

で、こんな数字を並べてみる。

2025年 5勝 4分 5敗  ☜ 今、いるところ

2024年 5勝 5分 4敗

2023年 7勝 4分 3敗

2022年 8勝 4分 2敗

3部リーグ 4年のうち、シーズン40%を終えた時点では、もっとも戦績が思わしくない。

言えるのは、ただそれだけなんだが、

❶2023年のラスト4戦の勝ち無し、2024年の最終盤 5連勝のような上下動は、今季も再来か。

つまり。

現況、他を圧倒するオールマイティなチームが不在であるから、

リーグは終盤まで、もつれにもつれるだろう、ということ。

その中で浮沈しながら、山雅もまた、ジリジリさせられて終末までやるようになる。

よそに比べ、比較的にマシ(良質)ではあるけれど、圧倒的までの技量を持ってはおらず

しかも、攻めを基軸にすえたサッカースタイル採用なので、

攻撃と被攻撃がトントンに立ち現れるゲームとなり、結果、勝ち負けの波がかわるがわるにやってくる。

❷時間との戦い。
2部リーグでやってた燃えかすでやりくりした2022年でひとつの区切りをつけてから、いまは、3年目。

若手の抬頭はあるものの、

2025季はここまで、攻撃力の低下と鈍化が著しいのがいちばんの特長。

昨季リーグトップクラスの、シュート数、コーナーキック数は、最下位に近いところで伸び悩む。

(守備面はまぁまぁ、とは言え、センターバックを新進が担うため、経験不足による脆さ、たとえば、八戸戦、これは回避しようがない)

たとえ、鍛錬によって、個の技量とともにチーム攻撃力の上乗せができる、と仮定しても、

リーグ終了までに、山雅の進化が間に合うかが、まるで時間との戦い、とも言える。

ただし、どこかで、良化、つまり、勝ちの連続が起こらなければこれ以上の順位上昇はむづかしい。(他チームの潰し合いはあっても)

❸自他からみた強みを認識せよ。
攻撃力の衰えもあって、先制されるとひっくりかえせずの敗戦が定型化した。

さらに、金沢戦をのぞくと、

先制点の貯金と、それなりなボールの先手保持、効果的な修正があれば、なんとか勝ちに手が届くが、

こっちの強みを阻止、抑制、されるとそのまま挽回できずに ジ エンド。

要は、薄氷の勝ちか、意外性のない(=そうなって当然な)負け、のいずれか。

だか。

他者からみると、山雅とは、

そこそこの技量集団だから、調子に乗せたら相当にコワい、けれど、その出鼻を挫けたら、あとはなんとか凌げる相手、ということだろう。

……結論。

こまかな戦術面はおいといて、

残り 60%で、

いまの流儀から転回しないかぎりは、

調子に乗ることと、撃たれても撃ち返してまだお釣りがくるまでに攻撃力を高めること、しか手はなさそう。

調子づく、については、ホームアルウィン全体でできることがあるはず。

なお。

僕の中では、攻撃力の上積みに、夏の移籍を利用する発想がないから、

もし、それを山雅がやれば、望外ということで。

では。

青空をフルで使うんだったら (八戸戦レビュウ❸おしまい)

ゲーム前半の終盤頃は、

けっこう相手を押し込める攻撃ができていたので、

後半からの修正(=4バックへの移行)の本質は、もちろん、単にシステム変更でなくて、

その狙いは、

❶八戸が、フォワードに集めるカウンター攻撃特化と見切って、後ろに割いていた人数を中盤より前に割り振ること。

❷ツートップにして、そこでボールを収め、ペナルティエリアに侵入したい。

❸4 – 4 のところで、ピッチの幅をもっと活かしたい、その3つが主だったろう。

このうち、❸については、それを意識したサイドチェンジができるようになったけれど、

そこから、もう一度ボールを中央へ持ってくるのに、距離と時間をムダに要し、攻撃に迫力がいまひとつ出ない。

サイドでの勝負でも、ゴールラインをみづから割ってしまうシーンが続き、やり切るシーンは無かった。

結局、ペナルティエリア進入は、ゲームをとおして たったの 4回。
深く侵入できなかったので、コーナーキックの獲得は、0回。

山雅のプレイヤーにそれをさせなかった八戸の、攻撃的な守備がミゴトであった、といえばそれまでの話で、

ワンタッチパスを使えるような互いの距離を採れなかったこっち側には、工夫が足りない。

攻撃に厚みを加えるべきなボランチの位置取りが、どうしたって低かった。

だから。

そこは、4 – 3 – 3 とし、3人のボランチで押し上げをはかり、

相手3センターバックには、同数の 3トップで対峙する、そんな着想でよかったのでは?

実際、菊井は、再三最前線に飛び出していたし、途中投入の滝は、降りてきてボールを捌いていたではありませんか。

具体的には、松村をあげて、左ボランチに配し、松村、青空、安永を並べてしまう。

そして、前線は、菊井、バルガス(or 想来)、村越(滝) の 3人。

あと。

杉田は、当初は右に、ついで、4バック化にあわせて左に持ってきたが、彼が活きるのはやはり左だと思う。

僕の欲目かも知れんけれど、

裏狙いのチームには、守備ライン統率と、熟練した競合を求める意味で、高橋 祥平を推します。(すくなくとも天皇杯FC大阪戦を観れば)

高橋と杉田のコンビネーションには安定感があるし。

で。

青空に、そのドリブルで突っかけさせたいのならば、ペナルティエリア外縁あたりでそれをやってもらってこそ、相手の網に穴が開くのです。

山本 康裕がよくやる、サイドへ飛び出しての攻撃参加、こういうのを波状的にやるには、

並びはともかく、スリーボランチにして中盤を濃くするのは、いかがでしょう?

(以前、霜田さんがトライした 4 – 3 – 3 は、その後、チーム内では評価が低いのかどうか、それは、もちろん承していません)

ところで。

家人による、八戸戦における、ボランチ評価は、

― あれ!、安永は、髪の色を変えたんだ、に尽きますけれどね。

では。

決定的な敗因は? (八戸戦レビュウ❷)

少なくとも、ここ3年くらい (適時に修正を加えつつ)

山雅が取り組んできたのは、

スキルフルな個人技を、キッカリと連携することで活かすサッカー、だと思っている。

そこでは、攻守を一体のもの、とみなすから、

プレイヤーが連動し、瞬時の反転切り換えを可能にするためには、

〈コンパクトな陣容〉が、始めるための基本動作のはず。

攻めるために守備をこなし、

多彩な方法で、相手のゴールネットを揺らす、それを具現化すること。

……これらをくくって〈上手い〉と称する。(僕による勝手なネーミング)

☞筆者は、そこに〈巧い〉(巧妙、老獪)を織り込め、とつねづね主張する。

ただ実直に、マジメにやれば、ゲームを獲れる、というのは、あまりに無邪気な幻想で、

巧くやるためには、キャプテンシー(フォーマル、インフォーマル両面)と、チームとして、相手の弱みやスキを衝くための仕込みが、不可欠。

さて。

八戸戦では、コンパクトさを保つべき陣形が、

縦に間延びしたことが、ゲームを獲れなかった根本の要因。

陣形が緩慢になったわけは、

❶マンツーマン式に食らいつく八戸のプレッシャー、❷ロングボール対応のため、最終ラインがどうしても後方へ引っ張られた、そのふたつ。

(これ、リーグ戦の vs FC大阪、との相似でもあり、割りきったチームとの対戦時には教訓として活かせ)

註) ならば、フィジカルコンタクトの強度をあげよ、を注文するのはちょっと違う。
強度は否定しないが、そこだけ、あげつらってもムダ。
山雅のプレイヤーは、その面であまり遜色もないし、

いまの流儀だと、まづは、相手を〈交わせる〉〈置き去りにする〉技量と連携アップを究めるしかないが、

悲観的な見方をすれば、この部分で、個のスキルが深化するのは、3部リーグでやっていると、かなり難しい。
つまり、より上のリーグで、体感的に揉まれないと。
だから、ルヴァンや、天皇杯の対戦は、
チャンスとして大切。

ま、このゲームだと、実効的な対策は、

前半、村越が後方からのプッシングで倒された際に、それをファールと認定しなかった(当日の)ジャッジ基準を、

チームの共有事項として、頭の中に強く算入しておいて、それなりのチャージをおこなうことだったのではないか。(こういうことを巧い、という)

で。

陣形的にいちばんのダメージは、

ボランチの位置取りが、低くなりがちで、かつ、不明瞭、中途半端になり前線と基底ラインのリンクに不足したこと

相手ロングボールを競った味方ディフェンダーからセカンドボールを回収するためには、後方に寄せねばならず、

逆に、大内からのロングフィードのセカンドボールを入手するには、最前線に近く張らないとならぬ。

☞ この二律背反を、どう解消するのか?

指揮陣が打った解決策は、

後半冒頭からの、4 – 4 – 2 へのチェンジだった、と診るけれど、

そこらは、レビュウ❸で。

では。