なんたって,中盤。(鹿児島戦レビュウ❷)

今回は、ゲームにおける注目点、を少々。

☞もちろん、これ以降、(たとえ相手の出方があるにせよ) 継続を望んでいること。

❶システムは、4 – 4 – 2 を採用。
小松と菊井のツートップ。

2列目は、中央に、ふたりのボランチ(米原、安永)、左に小松、右に野澤。

で、終始一貫して、ツートップが、鹿児島のセンターバックに迫り続けた。

特筆すべきは、ふたりに追従するがごとく、2列目の4人が連動して、せり上がっていたこと。

時には、ボランチのひとりがフォワードを追い越してまでして。

これを、メンバー交代にかかわらず、90分間やりつづけたことが、ゲームの主導権を握れた最大要因、と診ます。

80分過ぎても、4 – 4 – 2 のラインは、統率されていた。

これにより、鹿児島は、その中盤をほぼ使えなくなって、左右サイドへと活路を求めることとなり、クロス一本槍の単調に陥る。

中央に鋭いパスを通そうとチャレンジしたのは、たしか記憶では、たった一回。

意地わるく言うと、鹿児島は、ボランチが本来的な仕事をしなかった。

中盤が攻撃起点とならないと、サッカーは創れない、手詰まりになる、といった悪見本だった、と思います。

(敢えて中間省略サッカーをやる、というなら、それは別のお話)

山雅からすれば、相手の攻撃をサイドへ追いやった、と言えるでしょうか。

愛媛戦しかり、相手がサイドにとことん執着してくれたほうが、じりじりと後退する守備の厄介さが無いぶん、よっぽど、リスクが少ない。

❷軽いプレイがないわけじゃあ無い。

けれど、安永の位置取りとボール配球はかなり効いていて、攻撃のテンポを生みだしている。

90分間で、何度でも相手を追いかける運動量は、爽快ではありませんか?

つまりは、攻撃の緩急の部分。

ボールを繋ぐ中で、突如、縦パスを入れてトップスピードへともっていく、そんなチャレンジが目についた。

今節、得点には結実しなかったけれど、今後の可能性は大。

中央を崩すことができてこそ、より一層、サイド攻撃や、カットインシュートが活きてくる。

そこには、質の高いドリブラーが要るんでしょうが、滝、菊井、鈴木、安永、そして野澤、他にも、メンツは多い今です。

❸飲水タイムは設定されていたが、ゲームが止まると、スキをみて給水する山雅プレイヤーの姿が、画面に映し出される。
たとえ、レフェリーにプレイを促されても。

90分走り負けなかったのは、こういう智恵にも負っているように思われ、ゲームを制するための手練手管が、もっと身に着くことを願います。

……、しかし、プレイヤーが存在感を示すほどに、他方で、来季の在籍がひどく心配になってくる。

なんとも、切ないことです。

では。

補強をほどこし,新境地 (鹿児島戦レビュウ❶)

霜田さんの、〈内容も結果も獲りたい〉とは、

ゲームを優勢に運びつつ勝ち点3をあげたい、という意思の表明。

そんなサッカーをやりたい、という。

3部リーグにおいては、今の山雅ならば、いままでも、ほとんどそれは可能であったし、今夏の補強を経て、その可能性は一段と高まった。

…… 相手の出来不出来にかかわらず、それが証明できたのが、鹿児島戦であったと思います。

大げさな言い方をすれば、ひとつの新境地、地平に達した、とでも言えましょうか。

そういう意味で、藤谷 壮の カットインシュートと同様に、

#32 米原 秀亮が、ここへ来て、レフティの大型ボランチとして、グンと成長した風貌を印象づけた。

藤谷の先制点は、米原からの大胆なロングボールが決め手でした。
(あれ、2分くらいで2回やっていて、2度目が得点に結びついた)

ひょっとしたら、そこには、安永 玲央と、ボランチセットでやることの幸福が介在しているのかも知れません。

……、ということで、今節のMVPは、米原 秀亮で決まり。

では。

素直に喜べ (2023.8.19鹿児島戦レビュウ 序)

2 – 0 の、勝利。

ゲーム後、挨拶に来るプレイヤーを迎える山雅ゴール裏。

それを、DAZNの画面で観ながら、

家人は(祝福の)メールを打っていた。

今回は現地参戦だった古参サポーターの京子さんに向けて……。

スタメンに、加入早々の野澤の名があることを教えたら、

― もう、ヤケになっているのか知らん?、と言っていたのに。

先制点を叩き出した藤谷 壮の働きが象徴的だったけれど、

いままでやってきたことが報われた、そんなことを多く感じさせるゲームではありました。

ただ、ココロのどこかで、いや、ひょっとすると、

相手の鹿児島さんがあまりに精彩を欠いたサッカーをやっていたゆえに、

こっちの出来がよく見えたに過ぎない?、といった疑心もあるのがホンネで、

時節に向かい、とても気は抜けないな、そんな一週間になりそうです。

取り急ぎで、では。

力を証しするチャンス (鹿児島戦プレビュウ)

前置き。

J リーグ公式サイトで、選手追加登録、抹消の動きを、時折みている。

今回は、野澤 零温の登録を確認するつもりだったが、

町田ゼルビアの項までくると、

山口 一真が、抹消されているではないか。

山雅からのレンタルはどうなる?、と思いながら、さらに下にくると、山雅で追加登録。

それから今度は、山雅公式サイトをみた。

ほぉ、山口、戻ってくるのか、お帰り!! これで、 KAZUMAがふたり。

〈復帰〉を活かすのも、クラブの在り方のひとつ。

下川、小松、村越、米原、彼らが戦力化されるには、それなりの日数を要した。

ヴァンフォーレは、これがかなりお得意クラブの見本だけれど、

人件費節約(移籍金が発生しない)の面からも、おおいに歓迎だ。

さて。

本日は桜島のふもとで、ナイトゲームの鹿児島戦。

まづは、

ホーム観衆の、見当はずれのご不満ご不興からは自由になれるのだからしてやったり、くらいの気持ちで、チームはやればよい。

鹿児島とホームでやって、2 – 4 で敗戦した5月。

ゲーム後の盛大なBOOは、前週に長野に敗戦した余波もあっての、うっぷん晴らしに過ぎなかった。

ゲーム自体は、スタイル進化をかなり魅せていたのだから。

ただし、自陣に侵入してくる鹿児島プレイヤーを捕まえきれず、じりじり後退してシュートまで持って行かれる、という弱点が露呈したことも事実。
こういった失点は、観ていて、まことにがっかりすることもたしか。

で、こういうシーンが生まれるのは、鹿児島サッカーの特徴をも示していて、

要は、自陣でのポゼッションは簡素にして、敵陣でポゼッションを高めたい、それも、ドリブルでサイドを切り裂きながら、というスタイル。

となると、守功一体の山雅としては、相手最終ラインへの追い込みを、それをかわされた時のつぶし込みを想定しながら、強弱とパスコースの限定を〈よく考えて〉遂行しなければいけない。

つぶし役を買ってでなくちゃぁならないのは、ボランチと両サイドバックになるんでしょうが、

それが即、反転攻撃の起点となるので、サイドから前へ向かうシーンでの連携、それが、今節も試される。

さらに。

鹿児島にはいいプレイスキッカーがいるから、

相手に好位置でフリーキック(もちろんコーナーキックも)を与えたくない。

サイドに近いあたり、そこはマジメに競ってつまらないファールを犯すなよ。

あるいは、

その体勢でヘディングしても、タッチを割って相手スローインになってしまうだろうに、と思う。

つまり、良い意味で、ボールを捨る、放しててしまう、があっていいと思いますけど、今の山雅は、プレイすべてに等量の力を投下するので、結果、跳ね返りが相手に渡るシーンが多い。

ここらへんも、アタマを使え。

こっちがセットプレイを獲たら、時間をかけてでも、まんべんなく工夫しよう。

負けたためしのない山雅を、今回もカモってやろう、とホーム声援を背に戦える鹿児島のココロ。

それを逆手に取って魅せること。

これ以上、願ったり、の状況はありますまい。

では。

連続ゴール,おめでとう。

イングランドで開催中の、

ブラインドサッカー世界選手権、男子の日本代表は、

グループリーグ第2戦で、タイ代表と戦った(日本時間 8/17 20:30~)。

前半9分、平林 太一 (松本山雅BFC)背番号#6 は、ピッチ中央のオープンスペースで、サイドチェンジされたボールを拾うと、そのままドリブルを敢行、

ゴールに左から迫ると、するどく右足一閃してシュートを放つ。

これが決まって、日本は先制。

1 – 0 のスコアのまま、前後半計30分のゲームをものにし、今大会初勝利をあげた。

これで、2戦して、1勝1分け。

平林にとっては、2試合連続のゴールとなり、

とにもかくにも、期待に応えてくれる頼もしき高校生よ。

山雅に所属するプレイヤーが日の丸を背負い、かつ、これだけ貢献しているのだから、山雅公式には、なんならの反応をしてもらいたい、と秘かに願うんですけどね。

思うに、鹿児島戦は、ああいった大胆なサイドチェンジで、相手の守備を衝くことがヒントだと思います。

では。