順当な負け (2025.9.06栃木C戦レビュウ その印象と覚悟)

相手のシュートがバーを叩いた、その直後に先制。

けれど。

2 – 3 でゲーム終了の笛。

結局は、逆転負け、だったのか。

チームと、参戦のファン&サポーターは、いいお客さんでした、の岩舟の夜。

後ろ向きのボール処理を、奪われて、被弾すること 2回。

あわやオウンゴールの跳ね返しを押し込まれて、決勝点を献上。

ただし。

これを自滅

あるいは、攻守を分けての守備壊滅、とかいってるうちは、まづ勝てませんな。

それは、いくらムキになって、パウロばかりを抑え込もうとしても勝てないとおんなじで、

おととい来い、ってやつで、無理な話。

つまり、気持ちなんかでは、いくら経っても勝利はやってこない。

作戦、という裏付けがなくっちゃあね。

(相手守備と同数の) 3トップにしておいて、常に最前線でボール奪取を狙う栃木さんのやり方が、〈アラート〉としてキチンとチームに落とし込まれていたか。

❷リードされての、切羽詰まったツートップ化。
初めからそれでいかないと、せっかく林がおさめても、支援があまりに少ない。

特に、昨夜の場合は、

こっちのロングフィードを、ほぼ相手ディフェンスが獲っている、跳ね返して拾われる。

にもかかわらず、同等の軌道での繰り返し。

それでおいて、

(そのツートップの代償として)滝も、佐相も温存とは。

あそこは、滝をツートップの一角、ワンボランチ(安永) にしてしまい、佐相を投入。

さすれば、

それほどアジリティ豊富でもない栃木センターバックに揺さぶりをかけられた,

と思う。

リードすれば、あと30分、それなりにこっちをいなしては時間を稼ぐべきことは、

このリーグで、出場者の平均年齢が、リーグ2番目に高い栃木シティならば、言われなくともわかっているのだから、
(こっちは、リーグ5番目に若いのだから)

とにかくシュートで終わるを徹底して、こっちの 3倍を積む、その狡知ですよ。

それには、相手を慌てさせる仕掛けです、ひたすらやるべきことは。

菊井は、それを、ワンタッチのヒールバスでやりたかったんだろうけれど。

さて。

ゲーム残数はどんどん減って、これで、12個。

そして、6位(プレイオフ圏)との勝ち点差は、おなじく 12。

通常、勝ち点1を縮めるのには、1ゲームが必要。

それも、こっちが勝ちを重ねることが要件ですから、

6位奪取に、リーグを 3か月残した時点で、可能性が、2~3%か。

ま、そのほうが、サバサバしちゃって、我がチームの深化を楽しめるかも知れません。

と、金沢戦のチケットを入手したファンはつぶやくのであった。

では。

ドリブル論を少々。 (栃木C戦プレビュウ❷として)

リーグ戦3分の2を終えた時点で、

リーグ20チームの、ゲーム平均ドリブル数は、10.9回

ひとつめ(確認)。

ドリブル回数のトップ 5 と、そのゲーム当り平均をみると、
註☞〈〉は、ボール保持率の順位を示す

❶栃木C      16.7回  〈5位(☜ ボール保持率の順位)

❷高知         13.9        〈20位〉

❸群馬         13.6        〈1位〉

❹栃木SC     13.5        〈12位〉

❺金沢         12.5         〈2位〉……となっていて、

では、山雅は……、

⓳松本       7.5 回    〈9位〉(20位は、鳥取で 7.4回だから、実質の最下位)

ドリブルに関し、このようなデータが残るのは、

フィジカルの優位とボール扱いの技量で相手を凌駕できれば、

ボールを持つ時間、機会がおのずから増す(=保持率が上がる)と同じように、

ドリブルに長けたプレイヤーを擁し、その強みを活かそうとすれば、

いきおいドリブル回数が増加するだろうから、が理由。

さらに、保持率を絡めてみると

高知のサッカーがどんなものか?、は容易に判りますね。

群馬については、べつの機会で書きますが、

おそらく、もっともサッカーの王道に取り組んではいる。

ここでは、ひとつだけ、指摘しておきましょうか。

それは、ドリブル上位の 4チームすべてに、山雅は前半戦で、負けを喫している!!という事実。

相手のドリブル回数ばかりが、こっちの敗因ではあるまいけれど、

でも、山雅の守り方にとっては、けっこう検証すべきデータではないか?

で。

勝ちを献上したチームのひとつと、あと数時間後には合いまみえるわけで、
ここをスカウティングしていないなんてことがなければいいが。

ふたつめ(確認)

栃木Cで、チーム内上位3人が、どのくらいの比率でドリブルを稼ぐのか。

上位の3人(田中、岡庭、吉田)で、チーム全体の、65 %を占める。

断然トップの田中パウロは、48.3 %。チーム半分のドリブルをこなす!!

しかも、彼は、クロスもチームトップ、アシストは 8個(チーム1位)。

となれば、そのドリブル対策は、彼自身によるゴールよりかは、

ドリブルでサイドを侵入してボールを渡す、その受け手のプレイヤーに仕事をさせないこと。

パウロにドリブルをさせないことがいちばんだが、それも困難であるから、

ゲーム内で、10回あまりはドリブルを仕掛けられるシーンを覚悟。

最後に。

(ドリブルリーグ最下位の)山雅について、チョイ見。

上位 3人(村越、菊井、想来)で、チーム全体の、54%をこなす。

だから、村越には、もっとドリブルを織り込むべし、とチームに注文をつける資格があるわけ。

でもって、第4位以下は、

樋口、小川、安永、康浩、龍平、馬渡、青空の順で、これがトップ10。

その量では決して誇れない我らがドリブルは、

ボールを持って相手ゴールに向かう時の、

有効で、殺人的なパス出しのためにあるのは、もちろん。

対栃木Cでも、ロングフィードに絡めて、それを、トライせよ。

なんとかセットプレイも凌ぎ、対等にゲームを持ち堪えて、勝機をさがそう。

しかし、ですよ。

青空がピッチに立っていない現状は、山雅がドリブル重視でないことの象徴か。

それだと困るんです (僕からすると)。

では。

ふたつの注文 (栃木C戦プレビュウ❶)

戦力の出し惜しみはするな、といってツートップをお奨めするのが、萬年式。

すると。

特に、シャドウのところ。

そこを担えるタレントに豊富な山雅であるから、その人選に苦労するだろう、

事実、前田を投入してもなお、佐相はピッチに立たないのが八戸戦でしたから。

それと。

#10の存在感を、フィニッシャーに絞らない、というのが基軸。

……さて。

4月のホーム栃木C戦は、こっちのボール保持が 64%ほどで、

対等にやれていて、ただ、ディフェンス陣の若さを、田中パウロに衝かれた。

(実は、このゲームが、0 – 5 で屈した高知戦の次のホームゲームであったところにメンツ選抜の綾があったのだが、これについては、またどこかで。)

あれから、4箇月が経って、

今の我がチームの深化ぐあいからすれば、そこそこの勝負には持ち込めよう。

して、その要件は……。

❶ドリブル回数を増せ。

八戸戦の出来の良さは、ドリブル回数が 14で、今季の最高を記録したことに支えられた。
(リーグ平均は 10.9回、山雅は、下から2番目にドリブルが少なく 7.5回)

山雅の今季第2位は、ホーム福島戦 13回。

ちなみに、先のホーム栃木C戦は 10回。この時の栃木のほうは、12回。

ドリブル、と聞くと、ボールを持って長い距離を突貫するイメージをしやすい。

たとえば、横山 歩夢、田中パウロ、鈴木 国友とかね。

けれど、ドリブルの真髄はひたすら、

ボールを動かすことで、ピッチ上の配置を変え、最適位置の場所とプレイヤーにボールを供給(=パス)すること、と思う。

この考えを山雅流に落とし込めば

こちらがボールを持って押し上げる、相手ゴールに向かう、その時、

駆け上がりのドリブルを使って、

持ち手が、どうやって効果的にパスコースを切り拓き、受け手は、どうやって、そのパスコースに顔を出せるか、そういうことです。

それが、ファン&サポーターには、積極性の表現、と映るに違いない。

守備にまわった時の、栃木Cの腕っぷしは、八戸ほどではないし、

前線に3人を並べる攻撃性の代償として、

4バックの前が、ワンアンカーならば、

その周りのスぺ―スを活かすことは、まさに、前節と同様ではありませんか。

❷セットプレイは狡く、かつ、隙を見せずに。
栃木は、総得点のうち、28%をセットプレイから獲っている(対し、山雅は23%)。

ゴール前に飛び込んでくる迫力は大、さらに、クリアボールが中途半端になれば、たたみかけてくるということ。

さらに、コーナーキックは、リーグ第2位、これはシュート数第2位とリンクしていると思われる。(参考に、CKとシュート数が、ともに1位が、鹿児島)

山雅、コーナーキック時の、ゾーンとマンツーマンの混合システムはまぁまぁ上手く機能しているとは言え、油断禁物ですぞ。

他方、反則数は、栃木は、FC大阪とともに、断然のツートップ。

つまり、こっちのコーナーキック数は相手の半分、とは言え、

削られるのは痛いとは言え、

こっちのセットプレイのチャンスはおのずから増すわけだから、

それを、活かさない手はありません。

前回エクスキューズのとおり、無念のDAZN観戦になりますが、

フォルツァ、 山雅!!

白生地にゴールドの勇姿で躍動だ。

では。

そんなシティにうんざりし。

シティはシティでも、マンチェスターシティ(イングランド1部の)ではなくて、

この週末に、山雅が対戦する栃木シティFCのことなんである。

北関東の地(栃木県岩舟)だから、参戦のつもりでいたのですが、

さて、チケットを、とみたら、

ビジター(ホームも同じ?)は、どこも 4,500円なり。

いつもの 5割増しの特別価格らしい。

商売において強欲なのは理解できるが、価格設定の能書きに、

来場者多数のゲーム運営には、人とモノが余計にかかるので、とある。

これはまるで、

繁忙期には人を増して接客するから、

その人件費をそっくり宿泊代に乗っけます、という旅館業界のたわごと、と同じ。

そこには、なんの企業努力もなかったから、

人々の観光動向が変化したら、それに対応する智恵も浮かばず、全国いたるところの温泉地では、いまや、ホテルの廃墟が出現している。

山雅さんの動員力を活かして、クラブがすこしでも潤いたいから、と正直にいえばカワイイのになぁ。

ただし、

遠征費総額に占めるチケット代は、それほどでもないので、

参戦を取りやめた僕の言い分もまた、単なる言い訳なのかも知れませんがね。

では。

雲は天才であるか?

石川 啄木による、小説『雲は天才である』は、彼の生前には発表されず、

死後刊行の、啄木全集に収録された(1919年)。

こういうタイトルを案出できるのが、まったく、啄木の才能に思う。

歌集『悲しき玩具』は、これも死後、1912年6月20日に世に出た。

生前から、この第二歌集の発刊は予定されていて、

啄木が、出版社から、前借りの原稿料を受け取ったのが、その年の 4月9日。

その四日後に、啄木は、27歳の病床で亡くなった。

かなしきがんぐ、と読むのがならわしのようだが、

啄木自身は、おもちゃ、と言っていたらしい。

その中から、ふたつほど。

遊びに出て子供かへらず、
取り出して
走らせて見る玩具(おもちゃ)の機関車

人がみな
同じ方角に向いて行く。
それを横より見てゐる心。

……見事な仕事です。

では。