愛鷹が,教えてくれた (沼津戦レビュウ❷)

沼津戦の敗北から、僕は、いろいろと学ぶものがあった。

ひとつ。

以前から、〈幸福〉は、人生の目的には成りえない、と思っている。

― 与えられた処で生きてみて、結果、気がついたら、肯定しうる人生だった。

そんな感慨を〈幸福〉と呼ぶのであるなら、それはあくまで、結果のひとつに過ぎない。

おなじように。

〈昇格〉を、クラブ(のやるサッカー) の目的にすることはできない。

つまり、〈昇格〉(戦う場)そのものを、クラブの存続と価値と、同じ天秤にかけることは間違っている。

せいぜい。

参戦ステージで頂点に立つ、または、より上位の戦績を残す、そのために戦う、これが目標でしょう。

ここをはき違えると、クラブ愛も、狭量、浅薄、貧困、騒々しくなってやり切れぬ。

いや。

果たして、そこに愛はあるんか?、みたいな、寒々しい世界にならないか。

ま、誰だって、昇格だけのためにアルウィンやアウェイに足を向けはしないから、釈迦に説法ですが……。

ふたつ。

〈完敗〉と評したのは、ボールを自分流に動かす局面で、おおかた沼津が優位に立っていたからで、

ひとによっては、これを、球際で劣勢、ボールを握れず、とも表現するらしい。

あるいは、しゃにむにボールにアタックすることを、〈泥臭い〉とかいって称揚する。

では、なぜ優位に立てなかったのか?

気持ち、気迫が、足りませんでした?

まさか。(相撲の立ち合いでもあるまいし)

沼津戦で、球際で負けた、とするなら、

それは、相手のほうが数段に、やるべきことへの集中と献身(=規律) において優れていたために相違ない。

なすべき一連のプレイが明確に意思統一されていれば、

それに備えながら、要は、次のプレイを想定しつつ素早く態勢に入るから先手を獲れるのであり、

ひたすら相手を止めるためのボールへの寄せは、すでに、その時点で後手を踏んでいる。

単にどちらに気力があるかどうか、といった、安っぽい精神論の次元でないことだけは、確か。

その点は、引き続き、レビュウ❸で。

では。

覚悟の,愛鷹 (2023.10.22 沼津戦レビュウ❶)

1 – 3 の敗戦。

完勝のあとの、完敗。

ひとつ。

サッカーの質、力量で負けた、実力で劣っていること、それがハッキリしたこと。

プレイスピードで、沼津が、こっちの1.5倍速はあった。

こういうのを〈気持ちや決心〉の問題にすりかえるのは間違っている。

敗戦時、相手のほうが決意に満ちていた、こっちに緩みがあったとは観ているほうの感情反映に過ぎず、あくまで、技量と技術面として論じなければ、強くなれません。

ふたつ。

ゲーム終了の笛がなると、小松 蓮が、ピッチに突っ伏してしばらく動かない。

18点の得点王(現在)であるならば、上カテゴリーからのオファーは相当あるはず。

この敗戦によって。

チーム一緒ともどもの昇格は消えて、

ひとり決断せざるを得ない状況となった悲嘆、そんなふうに、メインスタンドからは見えてしまった。(感情移入ですけどね)

みっつ。

現状、勝ったり負けたりの繰り返しから足を洗えず。

順位 6 ~ 9位 をいったり来たり。

2位(昇格圏)とは、残り6試合で、勝ち点差で 8。

旗は降ろせないが、

この敗戦が、ターニングポイントになるでしょうから、

片っ方では、今季総括、プラス来季への冷徹な視線で、しかも、楽しめ。

あぁ、陽光の下、駿河湾の水平線のまぶしさ、その変わらぬことよ。

では。

おとなの狭量。

小学一年生が、片仮名を憶えだした。

テスト用紙をみせてもらうと、

答えに書いた セ―タア、のアの字を、教師がばってんで消して、〈ー〉と朱く訂正してある。(長音表記の練習)

長じて世にあれば、セエタアと表記しようが、一向に構やしないのだけれど、

― 先生が、こうやって直してあるのだから、〈ー〉と憶えておこうか、

と教えたが、こういった正確さは、今の彼にはむしろ有害であって、

あくまで、学校内教育の、画一性に同調しなければならない。

ゆえに。

― こういうふうにのばす、アア、イイ、ウウ、エエ、オオは、みんな

〈ー〉と、一本棒で、書くんだよ、としておいた。

拗音(ヤ、ユ、ヨ、ワ)を小さく書くのも、同じように教えた。

なんと狭量で、不自由な世界。

年齢や住むところで、ひとくくりに集めて教えを授けるやり方は、すべてにおいて、

幼い魂に、画一な行動と従順を、容赦なく押しつける。

そして、その手際の良さに、安堵する。

押しつける側が、かならずしもフェアでありえない生身の人間なんだから、なおさらに辛い。

では。

やっぱり中盤か (沼津戦プレビュウ❷)

アスルクラロ沼津のことをいまだに、失礼な僕は、

ジュビロの、静岡中東部におけるサテライトチーム、くらいにしか思っていない。

だって、中山 雅史が監督、川又 堅吾が所属なんだから。

……要らんあおりはおいといて、さて。

沼津は、かなり攻撃的なチームであるが、さりとて、守備もオロソカにはしない。
31ゲーム中、無得点は 8回、無失点が 9回。

(参考までに、山雅をみると、無得点 5回、無失点 11回と、なかなか頑張っているではありませんか。
さらに、得失点の数は、トップの愛媛とほとんど同じですよ)

センターラインのどちらにおいても、ボールを持ちたがる(保持率リーグトップ、アヴェレージで 55%)。

左サイド攻撃が突出してるが、中央エリアも使える。

で、採用システムは、4 – 1 – 2 – 3。

……と、個別プレイヤー評価を抜きにすると、こんな感じ。

〈ゲームのポイント〉

❶山雅からすると、4試合ぶりの、4バックシステムとの対戦。

両者の違いは……、

同じ 3トップを採るけれど、

山雅の2列目は、菊井がひとり、で、その後方にふたりのボランチが配される、いわば正三角形。

沼津は、2列目にふたりのシャドウが位置し、その後ろにひとりのボランチがいる、いわば、逆三角形。

となると、この部分で対峙上、チグハグ(いわゆるギャップ) が生じるから、

沼津のふたりが菊井の自由度を封ずるのか?

あるいは、山雅ボランチらが、沼津ワンアンカーの両側スペースを侵すのか?

そういった競合になりそう。

要は、中盤でのつぶしあい、せめぎあい、ボール奪取、これがキモになる。

できれば、利き足が、右と左のふたりをセットにすると、こっちの反転する時間をより短縮でき、かつ、パスコースに選択肢が増す。

❷沼津の左サイドバックとやりあうのは、藤谷らの、山雅の右サイド。

ここでの攻め合いに勝つのは、もちろん大切だけれど、もっと巨視的にみると、

たとえば、常田から藤谷への、ひとつふたつ飛ばしのビッグスイッチとか、

逆に沼津の右サイドを脅かすことによって沼津の守備を左右に揺さぶる、といった複合的な崩しが、必要でありましょう。

これらは、いままで深めてきたことですから、これをさらに進化させ、良質とも上げる。

総括的には。

4月ホーム戦時の、ボール保持率は、ほぼイーヴンながら、山雅が、若干上回った。

この数字は、逆転が 2回起こるような、せわしないゲームを象徴していた、と思っていますが、

今度は、そうバタバタ、ボール保持ばかりにこだわらず、

長野戦で魅せたような、前線からのプレスとボール奪取を、沈着で、コンパクトな陣形を保ってやり切り、

沼津の体勢を、自ゴール方向へと押し下げてしまう。

これに徹すれば、活路は、かならず開けるはす。

では、駿河の国で。

シャトルバスをお願い (沼津戦プレビュウ❶)

パルセイロ戦終了後。

チノ氏から、アウェイ(沼津)は行きます?、と訊かれ、

ええ、と応えたら、

では、念を入れます!!、と握手を求められた。

なので、僕は、チノ氏とご子息の願いをも請け負って、愛鷹に向かう。

ところが。

ここのスタジアムは愛鷹山上近くにあって、付属の駐車場は、700台分(公称)。

沼津のゲーム平均観客数は、1,700くらいのようだから、

駐車場と、あとは、臨時便を含めた路線バス(from沼津駅)でまかなえるかも知れないが、

いかんせん。

前節の勝利で望みをつないだ山雅ファン&サポーターのことだし、

ホーム敗北(3 – 4) の汚名を晴らしたくもあるだろうし。

で、昨季実績の 3,300人(入場)を、かなり上まわるような、当地からの参戦になるのではないか。

昨年は、ららぽーと沼津からシャトルバスが運行されたから、

僕は当然、アスルクラロ運営は、今回も同様な手当てをするに違いないと信じていて、

二回ほど公式ページをみてみたが、それらしきニュースはいまのところ、なし。

そしたら、山雅の順位は、沼津のふたつ上で記載されているが、いまだ、勝ち点43になっている始末。
(☞ 註: 10/18 13:00現在で)

こういうところに手が回らないようでは、シャトルバスの手配とリリースもギリギリのタイミングかな?、と半分諦め気分なのだ。

最悪、バスがなけりゃあ、付属駐車場に早めに到着するしかありませんかね?

……、とプレビュウにも辿りつけない愚痴に終わってしまう、今回のつまらなさ。

では。