良い三本締めのために 後編 (求めるカイゼンはこれ)

攻撃と守備について、それぞれひとつづつ、求める手当てを記します。

〈攻撃面〉
もっと顔を出せ!!

相手陣内におけるボール保持を高くしたい山雅、と思って観ているけれど、

パスを活かして相手陣内で勝負したいのならば

受け手側が、もっとパスコースに顔を出すことで、活きの良く、速い攻撃を創る必要がある。

しっかりと形成された相手守備網に対し、

現状、受け手の位置取りが消極的、というか運動量が少なく、よって、パスの出しどころを捜しては、逡巡する。

攻撃がノックダウンしてしまって、また、ボールを戻しては、やり直す。

もうひとつ。

持ち手の側からすると、もっとみづから持ち上がってパスコースを開拓せよ!!

横、あるいは後方へのボール移動のすべてが不適切とは思わないけれど、

やはり縦方法へ向かわないと、相手守備に穴は開きにくいし、それは、縦パスの機会をも意味する。

そう言う意味で、山雅、今季の(これからの)ポイントは、ドリブル (by チノ氏)に違いない。

何メートル以上をドリブルと呼ぶかは知りませんが、山雅は、回数的には、リーグ 19位です。

どの位置から始めるかはべつとしても、

ドリブルは、ゲームにおける、積極性のメッセージにもなるわけで、

相手守備の外縁をなぞることに終始するのは感心しない。

最近、センターバックによる持ち上げりが散見されるので、そのチャレンジは大歓迎。

昨季は中村 仁郎、いまは、青空を獲った山雅であるので、なおさら、

ドリブル選択であるはずなんですがね。

もちろん。

あらゆる手段を駆使するのがサッカーなので、

琉球戦のような、ショートカウンター、裏狙いのロングフィードは、機に応じて発動すべきですが、

ボールを握ることでゲームを主導したいのであれば、自分たちでスペースを拓こう。

〈守備面〉 

次節鹿児島戦は、セットプレイが勝敗を分ける、と診ている僕ですが、

このところカイゼンの兆しがみえないのが、コーナーキック時の守備。

ゾーンで守れば、警戒すべきは、
❶ゾーンの外縁から飛び込まれて、ヘッドで撃たれる。
❷ゾーンの前後端に入れられて、ヘッドで後方フリック、あるいは、ヘッドで折り返されて、それを決められる。

つまり、相手のヘディングには要警戒、これに尽きる。

この手当の無さを、長野、福島、清水と続けて見せつけられた。

高身長をマークしていない、競わない。

これでは、ゾーン内に飛んで来たボールをはね返す、ただ、それだけのこと。

なんだ、無策そのものではありませんか?

そこを、相手チームの顔ぶれに応じた対策をお願いします。

でなけりゃ、福島のように、マンツーマン守備にしたら、いかが?

では。

良い三本締めのために 前編 (素直な戦績について)

リーグ前半戦も、残すところ 3ゲーム。

ひとつの区切りを、良い戦いで締めくくって、後半戦に向かいたい。

残りの、鹿児島、栃木SC、群馬とのゲームのプレビュウをも兼ねて、

ここで、いままでをすこし総括してみましょうか。

山雅、現在の順位は、9位。

勝ち負けが、同数の 6つづつ(分けが 4) だから、ごく至当な順位だが、

得失点はいまだに▲1。(だから、琉球戦の最終盤のチャンスに貪欲なゴールを積むべきだった、とはこのこと)

9位が、いやにお馴染みになっちゃったけれど、

トップ(FC大阪)との勝ち点差 13、6位(北Q、プレーオフ圏内)とは、5点差。

最下位(琉球)とは、その差が 9点。

ざっというと、上とは離れていて、下とは詰まっているから、これから、2~3連勝を何回か重ねない限りは、上位とは縮まらず、ウカウカすれば、下位グループに吸収される、そんな塩梅。

特に、上位の 2チームは勝ち点で突出しているので、3位フィニッシュが、現実的なゴールだろう、8割方は。

もちろん。

連勝は決意に過ぎず、また、上位が停滞するだろう、との勝手な期待が前提だ。

ま、やるしかないけどね。

ところで、過去16戦をやって、めぼしい特徴のいくつか。

❶上位には、おおかた勝ちがなく、下位には、おおかた負けがないこと。

レアケースは、北Q (6位)に勝利し、高知(12位)に敗戦した、ふたつのみ。

勝敗はむしろ、相手のサッカースタイルの相性が大きく関与しているとはいえ、いやに、素直な戦績ではありませんか。

❷先制されると勝てたためしがなく、先制しないと勝てない。
逆転勝ち、ってやつがひとつもなく、

先に点を獲っておいて、やっとこさ、引き分け以上でゲームを締められる。

ひっくり返す力量に、貧しいわけです。これも、いかにも素直なこと。

❸攻撃的なスタッツも、順位相当の平凡さ、突出したものがない。

シュート、コーナーキック、クロスなどの数、このところ上向いているとは言え、リーグ中位の累計数。

昨季は、シュート、コーナーキック数はリーグトップを走ってた。

相手が、勝利の安全圏に入ると、守勢を強めるので、相対で、こっちに攻撃権が傾き、自然、シュートも増加するので、そういう部分を差し引いたら、やはり、

攻撃面で湿った状況は続いていて、枠内シュート率はめざましく改善しているけれど、単なる人材投入でない、戦術的なランクアップは、必須と診るべき。

アンツバ離脱は致し方ないにせよ、浅川の活用度は、もっと上がるはず。

 

……こうみてくると、ゲーム中の修正はかなり活発におこなっているとはいえ、

形勢をもっと引き寄せられる、巧さ、ずるさ、意思疎通(チーム内、対レフェリー)に、もっと練達しよう。

若いチーム、と、いつまでも言い訳などできませんぜ。

では。

Forever Young ……。

自分の膝が痛くなってはじめて、

同じ辛さを持っている人々に、心からの同情心を抱く。

カント(哲学者) が言っているとおりで、

知らないことは、わからないのが、人間(の認識能力)なのだ。

ゆえに、誰もが持つ限界のひとつなんだから、なんら恥じることでもない……。

身近な者の経験をみて、そんなことを思っていたら、

家人から、

ねえねぇ、ちょっと観てもらいたいのよ、とお誘いがあった。

どうも録画したTV番組のことらしい。

その様子から、ははん、これは、(毎日観ていらっしゃる)韓流ドラマではないだろうな。

僕の予想が当たって、

それは、往年の有名人が入れ替わりで登場するトーク番組の、或る回(おそらくは当日分)。

その司会者が聡明で、品のある会話ができる元女優なので、だいぶん救われてはいるけれど、

どうみたって、そういえばあの人の今は?、といった人間の、捨てがたい好奇心やゴシップ心に訴える番組に違いないから、僕は遠慮したいなぁ。

― でもね、今回は、若づくりの痛々しさもないのよ、あぁ、幸代さん。

〈Forever Young〉は、

ボブ ディランのアルバム〚プラネット ウェイブズ〛(1974年)に収められている曲。

僕が持っているディランの唯一のアルバムで、

ザ バンドがバック演奏を担っている理由のみで、購入した。

そのスローなほうのヴァージョンを、カヴァーで。

では。

あいかわらず思うこと (FC琉球戦レビュウおしまい)

後半開始から、大橋 尚志を投入した件。

要は、ゲームの中で、ボランチのセットを、

安永と青空 ☞ 安永と大橋 ☞ 大橋と松村

……こういった順序で、変えていった。

思うに。

琉球がそのサッカースタイルに忠実にゲームを進めているのに対し、

中盤での〈ボール奪取〉機能の強化、そこが狙いだった、かと。

なかなか気の効いた変換だった、と思います。

まぁ、ボランチ担えるメンツを擁する幸福があって、

こういう事ができるようになったわけで、ベンチには、まだ、稲福、國分を抱えていた。

あとは、山本 康裕の復帰。

なぜ、これを言うか?

おおよそ、山雅の場合、苦戦するのは、

堅く保持したい陣形が、縦に間延びさせられることで、中盤のスペースが緩み、空いてしまう(そこを使われる)ことが、大きな要因。

ゆえに、頭ごなしに頭上越えのボールを入れて揺さぶって来る、たとえば、FC大阪式なんかには、脆さを露呈する。

(それにビビッて、ムダにラインを下げることもないのに)

いまだひ弱さがあるとは言え、若手ディフェンダーにひとつのメドが立ったのだから、

思い切って、現在の 3 – 4 – 3 から、

4 – 3 – 3 に変容することで、

もっと、たとえば、滝、青空、佐相らを高い位置(最前線)で動かしたくはありませんか?、早川さん。

菊井 悠介の特性、つまり、かならずしもフィニッシャーではない点を鑑みれば、

彼は、中盤に置いて、他を活かす役割を担うほうが、強みが増すと思うんですが。

では。

完全は求めないが (2025.6.14 FC琉球戦レビュウ/速報値)

3 – 0 の勝利。

ボール保持にこだわり、パスの緩急で勝負したいスタイルの琉球サッカー。

これに対するに、

守備陣形をしっかり形成しておいて、

ボールホルダーに喰いつき過ぎずもせず、

パスコースを限定しながら、ボールの奪いどころを絞っていくやり方。

これが、ゲームのほとんどの局面で、上手く機能していたと思います。

ここらは、山雅だったらそうするだろうな、というわかりやすい展開。

ゴール3つのうち、

ふたつは、ロングフィードを仕掛け、相手ディフェンスラインと競り合いながら、ボールを奪って撃ったもの。

あとひとつは、中盤でボランチ同士のせめぎ合いから、ボールを奪ってたのをもらってシュートしたもの。

こっちの狙いと、フォワードふたり(村越、想来) の特性が、そのまま結実した3得点は、ミゴト。

飲水タイムを入れる、

ということは現地は相当に、暑く苛酷な気候だったのでしょう、

だから、ああいうゲームの進め方は、体力消耗を、できるだけ回避する目的でもあったかと。

ホームチームのプレイヤーが、すべて沖縄の気候に慣れ親しんでいる訳でもないでしょうから、琉球のゲームのほとんどが、ナイターであるのは理解できますが、

いくら夜にやっても、かなりな、プレイへの影響はあるわけで、

琉球のサッカースタイルは、気候考慮の、その結果なんでしょうかね。

さて。

おおかたはやりたいようにやって、無失点で、3得点ならば、ほぼ望みどおり。

ただし。

決して完璧を求める僕ではないけれど、

戦意がガクンと落ちた相手に対し、残り20分を切ってからの最終盤。

もっと丁寧、沈着にやれば、あと 2ゴールはできたので、そこをやり切るチームになってもらいたいなぁ、

チームをワンランクあげて。

仮に、琉球の決定機だったシュートが決まっていれば、スコアは 3 – 2。

まったく同一の形勢から、ダメ押しの 4点目を決めてくるエスパルスさんから学びたいのは、そういうところ。

では。