やっとここまで (2023.7.29 愛媛戦レビュウ❶)

ゲーム終盤に先制するも、アディショナルタイムの被同点弾によって

1 – 1 のドロー決着……。

その息の根を、なかなか止められない愛媛、でありました。

石丸さんにとって、腐心のしどころは、
左サイドへの偏重/偏愛と、鳴かず飛ばずの右サイドの活性化、そのバランスをいかに保つことであった、と思いますが、

土壇場、その右サイドで起死回生の仕事ができんだから、まぁまぁでしょう。

でも、愛媛にあって、佐々木 匠は、なんとも起用のむづかしいプレイヤーになってしまってる。

その分、こっちは中盤を抑えやすくなって、助かりましたがね。

ひるがえって、山雅。

勝てなかったわけは、あくまで、2点目をモノにできなかったと考えるべきですが、

萬年の、ホンネを申せば、

よくぞ、ここまでチームを仕上げて来たな、という感慨が深い。

でも、勝てなかったから、〈やっとここまで〉と、少々、遠慮気味のタイトルにしたまで。

昨夜、11対11でやってみて、

愛媛が、このまま順当には行かないだろうな、とは思いましたが、

それにしても、あれだけの相手とやって、(まさか、あちらが手加減したはずもないので)

ほぼほぼ思いどおりのサッカーをさせなかった、というのは素晴らしい。

実質的にはもはや、総体として、2部でもやれるプレイの域に達している、とは言え、特に……、

❶安永が基底に落ちて、攻撃組立てをまかなっている分、安東が前を向いてプレイできている、攻撃的な中盤。

❷センターバックにおける初動のボール配球が落ち着きを見せているので、

❸左右サイド(下川、藤谷) が安定的な力量を示していることもあって、サイドチェンジを駆使することで、サイドで優位を獲れる。

❹その中、自由に動く菊井が、ラストパスの起点として機能。
前へ反転する決めどころで、今節は、ボールロストが 2度ほどあったものの、
先制点のアシストとなった、ハイボールをワンタッチで小松へ出したプレイは、絶品。

❺菊井 ☞ 小松のラインが、いかんせん効く効く。
菊井からのパスのトラップ。

あれ、いささか巧く納まらなかった、と思いきや、瞬時に〈ひとりボレー〉として打ってしまうとは!!、リーグ得点王は、伊逹じゃあない。

……、何点か、ピックアップしましたが、

この戦略と戦術を磨きつつ戦い続ければ、

よっぽどの事態がない限りは、

後半戦、なんとかなりそう?、と言い切れるゲーム、そんな総括です。

で、MVPは、藤谷 壮。

クロスは、(コーナーキックにも繋がって) ほとんどがチャンスを生み出していましたし、
左足で入れて魅せたクロスは、可能性をひとつ開発した価値がありますから。

では。

YMG,夏の陣は続く (運が良ければ,きぼうを)

連日の夕立ちなれど、季節はすでに、秋近し。

だから、残暑の陣、とするのが正確か。

本日の愛媛から続く、鳥取(超攻撃スタイル)、富山鹿児島今治との対戦は、

山雅にとっては、まさに〈天王山〉であるから、決戦の初秋。

ここでの戦績が、リーグ戦の行く末を大きく左右する。

……、なんてことは、山雅ファン&サポーターであれば、言われなくたって、先刻十分承知のことでありましょう。

以前、オソロシイ、と弱音を吐いたが、

考えてみれば、これらをモノにできれば、向こうの勝ち点を積ませないで、こっちが勝ち点を稼げるのだから、

またとないビッグチャンスが、しかも 5つも続く、と思えばいいんであって。

天王山を抑える(占拠する)かどうかは、そのまま、天下を獲れるか否か、に直結する。

……とは、山崎の戦い (1582年、羽柴秀吉軍 vs 明智光秀軍)からの教訓。

この際、〈三日天下〉の言葉も、思い出されたり。

それ、どのチームが背負うことになる言葉なのかは、わからんけれど、

チームが、この朝を迎えたであろう、松山の空に思ひを馳せて、

我らの健闘を、祈るのみ。

賢く、走り切れ、山雅。

では。

追伸。

今夜、松本平では、晴天ならば、
20:56から、国際宇宙ステーション(ISS) の飛行が見られます。

金沢付近の真上を通過するので、
北西の方角から入って来て、南東の空に抜けていくはず、この間、2分強。
最大仰角は、55°。

なお、明日は、20:07から、今夜よりも、東よりの空を飛行の予定で、5分間。

挑戦者こそ,俺ら (愛媛FC戦プレビュウ)

前半戦終了の時点。

愛媛は、勝ち点ゲーム平均2 のペースで、首位を堅持。

そこから、勝ち点で 10ポイント離されているから、(順位的に) こっちが挑戦者。

……、と単純に考えてもらっては、困ります。

今節の価値は、

愛媛の手堅いサッカーを、リーグ第1位の得点力で粉砕すること、これに尽きます。

愛媛はここまで、11勝のすべてを、スコア1点差で、モノにしているのです!

さらに、逆転勝ちを 5回演じ、同点にされても突き放したのが、2回。

なんとも、シュアで、かつ、最後まで音を上げないんです、今季は。
(どおりで、得失点差は、たったの 4 )

Ehime FC Has Nine Lives ☞ 愛媛は、なかなかくたばらない

これはもう、最大の褒め言葉でありまして、

4度も逆転負けを喫した、どこぞのチームとは、まるで違う、を肝に銘じよ。

だからこそ、ニンジニアスタジアムに乗り込む山雅がめざすべきは……、

(おそらくは)ミラーゲームになれば、デュエルに手を抜かず、緩めず、引き下がらず、

前節、手応えを見い出した〈屈強、前傾の中盤〉を運用して、

攻撃的なサッカーをやり遂げること。

この際、ひと月まえのリベンジなどと、器の小さいことを言ってはいけませんぞ。

先の対戦は、イレギュラーな状況を余儀なくされた。

だから、そのまま参考にはなりません。

が、その教訓を活かすとすれば、

10人になってみて、かえって、どうやってゴールを挙げるかが、ハッキリしたこと。

つまり、一方に、堅いチーム内の意思統一があって、

他方に、得点のためには、準備した手立て(=強み) を出し惜しみしないこと。

この二刀流で、攻め切り、

フツーに11人でやれば、どっちが優るのか、を証明しましょうよ。

では。

つかみどころがないのも,また武器 (愛媛戦 プレ/プレビュウ)

昨日。

南ゴール裏で中旗を振っているソネさんと、ゲーム後、初めて立ち話。

で、最大の論点が、

加入早々の安永 玲央が、どうしてあそこまでチームにフィットしてしまったのか?、となって、

― よほど、チーム戦略が強固であるから、新タレントを平気に受容することができる、と思いたいところですが、

実は、チームとして空疎 (=スタイルに対する信念の希薄) だからこそ、安永が自在に活きた、がホントな気がします。

なるほど。

ゲームキャプテンシーが曖昧なところを見るにつけても、ソネさんの見解は、耳を傾ける価値が大いにある。

ならば、そこにフォーカスしてしまって、

山雅はどこから仕掛けて来るか、ちょっと予想がつかない、

あるいは、意表を衝いてサイドチェンジ、縦パスがどんどん入ってくる、そんな不可解さを売りにしたらどうだろう?

変幻自在、とか称して。

明後日やる、正統派 愛媛FCに対しては、案外、そういうサッカーが効くかも知れませんよ。

では。

攻撃性と高強度の、(八戸戦レビュウ❷)

〈中盤〉はやはり、肝心要(かんじんかなめ)、を魅せつけたゲームでした。

ひとつには、相手が、カウンター発動を狙うサッカーであること。

加えて、こっちは、頭越しのロングボール戦法に活路を見い出すやり方をしない。

となれば、ますます中盤を制圧し、ボランチ経由で多くボールを動かさねばならぬ。

ふたりのボランチは、当夜、頻繁にボールに絡み、ボール奪取に傾注した。

山雅のイエローカード2枚が、安東、安永のふたりに与えられたことが、きわめて象徴的。

チームに合流して数日のプレイヤーを、ダブルボランチの一角で先発させるのは、

強化目的が、よほど明確、かつ、準備周到であった(早川コーチと横浜FCでやってもいた)から、と好意的に解釈することとして、

気づくと、安永 玲央が、左サイドでプレイしていて、
4 – 1 – 4 – 1のような陣形になっているではないか。

チノ氏は、
―ああいうポジショニングを含め、安永のセンスでは?、との見解。

また、大胆なサイドチェンジを多用することで、ピッチを幅広く使った。

結果、八戸の陣形 3 – 3 – 2 – 2 の、

後方2列 3 – 3 のところで、プレイヤー間距離を間延びさせることに成功。

そこに、山雅センターバックから、ボランチから、2列目へ縦パスが面白いように入り、

そのパスを捌くについては、菊井 悠介の持ち出しの創造力がめだちました。

前半、右サイドの藤谷 壮と國分 龍司の距離感が悪くて、攻撃にチグハグが目立つが、

後半、それも修正され、國分が、敵陣奥のスペースを何度も侵せるようになると、
滝、下川による左サイドを含め、山雅が、両サイドで優位を創出。

……、とまぁ、素人目にも、勝利にたどり着くには、

力量差、プラス それなりの方法論がかならず在ったこと、これを指摘しておきます。

菊井とゴール前でクロスにかぶる、といった痛い部分はあったけれど、ゲームのMVPは、鈴木 国友か。
みづから決めたゴール、さらに、相手ディフェンダーを惑わすことで渡邉 一真のゴールをお膳立てした。

やっとこさ、なにかを掴みかけたぐらいなのに、ひとつ勝つと、まるで課題が雲散霧消したかのような楽観も湧いてくるでしょうが、

街角で見かけた、こんな精神論のごとく、

勝てば☞ 真剣に、集中してやってた、
負けると☞ 熱心と熱意に欠ける、といった、単なる忖度心象の押しつけは、いつだって、有害な〈空騒ぎ〉と断じてしまおう。

では。