コペルニクス的転回だってあるぞ (鳥取戦プレビュウ)

5月連戦、その締めのゲームを前に、

プレビュウをおこなうにあたっての戒めとして、

ひとつ。
第4節(5/14)の長野戦、

個の質とサッカーの突き詰めにおいては、山雅 : 長野 = 8 : 2 くらいな違いが明らかになったのだから、

あれだけ相手を圧倒できはしたが、

そこからは、両者間の格差分を差っ引いて、基準器の目盛りを戻さないといけない。

要は、これほどに優位に運べるゲームは、他にほぼ無い、ってこと。

ふたつ。
チームの作り込みの基軸と現在地が、今季は、かなりわかりやすいのだから、

いまだに、3部 = 3流のサッカーといった、いわば〈リーグ天動説〉にハマった視点では、

ますます山雅の真価が、捕捉できなくなった。

……この2点は、肝に銘じておこう。

ただし。

5/14夜のアルウィン全体の反響をみると、

山雅のNOWを、実直、支援的に観られる層が大勢を占めているようであったから、

過去に縛られた思考停止脳を、あまり気にせずとも良いかも知れない。

 

さて。

今節の来蹴者、ガイナーレ鳥取。

ボールを握ることを本来的として、活発な前線が、俊敏にペナルティエリアを侵してくる、そんなサッカーか。

前節相模原戦(0 – 1の負け)では、スタッツを見る限り、相模原のそれを上回っている。

つまりは、1ミリの油断もゆるされない相手。

そこで、萬年式な願望を、下図に、定着してみた。

〈その要旨〉
❶運用はともかく、初期システムは、ガイナーレと真っ向やりあうつもりで、

3 – 3 – 2 – 2 (3 – 1 – 4 – 2)とする。
アンカー的ワンボランチと、ツートップが、その骨子だ。

特に、鳥取の前線アタッカーの抑え込みは必須なので、3バックで数的優位を保持。

❷メンツ的には、前節、攻撃の基盤をつくって魅せた安永、滝はマストで配置。
石山を、シャドウに置くことで、高い位置で、相手守備に穴を開けたい。

❸菊井へのマークが、ますます厳しくなっていることから、
ここで、コペルニクス的転回(新しい発想)に走って、

菊井をツートップの一角に転用、裏抜け要員としても良いかなぁ、との考え。

もっと踏み込んで、菊井を外してでも、青空を試してみる価値はある。

石山は、その全方向的な躍動力からすれば、フィニッシャーばかりでなく、水を運ぶ役割が期待できるはず。

❹ピッチを広く、均等に使うため、4バックを採りたければ、松村を上げてボランチにまわし、宮部を、左サイドバックに配置する仕込みをしておこう。

……くどいほど繰り返しますが、

より強靭なサッカーのため、あの長野戦は忘れること。

それが、出発点でありましょう。

では。

立ち直れる理由(わけ) (2025.5.14長野戦レビュウ,これから)

ゲームにおいて、

前半の10分から 15分くらいの間、ちょうど失点した前後、

流れが、パルセイロへと傾いた時間帯があった。

テンポ良いボールが、パルセイロプレイヤーを行き来して、山雅が食いつくものの、なかなかボールを奪取できずに、自陣ペナルティエリアまで運ばれる。

ゲームは、両者 3 – 4 – 2 – 1の布陣によるミラーゲームだったが、

そこには、大きな運用上の違いがあって、

長野のほうは、陣容の網目をあえて粗密にしてでも、自分たちの距離感でボールを繋ぎたいやり方。

いわば、陣形の保持そのものにこだわらずに、プレイヤーが散開、連動する。

これに、山雅がつきあう格好になってしまい、熱心にアプローチすればするほど交わされ、こっちの距離が引き伸ばされて、

かつ。

長野のボランチ、またはセンターバックから、活発なツーシャドウ(2列目)へと良いボールが供給されて、長野ベースとなった……。

この嫌な時間帯を、克服したのは、やはり

ここまで養ってきた流儀=強みの活用であった、と思う。

要は.

縦に、ロングなボールや、グラウンダーを挿し込んで、そこに人数をかけて、速く強く進むこと。

これを、サイドチェンジをかましながら、ボールを動かすことで、ペースを自分たちの手に手繰り寄せることに成功。

【加筆、強調されていいのは、松村、杉田がサイドバックのように駆け上がりを見せて、相手ディフェンダーを惑わせたこと】

それが、前半の 30分頃から。

その流れが、ゲーム後半にも続き、逆転の基いとなったのですが、

今後の。

残り26ゲームのリーグ戦においても、その山雅式は、最後の砦、復帰点みたいなものになる、おそらく。

長野との比較で、特にあらわになったのは、山雅の、執拗で、かける人数をいとわないプレスバック。

これなんかは特に、2025季の武器として、このゲームで印象づけられました。

苦境になった時の、立ち帰るべき〈原位置〉が在ること、これは大きい。

ここに、

新しい視点での、選手登用による新鮮な戦力が上積みされていることは、観ていて楽しいのですが、

そうでなるならば、(チト苦言ですが)

先発メンツの出来がかなり良かったとはいえ、

前のゲームで結果を出した浅川 隼人の投入が遅すぎたのではありませんかねぇ?、早川さん。

では。

【速報/印象論】気持ちで相殺したゲーム (長野戦レビュウ)

2 – 2 のドロー……。

このゲームこそ引き分けは負けに等しい、とする立場を採らない僕からすれば、

終盤に、引き分けに持ち込れた残念さはあるにせよ、

チームにダメージを与えるような〈引き分け〉ではまったくなくて、

むしろ。

個とチームを成長させ、進化させながら勝ちに向かう、そういったマネジメントや方向性が、

アルウィン全体を含めて、いやおうなく浮かび上がった、そんな夜でした。

勝ち点1は積めたのだし。

現状、複数得点をモノにしないとなかなか厳しいけれど、

得点を重ねる可能性を感じさせる攻撃にたどり着きつつあるチーム。

特に、後半。

あれだけ間延びして弛緩したパルセイロのサッカーに対し、

思う存分にパンチを繰り出せていたので、

あと 3回はゴールを割れるようになること、それを、次回の対戦までのテーマにすればいい。

それには。

〈気合いと気持ち〉でハツラツ、キビキビとやった点は評価するんですが、

逆に。

それと同じ分だけ、

プレイから、余裕と、観察力、冷静さが失われる、といった部分を克服しましょうか。

いわば、ゲームをモノにするうえで、豊富なチャンスをみづからで相殺してしまうこと。

……しかしながら。

ほぼ10,000人近くのアルウィンへの結集を創り出した皆々様の取り組みと努力と熱意には、

こころより感謝と尊敬を表します。

では。

興ざめな数字だけれど (これからどうする? 山雅)

今日やると、山雅はこれで、

12ゲームを消化したことになり、リーグ戦(全38試合)は、ほぼ 3分の 1まで進む。

ここまで、

yamagaと長野の、今季のJリーグ公式のデータをみると

ゲーム当りの得点が、ちょうど1ゴール、

失点は、その得点を上回り、

被シュートの数で、リーグ4位(山雅)、リーグ7位(長野)、

それぞれの得点11のうち、40%弱をセットプレイから獲ている、といった概要。

要は、

今夜のゲームは、ともに貧相な攻撃力同士の対戦、と言える。

そして。

そこに、要らん〈力み〉がおそらくは加わるから

双方潰しあいによって、攻撃がますます湿ることになれば、

より興醒めな、悪い意味での、膠着したゲームになりかねない。

山雅にとっては、

フリーキックの回数が増えるのが助かる(怪我は怖いが)、というぐらいのものか。

そもそも。

(安藤 翼の離脱が大きいが)攻撃に、引き出しを事欠いたこともあって、攻撃不調でスタート。

だから、。

スタートダッシュを云々できるような攻撃レヴェルにないなか、

勝ち負けの数をとんとん(=同数)にしているのは、僕からすればまぁまぁ、です。

ここへ来て。

田中 想来というスピードに頼れるようにはなったけれど、

どうしても浅川の復調は必須であって、

そのためには、ツートップでいくべきではありませんかねぇ。

杉田の復帰、高橋とサンタナの好連携など、好材料がみえてきたのだから、

4 – 4 – 2 (または、大橋アンカーを活かし、4 – 3 – 3) を採る時期だと思います。

さいわい、ボランチで活きるタレント(青空、厳ら) には不自由していない。

3バックは、守備意識とラインを統一できるかも知れないが、

どうしたって、後方に重くなり、攻撃の厚み(人数と起点の高さ)に迫力がでません。

けっこうなシュートは打たれているけれど、

ゲームあたりの失点は(対高知戦の5つをのぞけば)取り立てて多くないのは、

勇気をもって守備ラインを高く保っているからで、

そのやり方は、4バックとも共存すると思うんですが。

そこで。

たまたま再度、攻撃的にやりたいが攻撃力で苦心しているパルセイロとやるからこそ、

これから13ゲーム以降を見すえ、攻撃力を引き上げることについてだけ、つぶやいておきます。

つまり。

今夜は、複数得点を心待ちにするということで。

では。

効いたよね、早めの青空。

そもそも。

我が山雅が、プロサッカーにあって、2部リーグ以上でやっているのなら、

長野県サッカー選手権は、欲しくたって獲れもしない誉れ

だから、そこに。

ホコリとか、を持ち出してくるのが、大いなる自己矛盾だろうし、

身の丈をわきまえないようなリーグ至上主義者なら、なおさらではないか。

せいぜい。

単なる意固地、と正直にホンネを吐くのが、すがすがしい。

ゆえに。

もしも〈真の矜持〉を有する者であるのなら、

一昨日のゲームは、決して勝ち負けの文脈で語ってはならず、

唯一、勝利したことの価値は

あと2週間もしたら、ここアルウィンで、

FC大阪に、手厚くリベンジするチャンスを得た、ことだろう。

ここでも、チームが有する才能を、果敢に試せるではないか。

……ただし。

内容的には、けっこう見応え(成果)はあったから、その、いくつかを。

❶(タイトルは、某感冒市販薬のコピーを、ふざけて引用)

早め、とは、先発で、終りまで石山 青空を投入したこと

僕のプレビュウでは、蒼空を、稲福とセットでボランチに配置、と診たが、

その稲福を、当初は(樋口に替えて) 左サイドバックへ配置する、とはまったく予想できなかった。

青空は、幾度も、縫うようなドリブルで、ボールを絶好な位置まで運ぶ技量を魅せてくれていて、

彼の強みは、その動きを、前後の両方向へ繰り出せること。

ただし、リーグ戦になったら、

首脳陣が、蒼空をボランチで使う決心をどの局面でするのかどうか?、そこを注視する。

❷他には、滝、杉田の復帰の確定、高橋の信頼性、サンタナの持ち味再確認など。

村越の負傷の程度が心配ですけど、

直近リーグ戦の先発メンツにはまったく手をつけないで観られたことは大きい。

神田 渉馬は、ゴールキックを 16本も蹴り込んでいたから、けっこう実戦感覚をモノにできたはずで、これも朗報。

❸誰が出てきても同じサッカーができる、というのは、実際は、無理な相談。

皆が、チームの決め事の根幹の基準は守れ、というくらいか。

ゲームの中(つまり真剣勝負)で、互いのプレイ傾向を掴んでいなければ、予測できないことがあまりにも多く、

たとえば。

バルガスが頭で競る場合、ボールの軌道や、彼の姿勢からセカンドボールの落下地点が読みづらいので、

前田 陸王が、アプローチし損ねる、そういうところ。

そこが、観ている者からすると、レギュラーを獲れない理由に映ってしまうのは、酷といえば酷で、

この壁を、どうやって突破するかは、最後は個々の成長、というのは簡単だけれど、

各自に、自己の技量の証明の〈場〉が、ひとつでも多く与えられることを願ってやみません、心底から。

では。