方程式は解けたか? (大宮戦レビュウ ❷)

リーグ戦を、3分の1 消化した現在。

2位から10位(☜ここに山雅)が、勝ち点 3 (差では 2) の中にひしめく……。

さらに。

山雅によって、その地金と、攻略できるヒントがあからさまになったこともあって、(真の伏線は前節鳥取戦あたり?) 大宮の首位独走が、この先、難攻不落にも思われない。

なにが言いたいか?

つまりは、ゲームをモノにする自前の方程式を少しでも早く、開発,、定着したチームが、有利な中盤戦を過せる、ということ。

……たまたま、あのNACK5では、僕の隣に、高校生らしき青年が席を占めた。

何とはなしに、彼と、会話をやりとりするようになって。

― ほら、今はね、馬渡と藤谷が、左右をスイッチしてるよね、あれ、相手に迷いを与える良策だね。

あるいは、

70分頃に、馬渡☞樋口、山口☞滝の、2枚同時替えをみた彼が、

― ここで、馬渡下げちゃう、ってありですか !? (その多大な存在感にもかかわらず)

― 僕からするとさ、悪い時の義務的な交代の匂いは感じられないので、違和感はないけどね。

左サイドのセット替えで躍動感を増したいのと、あとは、樋口の頭(ヘディング)への期待じゃあないかな?

〈大宮戦にみる方程式と解〉

サイドバック左が 馬渡、右には、藤谷。

(これにより、佐相を含め、3つのタレントを、冒頭から投入でき、サイドの優位を確保)

トップ下には、安藤 翼を配し、

山本、米原の、利き足違いのボランチセットとの、正三角形で、中盤を制す。

これは、浅川 隼人の復帰(得点力)によって編み出された、現状、最適〈解〉のような気がしますが、

より重要視すべきは、

浅川、安藤、(山口/滝)の、ゲームを通して衰えない、前線からのプレッシング

これ、ホントに効いていた。(大宮の中央を使った縦への展開を、ほぼ回避)

前線守備のおかげで、相手の攻撃が遅れて、時間が稼げるから、

こっちの守備が、前向き態勢を整えられて、かつ、次の攻撃に備えたポジション取りができる。

いまや、ファーストディフェンスにおける強度やボール奪取のチーム内基準が、

浅川のレベルに引っ張りあげられたので、

ジョップ君は、そこら辺を身につけないと、ゲーム締めの専任要員になる可能性大。

さらにさらに、これだと、山口と滝(村越)を、70分前後の分岐点をメドに、すべてフレッシュなコンディションで使えるわけ。

ところで、このゲーム、

萬年式、影のMVPは、米原 秀亮

体幹がブレなくなって、ボール離れ(速度)と、パスコースの意表性、鋭利さ、前進性が増して、

(守備的)ヘディングが目立ち、かつ、ミドルシュートにも積極的な姿勢を打ち出す。

かように、プレイヤーの技量成長を観るのは、大きな楽しみでありますが、

反面。

こうなったら、菊井や、安永でさえも、レギュラーを失う可能性だって有り。

チーム山雅の顕在的な強化の裏には、苛烈な定位置獲り競争(の現実)が、べったりと貼りついていて、

山雅ウォッチャーならば、そういう悲喜のすべてを含んだうえで、山雅式サッカーの豊かさ、進化を楽しまなくちゃ。

では。

これがふつう,になれば良い (2024.5.6 大宮戦レビュウ❶)

五月の曇天の下、

アウェイ大宮の地、2 – 0 の勝利。

日帰りで青森往復を敢行した家人を、朝、長野駅に送ってから、

関越道まわりで、大宮まで出向く。

ゲーム観戦後は、大宮駅まで新幹線で戻ってきた相方を拾うと、
中央道を辿って、日付けが変わる頃に、自宅に到着。

……そんな個人的な事情なんで、ハイライト動画を観るのが、やっと。

ゆえに、レビュウ❶は、おおざっぱな印象論になります、

ご勘弁ください。

ゲーム直後、(DAZN観戦の)息子からは、今季最高のナイスゲーム、との評価。

画面からは、山雅の応援もかなり光っていたようで、

― やはり球際で頑張る前に行くサッカーは、応援も盛り上がるのですかね、と彼。

このゲーム、(山雅として) それ相当の仕掛けはあったけれど、

(それについては、プレビュウ❷で診るとして)

やってることの本質は、いままでの山雅流に違いなかったから、

〈印象論〉としての、萬年的な勝因は……、

❶チーム山雅として、ボールを前に前に、という意思と規律が、より強調されていたこと。

ただし、こっちを前方向に向かわせてくれるほどに、大宮の守備が緩く、かつ、中盤が不活発。

そのサッカーは、よく言えば、シンプル、悪く言えば〈芸がなく硬直的〉だったことも、確かであって、

あれじゃあ、2部から陥落するのもうなづけるな、と思ったし、

あのスタイルに、いくぶんか強度をほどこしたら、昔を尊ぶような山雅ファン&サポーターには、お奨めできる。(もちろん皮肉)

❷負ければ、BOOが日常化しつつあるホーム(南ゴール裏)の悪習からは、あの地では、さっぱり解き放たれて、プレイができたこと。

アルウィンがもしも、今後もそれを続けたら、昨日の、アルディージャゴール裏の、気に入らなかったら何でもBOOの文化、となんら変わらない。

どうだろうか?

これからは、

ホームは引き分け(以上)、アウェイでは、かならず勝ち点3を積む、くらいの戦略でいったら。(もちろん皮肉)

相手の在り方次第、という要素はあるにせよ、

このサッカーを、いつでも、どこででも、フツーに、できるようになればいい。

……以上、グッとココロに迫る今節の勝利は、すなおに喜ぶとして、

ゲーム終了の笛がなると、

疲労困憊からの解放からか、ピッチに突っ伏してしまった佐相。

そこへ、浅川がやってきて、起こしながらねぎらう。

こういうの、なんともいえないなぁ。

では。

ふつうにできるチャンスの日 (大宮戦プレビュウ)

リーグ12戦負けなし、と独走態勢を固めつつあるかのような、アルディージャ。

そこからは、勝ち点で、その半分にも満たない山雅は、

実質、中1日で、その本拠地を襲う。

(といっても、勝率50%以上をキープしているのは、他に 2チーム(たしか、沼津、今治)だけだから、リーグ全体は、混戦の模様)

取り付く島もなく、青天がスッポ抜けたかのような状況で、しかも、アウェイの地……。

決して、破れかぶれでやる必要もないが、

邪心が働かない分だけ、かえって、平静、かつ、集中してやれるじゃんね。

あえて、古巣、古巣と、騒ぐことでもなし。

僕の診立てでは、

大宮は、保有の戦力自体が、指揮能力(ゲームコントロールの采配)をそれほど要しないまま、勝利を積み重ねている。

直近、結局は、2部リーグを凌げなかった脆弱と個の能力が、

かなりシンプルなサッカー(おそらく) を採用することによって、

3部では、さすがに、そのメッキが剥がれないのか。

もちろん、技量差が確実に介在するだろう(向こうが上)にせよ、

大宮には、山雅に対し、特段の対策で臨むような動機も、理由もないはず。

そこにこそ、攻防と、こっちの勝機の鍵が在るわけで。

(チノ氏によれば)山雅が勝てないゲームでは、

かならず、相手の対策を上まわるような手が打てていない、とか。

ならば、今節は、そこの辛さもなく、

かつ、アルウィンの足かせ、アルウィンが望む諸々のマストも皆無。

つまりは、これ以上の好条件は望めない中での、対戦なんです。

で、願うことは……、

連休最終日の、上り線の混雑がやりくりできて、NACKファイヴに、ゲーム前にたどり着けますように。

ただ、それだけ。

では。

さまよう,サマーになる? (2024.5.3 八戸戦レビュウ)

翠滴る(みどりしたたる)の初夏に、

1 – 2 の敗戦……。

負けた鬱屈をまぎらそうとしていることもあって、つまらんダジャレのタイトルを、どうかお赦しあれ。

―あぁ、負けちゃったね、と、一緒に観戦した小学3年生に話しかけると、

― サッカーって、そういうもんでしょ。

おそらくは、山雅、いまの技量だと、勝ち負けが、ほぼ変わりばんこに表われながら、

リーグ最終で、勝ちが、負けを 2~3個上回る星勘定だろうな、と思っていることを、再認識させられた次第。(そのくらいな戦績を良しとすべき、リーグ内技量)

とは言え、

観ていて、危うい〈さまよい〉の気配が、ふたつ。(これは後述します)

萬年、勤務を終えると、前半途中からのご入場でしたから、

ゲーム様相がいまひとつわからない部分もあるけれど、決定機をそれなりに作っていたようですし、一度は、同点に追いたので、もったいない敗戦でした。

2失点目のシーン。

あれ、相手に流れがいっていて、ここで緊張感をギュッと高めるべき場面なのに、そこで、2枚替えをほどこしたのは、いかがなものか?

あの交代で、マークすべき対象の曖昧さと、一瞬のスキ(弛緩)が生まれたのでは?

集中度を落としてしまう、采配ミス、ともいえるタイミング。

他方、ヴァンラーレの勝因は、

68分に山雅を突き放すと、その後、逃げ切る姿勢をまったくみせず、かえって、攻撃圧を強めたことに在った、と思います。

ああいう仕事は素晴らしく、そこからは、謙遜に学ぶべき。

さまよい その❶
チノ氏の表現によれば、
攻撃(重視)、を標榜する、といいながら、

(ここへ来て) 攻撃そのものが、ぼやけてきている

これは、萬年がプレビュウで指摘した〈懸念〉と、ほぼ重なります。

攻撃における定番、というか、ゴールの方程式がみえてこないもどかしさ。

たしかに、浅川の、ねばっこく状況を打開してしまうゴールは、貴重です。

が、スペースを開けておいて、最適な態勢とシュートコースで撃つ、そんなゴールは、このところない。

混戦の中、事故に近いゴールも、1点は 1点、と言えばそれまで、ですがね。

カウンターに特化しない、とすれば、

ピッチサイドを広く使いながら、サイドチェンジを挿し込むなどやって、相手ディフェンスを振りまわさないと、侵入するスペースは、なかなか開きません。

チノ氏によれば、現在、滝 裕太が好調だから、左サイドで、彼と他のプレイヤーの距離感(サポート)を改善して、そこから突破口を開けるべき、という指摘。

山口 一真との絡みのあたり、でしょうか。

あとは、高さ(身長)で優位を獲れない前線を組まざるを得ないのですから、

ロング、または、ハイボールの競り合いに、もっと工夫が必要でしょう。

そういった競合では、そのセカンドボールは、ほとんど(より高身長の)八戸側に渡り、そこから、一気に縦に侵入を許した。

相手の裏を獲れ、といっても、単純な抛り込みでは、屈強な前線でないと、ボールは収まらない。

もしも。

であるからこその、基底からのパスワークで前進する、というのなら、

中盤での、ボランチによるボールさばき、と攻撃的な姿勢を、もっと強打ち出さないと。

67分、山本 康裕が投入されると、そこから、あきらかにボールが回り始めた。

その攻撃意識の高さ、それと、よりボール保持で動き続ける(=距離を稼ぐ)ことで、スペースをみずから開け、かつ、こっちが獲れるスペースを見い出す、そんなプレイ。

米原 秀亮は、そういう部分を身につければ、もっと高身長を活かせるはず。

さまよい その❷
昨日、終了のスタジアム挨拶時。
南ゴール裏からは、けっこう盛大なBOOが、湧き起こった。

このような出迎え、

敗戦時の〈ならわし〉化が、ほぼ定着した感あり。

あれ、メッセージとしては、負けた不満と、鬱憤晴らしのぶちまけに過ぎないから、

萬年からすると、チームとファン&サポーターの結束にヒビを入れる〈効果〉しか生まないでしょう、おそらく。

プレイヤーは最後の最後まで闘っているにもかかわらず、

誰だって、常勝のチームを観たいのはわかるが、

いまの山雅を、一体どれほどのチーム、と考えているのか?

(ここ3部リーグにおける) 大観客による絶対ホームの優位性。

単に、10,000人前後の観衆が在るだけでは、その〈神話〉は決して成立しないことに気づき始めないとまづい。

アルウィンの熔解、ふと、そんな言葉が浮かびました。

では。

いつの間にやら (八戸戦プレビュウ)

明日はもう、せわしいアルウィン参戦。

ヴァンラーレ八戸とのゲームです。

で、その後、中二日で、アウェイの地で大宮と。

ここを乗り越えれば、

5月はあと 2ゲーム、長野県サッカー選手権決勝(5/12)と、ホーム北Q(5/18)。

ゆえに、ここが、ひとつの正念場、と覚悟するだね。

さて、石崎 信弘氏が指揮を執って2シーズン目の、ヴァンラーレ。

氏の流儀は、中盤で圧力を強め、攻守の切り替え素早いサッカー。

現役時代はディフェンダー、ゆえに、やはり堅守なチームを望むらしい。

サイドバックの上下動が生命線となる 3バックを採るのも、その表れか。

……とくればもう、いきおい、機動性を武器にした、カウンター志向型となる。

けれど、こういうサッカーは、いまや、ほとんどのチームがやりたいことなのではないか。

J3リーグで、この路線に乗らないのは、
福島と、今治、そして、時々の山雅、そんなところ。

(2022季の、いわきFC流サッカーのインパクトも、一因でしょう)

大宮(それと金沢) にしたって、ロングボールを投じて前線で勝負、といった趣き。

まぁ、相手のスタイルについては、それなりにスカウティングして立ち向かうとして、

〈攻撃力〉の看板を降ろせない山雅ならば、前線からのプレッシングも、ボール保持による組立ても、すべてをゴールをめざす手段として、これを遂行せよ。

相手の、厳しい前後動への対応としては、センターバックに俊敏、俊足を増して対応しようとしているから、

つまりは、常田 克人にとっても、個人的な正念場な現在。

(ホンネ ☞ すべての山雅プレイヤーにとっては、今が、生き残りの瀬戸際くらいを、望みます、外から、酷なことを言いますと)

ところで。

ここで、懸念を申し上げれば、

ホーム岐阜戦の出来を頂点として、

〈在りたい山雅のサッカー〉には、かげり(=低調)が見えていることも確かであって、

たまたま勝てちゃっているから、見逃されがちなんですが、

このチグハグをどう消化していくのか?

人間、悩みながら退化することだってあるわけですし、

自分たちで、これと決めた軸にいつも立ち戻る、これしかないか。

練習でできないことを、ゲームで表現できるわけもなく、

表出されるべきプレイとしては、

ほとんどオートマティカリイにみえるレベルのチーム内連動、

加えて、パススピードと、サイドチャンジの増強、と診ています。

では。