やはり,中盤でしょう (北Q戦プレビュウ)

寝苦しい夜のならわしで、おかしな夢をみた。

― 安永さん、FC大阪戦前半の、ノンステップシュート、あれ、わざと外したの?

― わかりました?

つき合いなど、もちろんないが、ご本人、洒落のわかる豪胆さを持ち合わせているのかな?

4 – 3 – 3 システムの妙味は、

たとえば、安永が、ペナルティエリアに度々侵入することだと、僕は思っていて、

FC大阪戦ではそういったシーンが多かったので、戦術的にだいぶんこなれてきた感があった。

あとは。

山本がサイドへ出て行って、サイドバックや、スリートップの一員とのワンツーで崩していくとか。

さて。

リーグ前半、ホーム北Q戦では、ゲームが進むにつれて、相手に中盤を思うように使われた(苦い) 記憶があって、

しばしば中盤まで降りて来ては、ボールを捌くと、前へと向かう永井 龍の献身的な姿が印象深い。

よって、あのチームと、今回やるにあたり取るべき態度は、

❶中盤を締めることで自在にやらせないか、

または、❷中盤を省略して(スッとばして)しまう、のいづれかではあるまいか。

ならば、❶の場合は、前述したような、安永、米原の、物事に動じない大胆不敵が求められるだろうし、

❷にするなら、相手をすかすようなロングボール、あるいは、ファーストディフェンスで追い込むことで苦し紛れの前蹴りへ誘う、そんな戦法だろう。

失点数は、前節のFC大阪レベルで、

ボール保持にはこだわらないが、パス使用度合は、リーグ6位(山雅☞ 11位) のギラヴァンツであることから、

山雅は、前節と似かよった戦術を濃厚に織り交ぜてくることを予想する

 

……などと考えながら、前節対宮崎戦のハイライト動画を観ると、

永井がコーナーキックから、相手ゾーンディフェンスの前方でハイジャンプ。
ヘディングを、それはそれは見事に、後方へと叩き込んだ得点で勝利している。

なんだよ、アルウィン、後半アディショナルタイムの、そのままデジャヴとは……。

思わず失笑してしまった!!

そうか。

北Qは、全得点の 35%をセットプレイから獲っているのだ。

だとすれば、こっちの方こそ、セットプレイ、ロングスロウを大切にしなければならない。

そのためには、

相手守備が、ゴールライン、タッチライン奧へとクリアせざるるを得ない状況を創りだそう、ぜひ。

では。

三つめの勝因 (FC大阪戦レビュウ❸おしまい)

(おさらい) 勝因のひとつめ、ふたつめは、

❶終始攻撃的な姿勢、ファイティングポーズを保って戦ったことで、苦しい時間を凌ぎつつ、ゲームの趨勢を、こっちへと繋ぎ止められたこと。

❷リスタートとその時間を、丁寧、狡知に(アタマを)使うことで、やはり、ゲームの流れを渡さずに済んだ。

さらに、みっつめ。

ナイトゲーム、涼感、といったことに助けられもしたんでしょうが、

❸それは、山本 康裕が、フルタイムでピッチに在り続けられたこと、だと診ます。

彼、初期的には、2列目の右に配されている。

が、適時。

左サイドへ貼り出すと、サイドバックとの連携をしたり、相手のサイド侵入を寸断する、など攻守に効いていて、

これが、チームの攻撃的姿勢におおいに貢献。

相手がパワーを強めるゲーム終盤にあって、

交代したフレッシュなメンツら(滝、佐相、前田) による追い込みと同じくらいに、相手の勢いを阻止した。

終わってみれば、ボール保持は、 山雅 42、大阪 58。

たとえ大阪がボールを欲しがった事情があったにせよ、ほぼ、こっちの注文とおりにゲームを進められたのではないか。

前半のアウェイが、山雅 48、大阪 52 のどっこいどっこいだったのを考えると、

今節のサッカーには、相当に〈工夫の跡〉が感じられる。

最後に。

FC大阪のプレイヤーたちの、ジャッジに対するアピールには、板についた執拗さが在った。

相手ファールを求める、採られたファールへの不満、あるいは、オフサイドの訴え等々。

こういうのは、ゲーム帰趨や勝敗とは紐づけできないだろうが、どうなんだろう?

僕など、ファールが多い方から4番目が、少ないほうから3番目に対し、よく言うよ、と思って観ていた。

ゲーム自体は、ファールは少なくクリーンだったが、

これは、大阪にかなりボール保持が傾いたためであって、

イエローカード 3枚は、確信犯的。

かつ、貰ってシャァシャアしているところは、ジャッジの心象を悪くする、と思う。

山雅のプレイヤーには、あまりやってもらいたくはない、アタマの使い方ですな。

では。

堅守,のカラクリ (FC大阪戦レビュウ❷)

あらかじめ断っておけば。

山雅の、パスの駆使度合いは、

せいぜいリーグの中位、であることを忘れてはいけない。

次々節、ホームで福島(リーグトップ)と対戦したら、それがハッキリするだろうが、

相手のサッカーをどうやってはぐらかし、ボールを前へ運ぶのか?、が大命題であって、はじめにパスがありき、ではないはずだから、

そこを見落とすと、スタイルばかりをあげつらう狭隘な議論になる。

持てる武器をすべて使って相手ゴールに迫る、それでいい。

その中で、ボールを手中にすれば、主人公になれる可能性は、より高い(だろう)。

(もちろん、これ、観ている側の論理なんで、やっているプレイヤーはどう感じているか?、は正直わかりませんが)

さて、今節の対戦。

ロングボール、ロングフィードを多用したのは、ひたすら、

大阪の前線に仕事をさせない、それを無力化する狙いだった、と診ます。

つまり、FC大阪の〈堅守〉(リーグ最少失点) の源は、

前線のプレイヤーが、活発に動くことで、相手の攻撃を押し込む、

あるいは、その前進(の速度)を削いでいることに由来(=依存) する、という事実! に着目したのだ。

大阪センターバックの優秀性に異論はないが、

そこで、相手攻撃をすべてストップしている、という訳でもなくて、

#10に顕著だったように、あれだけ、アジリティ(俊敏)と、俺がなんとかしてやる的な気概あるプレイをしてくれれば、守備態勢を採るのにも(時間と心理的)余裕が生まれるだろう。

だから、山雅のやりたかったのは、

大阪の前線に、思うような仕事をさせないことによって、相手の守備力を減衰させることだった、と……。

そして、相手守備に、時間的余裕を与えないため、

ロングなボールを、クロスカウンターの武器として使ったのが、ミソ。

34分の浅川による 2点目のシーンが、その象徴で、

あれは、直前に山雅によるショートコーナーがあって、

そのクリアボールを、大阪プレイヤーが、ロングカウンターを仕掛けるべく、猛然ダッシュする。

すると、ゴールキーパーの大内が、敢然と駆け上がると、相手がボールをモノにする寸前のタイミングで、前線に蹴り込んだボールが、浅川に渡ったのだった。

1点目も、大内のロングフィードが起点になっているから、

この日の、萬年的MVPは、大内 一生でよろしい、かと。

チノ氏は、最終ラインのコントロールの功によって、野々村 鷹人を、推していたので、

当夜の山雅の攻撃性サッカーを、守備陣がキチンと支えた事実は、重く大きく、グッジョブでした。

……、以上、堅守は攻撃性に、攻撃は頭脳的守備に、といった連動性の話でした。

では。

総力戦でつかんだ勝利 (2024.7.14 FC大阪戦レビュウ❶)

2 – 0 の勝利。

シュートを 相手の倍、20本は浴びせることができたので、

前半のアウェイ対戦の復習 (復讐ではない)を、ひとまずキチンと終えた、としておきましょう

しかも、ほぼ、僕の期待したサッカーだったから、評価は高い。

ロングスロウを織り交ぜ、(正攻法が多かったが) コーナーキック(セットプレイ)にも、時間をかけて丁寧に。

今節、基底からの組立てより、もっぱらロングボール (ロングフィード)を多用したのは、FC大阪のスカウティングにもとづくんでしょうが、

これは、レビュウ❷で触れるとして

勝因として大きかったのは、

ひとつ。

24分、浅川先制点のシーンで顕著なんですが、

チャンスには、ペナルティーエリアに 4~ 5人が侵入していた攻撃性を、終始貫いたこと。

ふたつ。

先制して、2点目(34分)までの約10分、それと、後半開始からしばらく。

この時間帯は、FC大阪に攻撃のリズムが生まれ、流れが相手に傾く。

ここで、球際への寄せ、挟み込んでの奪取、スカシたクリアなどを駆使してそのリズムを消沈させることに成功。

執拗なマークは、たとえ、ボールを再奪取されても、攻撃の腰をおることはできた。

つまりは、

体力(走力)はもちろんとして、ゲームの勘どころを察知する頭の回転が止まらなかったということでしょうか。

なんと、ありがたいことに、ゲーム中だけは降雨なし。

と天候も味方につけての、総力戦でつかんだ勝利でありました。

では。

なんでもあり,なんだから。 (兼 FC大阪戦プレビュウ❸)

何人ものロングスロワーを試す山雅ならば、

勝つためには、持てるものをすべて動員する思想でやっているはず。

そこで、日頃感じる、素人の提案を少々。

❶レンタル終了 1名、レンタル開始が 1名で、計ふたり減。

他人の財布の中身も知らないでいて、補強補強~と騒ぐほど、僕は厚顔でもないが、

そもそも現有の所帯だと、(怪我は茶飯のことだから) チームトレーニングに支障があるだろう。
いつも飯田CB2を引っ張り出してくるわけにもいかないだろうし。

ただ、そう思う一方で。

戦術にミートしないのかは知らぬが、いまだ十分に活かされていない戦力がありそうな気もする。

個人的には、(何故か) 今季は特に、4を含む数字を背負ったプレイヤーの活躍が〈鍵〉だと思っていて、高橋などは、もっと実戦で観たいところ。

❷大阪戦では、セットプレイがポイント。

ならば。

相手ゴールから30mあたりで獲たセットプレイは、ズラッと並ぶであろう大阪守備ラインの裏をかくような、

サイド奥にボールを出して、マイナスの折り返しを入れる、そんな策もつかったらどうか。

上図では、赤く示した動線(ボール&プレイヤーの)がそれで、フツーだと、緑点線のハイボールを常田らが折り返している。

相手が設定した防御線に、律儀につき合うルールやマナーがあるわけでもないし、得点率のデータが高いからやっているのか?

あるいは、やられたら、それがいちばん怖いからやり返している?

(こういう場合、最近の山雅が守備ラインを高く保つのには賛成、かなり勇気が要るとは思うけど)

❸かりにサイドから仕掛けるのなら。

フリーであれば、外からただちにクロス投入も否定しないが、

上図の赤斜線で塗ったスペースを使って、ここへ侵入してから、マイナス気味にゴール正面へとボールを運ぶようなことをしないと、中央を固めた相手守備は、なかなか崩せない。

(讃岐戦、相手のオウンゴールを誘った安永のプレイが、ほぼそれに匹敵する)

(山雅の)攻撃サッカーが、おそらくは相手のアタマに刷り込まれているので、

サイド攻撃はタッチラインへ追い散らしたいだろうし、かつ、真ん中こそスペースを消しにかかるだろう、たいていの相手は。

沼津戦の2得点の時は、

沼津ディフェンスがボールホルダーに引き寄せられて、結果、赤斜線のスペースをケアしていなかったことが大きい。

外側から強引にミドルと、ペナルティーエリアの外縁方向へ斜めに侵入する手法、これは両方使ってこそ、双方に効果が生ずるにではあるまいか?

……以上、まさに、釈迦に説法のおはなし。

では。