永遠の ヒロ。

― ねぇ、昨日、京子さんからメールがあって、高崎がゴール裏に来た時、泣いていたって。
どういうことなの?、と思ってたんだけど……。

試合の翌朝、家人が、出し抜けに問うてきた。

ご伴侶のブログを読んでさえいれば、不可解なこともなかったのに、と思いながら、

― この秋、ヴァンフォーレに加入したのよ、ヴェトナムから帰って来て。
昨日のゲームでも、終盤に投入されました。
ゲームの締めを託される格好で。
自分が、なにをしたらいいのかわかっている仕事ぶりです。

ゲーム後、アウェイゴール裏に挨拶に来たんでしょう、そのあたりを歩いていたら、拍手が聞こえてきましたから。

― 高崎が加入したシーズン始まる前の練習で、わたしゃあ、これは別格なプレイヤーだと思ったのよ。その動きが、他と全然違っていて。

彼が在籍当時のゲーム中、自分にボールが出ないと、けっこうな剣幕でチームメイトに要求していた高崎を観て、

― 高崎って、文句ばかり言っているわね!、と文句タラタラだったことも忘れて、いまや、ずいぶんと評価が高いのでありますな。

そりゃあ、そうでしょうとも。

今の山雅では、なんでこっちへボールを寄こさないんだ!、ってチームメイトに強く迫るシーンはほとんど観られませんから。
セルジ―ニョぐらいでしょう、せいぜい。

そこなんですよね、そこ。不満なのは。

相手プレイヤーの陰に入るようにしてボールから逃げている、あるいは、競ってパスコースに入って来ないようじゃあ、山雅のエンブレムが泣いてます。ったく。

……、甲府での背番号が#29。

あくまでストライカーの〈9〉にこだわる男。

ひょっとしたら、ヒロのカムバックはありかもよ、と思いたい、この頃。

では。

キャプテンは誰? (甲府戦レビュウ)

2 – 3 の敗戦。

せっかく2度も追いついたのに、もったいないゲームを落としました。

3失点目は、前に指摘したような一瞬の〈虚〉を衝かれる格好。

デイフェンスの横のラインが乱れてしまうので、ひとりがかわされると、次の対応が遅れ、相手にフリーな状態で入って来られてしまう悪癖。

佐藤 和弘の欠場で、キャプテンマークは誰が巻くのか?、興味があって、
遠目では、フィールドプレイヤーではなさそうだったんで、GK圍 謙太郎だったんでしょうか。
コイントスも見逃してしまいました。

実は、これが僕の中の伏線。

80分からの4分間で、双方が2点づつ、計4点を獲ってしまう展開になれば、観客席は盛り上がりますが、
同点にした側からすると、そこでゲームを落ち着かせたかった。

ピッチ内で、なかなかキャプテンシーが効かないような、今季を象徴する成り行きになってしまったのが残念でした。

3 – 4 – 3。

セルジ―ニョを前線に押し出すように配するスリートップは、ファーストディフェンスにも精力的で、なかなか良し。

やはり前 貴之の復帰で、要所要所に安定が生まれています。

甲府は、ボールを手中にしてからの動き出しで速いプレイヤーが目立ちましたが、連携するボールの速度は山雅が上回っていて、チームとしてのプレイ速度をかなり上げて来たことがうかがえる。

これはひとつの達成として、喜ぶべきでありましょう。

ヴァンフォーレのシャドウ、FW宮崎 純真は、幾度も、こちらの右サイドで脅威になっていて、ドリブルを武器に切り込んでいくタイプ。

彼のプレイをみていて、来季もしも残ってくれるならば、田中パウロ淳一はフォワード登録をして、そのタレントを目いっぱい活かしたらどうか?、などと夢想していました。

全体として、チーム、プレイヤーは奮闘した好ゲームだったと評価。
特に、下川 陽太は良い出来。

さて。

沈みゆくタイタニックにあっては、もはや船底の穴を塞ぐ作業、つまり、ディフェンスの整備をしている時間はなくなって来ているので、この先は、必死に水を掻い出す、要は、点を獲りに向かうしかないのかなぁ?、と思いつつ帰途に就いた、甲斐の晩秋でした。

では。

やりくりを楽しむ (甲府戦プレビュウおまけ)

Jリーグの公式サイトをみたら、

田中パウロ淳一の 通算200試合出場まで、あと1ゲーム。

よしよし、と思いながら別記事に飛んだら、

今節、佐藤 和弘と河合 秀人のふたりの、黄カード累積による出場停止を知る。

それなりのやり繰りに悩む首脳陣はともかく、前プレビュウを、少々訂正しておかねばならない。

冒頭から攻撃的に飛ばす姿勢で、となると……、

❶小手川 宏基をシャドウ起用して、セルジ―ニョと並べる。

❷その場合、アンカーは、安東 輝。

ワンボランチでやる理由は、3 – 3 – 2 – 2 で、ツートップとしたいからなんだろう。
ところが、最近の山雅公式で次節ゲームの〈顔〉に使われるプレイヤーは何故かそこで出場がないので、今回、伊藤 翔の先発はなし、と勝手に踏んで、(負傷が癒えていれば) 榎本 樹のワントップ。

となると、ダブルボランチで、安東と、平川 怜。(前 貴之に含みを残しながら)

鋭い縦パスを通す、ということでは平川に期待するところ大なる萬年。

ただし、これ、前線のプレイヤーとの意思疎通がないと成立しないシーンなんでありますけれど、こういうチャレンジを多くしなくちゃあね。

しっかり構築された守備陣形の外でいくらボールを回したところで……、という光景には食傷気味ですから。

先発とベンチメンバー、さて、お楽しみ。

では。

見果てぬ夢を追う者同士 (ヴァンフォーレ戦プレビュウ)

今節の対戦相手、ヴァンフォーレは、現在 4位。
昇格枠の 2位に入る可能性は、まだ消滅していない。

けれど、それはあくまで、数字上のことであって、
京都と長崎(3位)がよっぽどの下手を踏む条件の下、自身は、すくなくとも、3勝以上しなくてはならないから、限りなくむづかしい。

他方、我が山雅、数字的にはネヴァーギブアップな、残留戦線上には在る。

が、いままでの勝率からすれば、これから3勝は、虫のいい話でおぼつかい。

となると、〈それぞれが昇降格のかかった落とせない決戦〉とでもメディアは煽るんだろうが、そこそこの緊張感は必要だけれど、あまり〈決死〉に傾き過ぎてもどうか、と思う。

今有する武器を最大限に活せば、その先には勝利が在るはず、それぐらいの意気込みでけっこうだ。

4月(第8節)の対戦以降、ヴァンフォーレのことなどカマっている余裕など、当方にはなかった。

加え、それなりにいいチームなんだろうが、ほとんど華を感じないこともあって、とにかく情報に欠けて、まぁ、知らないチームになっちゃった。

しかも、事前にその戦いぶりを確認しようとする気も、まったく起こらない。
困ったものです。

せいぜい、前回対戦では、こちらの右サイドを何度も切り崩した、FW泉澤 仁は好調なのか?、とみてみたら、アキレス腱断裂(9月初頭に)で長期の戦線離脱、と来たもんだ。

とは言え、泉澤を欠いてからここ11ゲームで、8勝1分2敗。
上位を猛追しているのだから、もはや、彼がどうのこうのチームではない。

アルウィンでも2得点した、MF長谷川 元希、あるいは、FW宮崎 純真のブレイクが、その穴を十二分に埋めているのだな、きっと。

それに、甲府のお家芸である、稼働率良き外国人プレイヤー(FWウイリアン リラ)の活躍もあるだろう。

ヒロこと、高崎 寛之の加入は、まぁ、保険をかけたようなものなのか。

……、でも、ここまで来たら、甲府対策にビクビクしても始まらない。

こっちは、なにを、自分への信頼の根拠にするのか?、が大切。

❶布陣、先発は、前節そのままを踏襲で。

前 貴之の復帰がやはりアウトなら、セルジ―ニョ、河合の共存時間を長くしながら、小手川 宏基あたりにどう繋げるのか。
要は、ボールを前へ前へ動かしながら時間を創る。
2列目から前のプレイヤーが、できるだけ高い位置で仕事をする。
中盤はあくまで強度を満たして、狩る。

後方でチマチマと、相手からは予測可能な、フロム足許ツー足許の、ボール回しに終始したところで、たとえば、セルジ―ニョが降りていってそのボールを捌くようでは、非生産的です。

縦の鋭いボールを多用しないと、甲府のディフェンス陣は崩せそうにない。

❷全得点の中で、セットプレイから、が50%近くの比率になっているはず。

これ、優秀なキッカーを抱えるということもあるが、やはり、空いたスペースに人とボールがなだれ込むような形での得点力が貧しい、ってのが真相。

プレイスキックの場合、すべてのプレイが止まることで走力差が帳消しになりますから、アジリティ不足も棚上げにできるわけ。

だから、センターライン後方であっても、獲得したフリーキックは、ペナルティキック内で勝負!、でしょうね。

このゲーム、セットプレイ、ディフェンダーによる得点で決まる気がします。

持てる手立てはなんでも総動員、でやってみて、結果(=勝利)を求める。

それが、来季へとつながりますから、きっと。

さて、何枚用意されたチケットかは存じませんが、既に完売とか。
山雅ファン&サポーターの熱意のたまものか?

萬年、希望した席が取れず、おそらくはホーム観客に紛れる格好で、大人しく観戦となりますけれど、こういう環境こそ、ココロの裡を熱く燃やせる絶好機。

懐かしのイツモアでお昼を買い込んでから、中銀、否、JITスタへ向かいますか。

では。

熱いココロ,醒めたアタマ (新潟戦それから)

― 降格を、まるで瀕死のことのようにガタガタ言っているのは、山雅のことだと見境がつかなくなるような、ほんの一握りなんじゃあないの?

……、とは娘の言葉。

ポール サイモンじゃあないけれど、惚れ込んでしまうと、クレイジーにもなるだろう。(Still Crazy After All These Years)

2年前にはJ1に居た山雅が、まさかこの位置で苦しんでいるとは!、といった論調もあって、それはそれで、ありがたいお言葉。

けれど、ここ数年で J1に2度上がった、とは言うものの、1シーズン限りで即降格。
とてもとても、トップリーグのチームとしての風貌を得たわけでもない。

だから、2部にあっては、そこそこの上位に居ていいチームが期待はずれの降格圏に、が正確なところ。

いや、2部に居たって、毎年、毎ゲーム、アップアップでやって来たのだ。

この大変な時だからこそ、俺が行って応援しなくちゃあ、とアルウィンに足を向けるお方が、いまだに 7,000人超。
某公共放送でオンエアされたにもかかわらず、だ。

こういう方々は、山雅がどのリーグに参戦していてもやはり、現場で後押ししてくれることだろう。(もちろん、この規模がそのまま続くとは誓えませんが)

なぜなら、大方のファン&サポーターは、時々における山雅の不足と苦悩の中身を理解していて、それを克服した光景を見届けたい、と願っているからだ。

さて、新潟戦の引き分けによって、落ちる確率は、95%くらいには高まった。

でも残りゲームがあって、そこに数%でも可能性が在るならば、ココロ熱く共闘するのは当たり前。

でも、他方、アタマのどこかで醒めていて、チームの現状や行く末を見つめることも、必要。

何故かというと、参戦リーグが下ればクラブ存亡の危機、なんていう単純な考え方の裏返しとしての、J3 であれば無双できるだろう、という見込みもまた、妄想だから。

まして、J3を、〈底〉と言っているようでは、しっぺ返しを喰らいますよ。

現況の戦いぶりだと、J3リーグだって簡単には乗り切れないだろう。

だからこそ、残り4ゲームは、シーズンの区切りや総括として、チームの集大成をこそ、目指すべきでありましょう。

それが、来季どうなろうとも、プラス要素になって戻ってくる。

J3になったら、すべてご破算にできると思うのが見当違いであって、しかも、クラブにかかわる全員がお手上げのバンザイをしないかぎりは、山雅は続いていくのだから、次なる手も着々と備えないと。

精神論を全否定はしませんが、オール オア ナッシングの考えは、クラブの生存と存続を危うくする。

ですから、新潟戦。
ゴールキック19本と何本かのフリーキックにおいて、割り切りの徹底をみせたことを評価するとともに、ゲーム後、左足をきっちりとアイシングしていた榎本 樹の予後を、ずいぶんと心配しているのです。

これだけ頭角を現せば、どこかからお声がかかりはしまいか?、というジレンマを感じつつ……。

では。