居残り感の 不思議 (鹿児島キャンプ イン)

いろいろと一段落する日の入り頃に、山雅公式ページを確認したりしているけれど、

リリースされて数分後の動画に、すでに数百人がアプローチしている。

こういう熱量、誰が誰に誇ることでもないが、開幕前の期待感が高まっているんでしょうね。

昨日から、鹿児島キャンプがスタート、来月6日まで、3週間の長丁場。

チームとスタイルが巧く仕上がることを望むわけだけれど、明後日にはトップチームが開幕するなか、どうしても、独り居残り、の印象が強くてやり切れない部分がある。

だいたいが、仕上げに向かっての確認作業であるテストマッチは、どことやるのか?、とか要らぬ心配が頭をよぎってしまったりして。

せめて、鹿屋体育大学さんクラスとやらせてもらえるんだろうか?、とかね。

3部に居て開幕に備えるというのは、こういうことなんだ、とはじめて知る、これも学習なんだろう。

こうなったら、三遊亭 圓生 (六代目 1900~1979年) の『居残り佐平治』でも聴いてみようか。

古今亭 志ん朝 (三代目 1938~2001年) のやつもいいが、あれは巧過ぎて、むしろ心地良い軽妙さに流されてしまっていけません。

と、ここまで来たら、居残り佐平治のスジを取り込んだ、映画『幕末太陽傳』(1952年 川島 雄三 監督)へと、ひとっ跳びしたくなる。

南田 洋子の秀麗さが懐かしくなる春の雪……、とか言いながら。

では。

臨戦 2022 ❿ (いくつもの春……この項終り)

30歳で、中美 慶哉が選手生活から引退か……。

2018年、アウェイ大宮戦(逆転勝ち)では、レッドカードで退場、散々だった彼。

帰途のパーキングエリアでたまたま逢った際、励ますつもりで声をかけさせてもらったが、その時の、茫洋とした趣きが、今も、思い出される。

山雅にとって、流経大卒の系譜の、重要なプレイヤーだった。

次なる人生航路の無事を祈ろう。

ヴェルディでは、阪野 豊史が練習試合で、アキレス腱を断裂してしまった。
全治6箇月。
10月でシーズンが終わる2部リーグでは、シーズンのほとんどを棒に振ったに等しく、言葉も出てこない。

Kリーグ2部へレンタル移籍のゴ ドンミン。
母国で名を挙げてから日本に凱旋、ってもんでしょう。

これで、案の定、ゴールキーパーは、4人体制になった。
3部リーグでは、従来以上にGKのパフォーマンスが問われると思うから、レギュラー争いが、ますます熾烈なることを期待する。

今季のチームを見回してみると、1993年生れ前後のタレントたちが、もっと存在感を増してこそ、ヴェテランと(準)新卒組両方に、ある意味、喝! が入りそうな予感。
そんな視点でゲームを追ってみたい。

さてと、リーグ開幕まで、ほぼ一箇月。

ご贔屓のチームを昇格圏内にすえておいて、残りのチームを適当に並べるような、厚顔な順位予想。

いままで、こういうのとは一線を画するつもりで、それなりの基準を採用しながら毎年遊んできましたが、未知のリーグということもあって、今季は止めにします。

まぁ、クラブもファン&サポーターも、悲観的に、つまり、相当の覚悟を持って準備し、始まったら楽観的に打って出る、これでいきましょうや。

では。

臨戦 2022 ❾ (要は ボールの運び方)

〈まづは 得点〉
たとえ、昨季失点が71、の無惨な地点から始めるにせよ、

底が抜けたバケツのようなズサンな守備を是正するにせよ、

今季の最大課題は、得点力の底上げ、これに尽きると思います。

いくら守備が良くたって、点を獲らなきゃあ勝てないわけで、過去の山雅、得点力が低いゆえの堅守構築だった、と思う。

たとえば、2部で優勝した2018シーズン。

総得点は、54 で、これは、リーグで、第10位だから、平凡。

でも、失点は 34 で、断トツのリーグ最少。

要は、そのバランスで、しぶとくトップ獲りが叶った。

それからの 3シーズン、得点力はたいして上向かないまま、他方、失点力!が倍加したのが、昨季の惨状。

比較的速い攻撃、身体的優位性をそのまま活かす戦法が、印象に残る 3部。

だとすれば、対人マークを厳しくやることと、ゴールキーパーの位置取りとセーヴィングの緻密さ、これは要諦でありましょう。

だから、守備は、とことんそこらに注力するとして、あとは、攻撃に傾注。

ボールを、徹底して手中にしながら前進するサッカー、それを狙う。

行って帰っての頻繁なサッカーに、いいように胸をあわせていてはいけません。

絶対優位で勝ち抜くには、ほとんど相手陣内でボール保持するサッカーでないと、複数ゴールは遠く、ゴールに近い位置でのプレイスキックや、コーナーキックの獲得チャンスも少ない。

(註 : 萬年の頭の中は、カウンター攻撃在りき、ではないから)

〈攻撃力強化の……与件は〉
❶オーソドックスな指揮
昨季、就任以来の通算戦績は、23戦して、3勝6分14敗。
敗戦のうち、無得点のゲームが11。

ただし、ラスト6戦は、得点できるようにはなった。

この戦績と実戦観察から、現監督が、とってつけたような戦術には走らず、けっこう王道的、正攻法的な戦略を採る御方、と診ている。

たしかに、その成果はゲームを追うごとに現われはしたが、タイムアウト、というのが先季。

勝ちを獲るため、なりふりかまわぬ奇策は弄さず、という信条。

ならば、いまは、チームをいじめ抜いてもらって、二次キャンプで戦法の詳細な落とし込み、という手腕を期待するのみ。

❷ドリブルを減らせ
ゲーム平均のドリブル数は、リーグ第6位で、けっこう多かった。
これには、ドリブルが得意なタレントが配された事情もあるだろう。

ただし、ピッチの縦(およそ100m)を3等分して、相手ゴール側の30mのエリアへの侵入回数をみると、山雅はゲーム平均、リーグ第18位でかんばしくない。

乱暴な観方をすれば、低い位置からドリブルを始めても、あるいはピッチ中盤でドリブルしたところで、脅威にはならない、ということ。

ドリブルを得意とするならば、その強みは、より高い位置、相手ゴールにより迫った位置から仕掛けてナンボ、と割り切る。

どうでもいい場所での、場所からのドリブルはもう止めて、ペナルティエリアに近い場所で、それを発動しよう。

❸そのためには、陣形を上げよ
あまりにシステムにこだわるのもなんだけれど、
初期布陣を、4 – 2 – 3 – 1とする。(守備時もほぼそうなる)

で、前へ向かう時は、3 – 3 – 3 – 1 くらいにしてしまう。

つまり、センターバック2人と、基底に落ちたボランチ1人で、最終ラインを構成。

サイドバック(守備の両端)の2人は、縦関係で上がっているもうひとりのボランチと並ぶような格好で、高くワイドに。

シャドウ(2列目)には、3人を配するようにして、攻撃参加の枚数を確保。

最後は、センターフォワードが1人、……、という態勢、ではどうか。

これだと、いままで3バックでやってきたことと親和性を保てる。

あえて個人名を挙げれば、佐藤 和弘と榎本 樹はシャドウ要員として攻撃力を活かす。

ボランチも含め、とにかく高い位置から勝負、これを観たいなぁ。

では。

臨戦2022 ❽〈堅守〉〈速攻〉をセットにするな。

堅守と、速攻と。

失点の少ない堅い守備と、相手が守りの態勢を整える前に切り裂いてしまう速い攻撃。

すべてのサッカーチームが、それをモノにしたいに決まっているスタイルといえましょう。

ただし、このふたつを続けて〈堅守速攻〉と言った場合、どうやら違った使い方になるらしい。

つまり、カウンター攻撃を身上とするサッカースタイルのことのようだ。

要は、万全な守備網を敷いておいて、相手が持つボールを奪うところからカウンター攻撃を発動、そのままゴールへと結びつけるやり方。

で、カウンター攻撃にはふたつあって、
自陣深いところから始めるロングカウンターと、相手陣内に切り込んで高い位置からボール奪取して発動するショートカウンター、の違い。

ちなみに、年を追うごとに、山雅は、ショートカウンターを採る比率が高まっている。

長年親しんだこともあり、また、いざ反転攻撃 ! 、となったらアドレナリン放出でココロ湧き立つから、スタジアム熱狂効果は、実に申し分ないのでありますが、

さて、今季ひとつ下部のリーグで戦うに当たり、このスタイルをそのまま踏襲するのかどうか?

これ、けっこう重要な選択、と思っています。

現在チームが創り込んでいる青写真もあるだろうし、原点回帰といったタテマエもあるんで、堅守速攻に期待が集まるような気がしますが、

萬年としては、ボール支配を高めておいて、能動的に相手陣内を侵攻するようなサッカーを期待したい。

もちろん、ゲームは相手があり、状況に応じた変幻自在さで対処することは大切。

いつでも、Bプランを発動できる機敏さ、といえばいいのか。

でも、ですよ。

このリーグに最短でオサラバしたいのであれば、みづからがゲームの主導権を握るくらいの、強烈なサッカーをすべきでありましょう。

あくまで、ボール支配にこだわり、相手を押し込んでゴールを奪う。

いまのメンツならできる、と思うんです。

リーグ固有の戦い方に慣れるのはいいとして、決してそのサッカーに馴れてしまってはいけません。

ファン&サポーターにしても、3部リーグにはどこか居心地の悪さを感じて、チームと共闘したい。

このリーグを見下すわけでは決してなく、山雅の、クラブとしての総合力からすれば、安住すべき場所ではない、ただ、それだけ。

今年培ったサッカーが、来季2部リーグで更に成熟させる、そこまでを見すえたヴィジョンでやりましょうよ、この際。

では。

臨戦 2022 ❼ (帰還の余波…)

― こうなったからには、早速、あのリボンマグネットをつけないと、と家人。

― あぁ、あれね。
でも、画像がなんとも美しくて繊細なんだよね。
それをさ、風雨にさらすのも、なんだか気がすすまないなぁ。
願わくば、ラッピングしたままでどうかな?

― なに、言ってんの !  、と、とてもご承知なさらぬご様子。

― そうね、では、ホームタウンのアルウィン参戦時にご装着、ということで。

と、妥協案を持ち出しているんです。

いまのところ、マグネットリボンは、拙宅の冷凍庫のドアに貼ってあるんですが、レジェンドは、鄭重に扱われないといけません。

そうは思いませんか?

では。