
1 – 1 のドロー。
8,000人近いホームの後押しの中、先制したものの、セットプレイから失点。
それでも、なんとか同点で凌ぎ切った、というのが、山雅の力量マックス、と思っている。
ゆえに、引き分けは残念だが、かといって、勝敗のことでチームを責める気にもなれません。
もし、勝てなった不足を云々するならば、
別にこのゲームに限ったことでもなくて、ひょっとしたら、シーズン前キャンプにおける身体作りのあたりから、その根っこをひきずっている感がありますね。
これだけ、相手の速い攻撃に追いつけないわ、たやすく入れ替られるわ、といった、スプリントやトップスピードの欠如をみせつけられると。
もし、足の速さが無いならば、他の方法で攻撃を潰す技量を身につけないとなりなせんが、それをすぐに期待できそうにもない。
僕の胸算用では、今節、および次節甲府戦は、引き分けがせいぜいで、ひょっとして勝てれば、というところ。
なので、そこそこよくやったゲーム、という評価。
〈希望どおりの采配〉
プレビュウで注文したとおりでした。
町田戦ラストのほうのメンツを、ほぼそのまま先発に持ってきた指揮官には大いに賛同です。
まぁ、そうなるよね、ということ。
直近の実績からすれば、榎本 樹を先発させなきゃあ背信でありましょうし、セルジ―ニョを欠けば、ボールは効果的に動かないでしょう。
佐藤 和弘による先制点(4分)も、榎本がその前、3回ぐらい連続してボールに絡んでいて、ある意味、彼がアシストしたようなもの。
ムダにサイドに流れてしまわずに、中央に入ってきて存在感を魅せるフォワード。
こういう仕事は、久しぶりの光景です。 (北ゴール裏同志チノ氏の評)
榎本を入れることで、ゴールキーパーからのフィード方法がおのずから決まり、敵陣で、ボールが手に入るようになった。
そして、3 – 3 – 2 – 2 として、佐藤をワンボランチに置いたのが、けっこう効いた。
これで、ツートップと、その下に、3人が自由に動くという構図ができて、前半からゴールの匂い漂う、迷いなきサッカーが遂行できました。
ただし、セルジ―ニョに替えるならば、小手川 宏基でよかったようには思う。
で、お決まりの失点シーンですか?
後半はじまって早々の、セットプレイからの。
あれ、わざと壁に間隔をつくって、そこにシュートコースを誘っているんだから、律儀に皆がジャンプしなくとも、とは思うけれど、
そもそも、まさにあの位置でプレイスキックを、2度も与えてしまうのはいただけません。

ここでは、ファールを誘う切り返しや、テンポ良いボール回しに長けていたと、アルビレックスを称賛しておきましょう。
チームとして求められるパススピードや、自分に向かってくるボールの速度への対応もあるんでしょうが、プレイヤーの身のこなしは、チーム内で伝染するんだなぁ、と新潟というチームをみていて、感心していました。
さて、依然解決されない課題は、相手に主導権が渡った時間帯、その腰を折ったり、どこかでハッとするプレイをかまして、こっちへ流れを引き寄せる工夫のなさ。
チームメイトに活を入れるプレイ、と言ったらいいのか。
でも、今回は複数失点を回避できたんで、うまく凌いだほうかしらん?
最適解とは、しだがって、ほぼほぼ今の精一杯、ということ。
〈無責任を いまだ引き摺る〉
それと、これにはチノ氏も激怒していたが、終盤、攻撃圧(パワープレイ)を継続中に、敵陣内で獲たスローインに対し、誰も貰いにいく、あるいは積極的に相手を振り回すような動きをしないシーンが在った。
こういう無責任はまだまだ散見されて、そのため、プレイ中にフッと〈虚〉が生まれる。
そこを衝かれてパスを1本通されて命取り、はもう勘弁です。
チームのため、もっと自分を使うプレイヤー、そういう者だけでゲームをやってもらいたい。
最後。
レフェリーの笛について。
彼なりの判断基準があって、しかも、それにはかなりプライド有り、とお見受けしたが、ファールのジャッジが、痛み方、転倒の仕方に大きく左右されているような印象であった。
したがって、吹かれる笛が、すでに次のプレイに移っている後からになって、おそろしく遅い。
ファール有無の査定は、あくまで発生の機序に即するべきだと思うんですがね……。
では。