やりくりを楽しむ (甲府戦プレビュウおまけ)

Jリーグの公式サイトをみたら、

田中パウロ淳一の 通算200試合出場まで、あと1ゲーム。

よしよし、と思いながら別記事に飛んだら、

今節、佐藤 和弘と河合 秀人のふたりの、黄カード累積による出場停止を知る。

それなりのやり繰りに悩む首脳陣はともかく、前プレビュウを、少々訂正しておかねばならない。

冒頭から攻撃的に飛ばす姿勢で、となると……、

❶小手川 宏基をシャドウ起用して、セルジ―ニョと並べる。

❷その場合、アンカーは、安東 輝。

ワンボランチでやる理由は、3 – 3 – 2 – 2 で、ツートップとしたいからなんだろう。
ところが、最近の山雅公式で次節ゲームの〈顔〉に使われるプレイヤーは何故かそこで出場がないので、今回、伊藤 翔の先発はなし、と勝手に踏んで、(負傷が癒えていれば) 榎本 樹のワントップ。

となると、ダブルボランチで、安東と、平川 怜。(前 貴之に含みを残しながら)

鋭い縦パスを通す、ということでは平川に期待するところ大なる萬年。

ただし、これ、前線のプレイヤーとの意思疎通がないと成立しないシーンなんでありますけれど、こういうチャレンジを多くしなくちゃあね。

しっかり構築された守備陣形の外でいくらボールを回したところで……、という光景には食傷気味ですから。

先発とベンチメンバー、さて、お楽しみ。

では。

見果てぬ夢を追う者同士 (ヴァンフォーレ戦プレビュウ)

今節の対戦相手、ヴァンフォーレは、現在 4位。
昇格枠の 2位に入る可能性は、まだ消滅していない。

けれど、それはあくまで、数字上のことであって、
京都と長崎(3位)がよっぽどの下手を踏む条件の下、自身は、すくなくとも、3勝以上しなくてはならないから、限りなくむづかしい。

他方、我が山雅、数字的にはネヴァーギブアップな、残留戦線上には在る。

が、いままでの勝率からすれば、これから3勝は、虫のいい話でおぼつかい。

となると、〈それぞれが昇降格のかかった落とせない決戦〉とでもメディアは煽るんだろうが、そこそこの緊張感は必要だけれど、あまり〈決死〉に傾き過ぎてもどうか、と思う。

今有する武器を最大限に活せば、その先には勝利が在るはず、それぐらいの意気込みでけっこうだ。

4月(第8節)の対戦以降、ヴァンフォーレのことなどカマっている余裕など、当方にはなかった。

加え、それなりにいいチームなんだろうが、ほとんど華を感じないこともあって、とにかく情報に欠けて、まぁ、知らないチームになっちゃった。

しかも、事前にその戦いぶりを確認しようとする気も、まったく起こらない。
困ったものです。

せいぜい、前回対戦では、こちらの右サイドを何度も切り崩した、FW泉澤 仁は好調なのか?、とみてみたら、アキレス腱断裂(9月初頭に)で長期の戦線離脱、と来たもんだ。

とは言え、泉澤を欠いてからここ11ゲームで、8勝1分2敗。
上位を猛追しているのだから、もはや、彼がどうのこうのチームではない。

アルウィンでも2得点した、MF長谷川 元希、あるいは、FW宮崎 純真のブレイクが、その穴を十二分に埋めているのだな、きっと。

それに、甲府のお家芸である、稼働率良き外国人プレイヤー(FWウイリアン リラ)の活躍もあるだろう。

ヒロこと、高崎 寛之の加入は、まぁ、保険をかけたようなものなのか。

……、でも、ここまで来たら、甲府対策にビクビクしても始まらない。

こっちは、なにを、自分への信頼の根拠にするのか?、が大切。

❶布陣、先発は、前節そのままを踏襲で。

前 貴之の復帰がやはりアウトなら、セルジ―ニョ、河合の共存時間を長くしながら、小手川 宏基あたりにどう繋げるのか。
要は、ボールを前へ前へ動かしながら時間を創る。
2列目から前のプレイヤーが、できるだけ高い位置で仕事をする。
中盤はあくまで強度を満たして、狩る。

後方でチマチマと、相手からは予測可能な、フロム足許ツー足許の、ボール回しに終始したところで、たとえば、セルジ―ニョが降りていってそのボールを捌くようでは、非生産的です。

縦の鋭いボールを多用しないと、甲府のディフェンス陣は崩せそうにない。

❷全得点の中で、セットプレイから、が50%近くの比率になっているはず。

これ、優秀なキッカーを抱えるということもあるが、やはり、空いたスペースに人とボールがなだれ込むような形での得点力が貧しい、ってのが真相。

プレイスキックの場合、すべてのプレイが止まることで走力差が帳消しになりますから、アジリティ不足も棚上げにできるわけ。

だから、センターライン後方であっても、獲得したフリーキックは、ペナルティキック内で勝負!、でしょうね。

このゲーム、セットプレイ、ディフェンダーによる得点で決まる気がします。

持てる手立てはなんでも総動員、でやってみて、結果(=勝利)を求める。

それが、来季へとつながりますから、きっと。

さて、何枚用意されたチケットかは存じませんが、既に完売とか。
山雅ファン&サポーターの熱意のたまものか?

萬年、希望した席が取れず、おそらくはホーム観客に紛れる格好で、大人しく観戦となりますけれど、こういう環境こそ、ココロの裡を熱く燃やせる絶好機。

懐かしのイツモアでお昼を買い込んでから、中銀、否、JITスタへ向かいますか。

では。

熱いココロ,醒めたアタマ (新潟戦それから)

― 降格を、まるで瀕死のことのようにガタガタ言っているのは、山雅のことだと見境がつかなくなるような、ほんの一握りなんじゃあないの?

……、とは娘の言葉。

ポール サイモンじゃあないけれど、惚れ込んでしまうと、クレイジーにもなるだろう。(Still Crazy After All These Years)

2年前にはJ1に居た山雅が、まさかこの位置で苦しんでいるとは!、といった論調もあって、それはそれで、ありがたいお言葉。

けれど、ここ数年で J1に2度上がった、とは言うものの、1シーズン限りで即降格。
とてもとても、トップリーグのチームとしての風貌を得たわけでもない。

だから、2部にあっては、そこそこの上位に居ていいチームが期待はずれの降格圏に、が正確なところ。

いや、2部に居たって、毎年、毎ゲーム、アップアップでやって来たのだ。

この大変な時だからこそ、俺が行って応援しなくちゃあ、とアルウィンに足を向けるお方が、いまだに 7,000人超。
某公共放送でオンエアされたにもかかわらず、だ。

こういう方々は、山雅がどのリーグに参戦していてもやはり、現場で後押ししてくれることだろう。(もちろん、この規模がそのまま続くとは誓えませんが)

なぜなら、大方のファン&サポーターは、時々における山雅の不足と苦悩の中身を理解していて、それを克服した光景を見届けたい、と願っているからだ。

さて、新潟戦の引き分けによって、落ちる確率は、95%くらいには高まった。

でも残りゲームがあって、そこに数%でも可能性が在るならば、ココロ熱く共闘するのは当たり前。

でも、他方、アタマのどこかで醒めていて、チームの現状や行く末を見つめることも、必要。

何故かというと、参戦リーグが下ればクラブ存亡の危機、なんていう単純な考え方の裏返しとしての、J3 であれば無双できるだろう、という見込みもまた、妄想だから。

まして、J3を、〈底〉と言っているようでは、しっぺ返しを喰らいますよ。

現況の戦いぶりだと、J3リーグだって簡単には乗り切れないだろう。

だからこそ、残り4ゲームは、シーズンの区切りや総括として、チームの集大成をこそ、目指すべきでありましょう。

それが、来季どうなろうとも、プラス要素になって戻ってくる。

J3になったら、すべてご破算にできると思うのが見当違いであって、しかも、クラブにかかわる全員がお手上げのバンザイをしないかぎりは、山雅は続いていくのだから、次なる手も着々と備えないと。

精神論を全否定はしませんが、オール オア ナッシングの考えは、クラブの生存と存続を危うくする。

ですから、新潟戦。
ゴールキック19本と何本かのフリーキックにおいて、割り切りの徹底をみせたことを評価するとともに、ゲーム後、左足をきっちりとアイシングしていた榎本 樹の予後を、ずいぶんと心配しているのです。

これだけ頭角を現せば、どこかからお声がかかりはしまいか?、というジレンマを感じつつ……。

では。

現状、最適解のゲーム (2021.11.7 新潟戦レビュウ)

1 – 1 のドロー。

8,000人近いホームの後押しの中、先制したものの、セットプレイから失点。

それでも、なんとか同点で凌ぎ切った、というのが、山雅の力量マックス、と思っている。

ゆえに、引き分けは残念だが、かといって、勝敗のことでチームを責める気にもなれません。

もし、勝てなった不足を云々するならば、
別にこのゲームに限ったことでもなくて、ひょっとしたら、シーズン前キャンプにおける身体作りのあたりから、その根っこをひきずっている感がありますね。

これだけ、相手の速い攻撃に追いつけないわ、たやすく入れ替られるわ、といった、スプリントやトップスピードの欠如をみせつけられると。

もし、足の速さが無いならば、他の方法で攻撃を潰す技量を身につけないとなりなせんが、それをすぐに期待できそうにもない。

僕の胸算用では、今節、および次節甲府戦は、引き分けがせいぜいで、ひょっとして勝てれば、というところ。

なので、そこそこよくやったゲーム、という評価。

〈希望どおりの采配〉
プレビュウで注文したとおりでした。

町田戦ラストのほうのメンツを、ほぼそのまま先発に持ってきた指揮官には大いに賛同です。

まぁ、そうなるよね、ということ。

直近の実績からすれば、榎本 樹を先発させなきゃあ背信でありましょうし、セルジ―ニョを欠けば、ボールは効果的に動かないでしょう。

佐藤 和弘による先制点(4分)も、榎本がその前、3回ぐらい連続してボールに絡んでいて、ある意味、彼がアシストしたようなもの。

ムダにサイドに流れてしまわずに、中央に入ってきて存在感を魅せるフォワード。
こういう仕事は、久しぶりの光景です。  (北ゴール裏同志チノ氏の評)

榎本を入れることで、ゴールキーパーからのフィード方法がおのずから決まり、敵陣で、ボールが手に入るようになった。

そして、3 – 3 – 2 – 2 として、佐藤をワンボランチに置いたのが、けっこう効いた。

これで、ツートップと、その下に、3人が自由に動くという構図ができて、前半からゴールの匂い漂う、迷いなきサッカーが遂行できました。

ただし、セルジ―ニョに替えるならば、小手川 宏基でよかったようには思う。

で、お決まりの失点シーンですか?
後半はじまって早々の、セットプレイからの。

あれ、わざと壁に間隔をつくって、そこにシュートコースを誘っているんだから、律儀に皆がジャンプしなくとも、とは思うけれど、
そもそも、まさにあの位置でプレイスキックを、2度も与えてしまうのはいただけません。

ここでは、ファールを誘う切り返しや、テンポ良いボール回しに長けていたと、アルビレックスを称賛しておきましょう。

チームとして求められるパススピードや、自分に向かってくるボールの速度への対応もあるんでしょうが、プレイヤーの身のこなしは、チーム内で伝染するんだなぁ、と新潟というチームをみていて、感心していました。

さて、依然解決されない課題は、相手に主導権が渡った時間帯、その腰を折ったり、どこかでハッとするプレイをかまして、こっちへ流れを引き寄せる工夫のなさ。

チームメイトに活を入れるプレイ、と言ったらいいのか。

でも、今回は複数失点を回避できたんで、うまく凌いだほうかしらん?

最適解とは、しだがって、ほぼほぼ今の精一杯、ということ。

〈無責任を いまだ引き摺る〉
それと、これにはチノ氏も激怒していたが、終盤、攻撃圧(パワープレイ)を継続中に、敵陣内で獲たスローインに対し、誰も貰いにいく、あるいは積極的に相手を振り回すような動きをしないシーンが在った。

こういう無責任はまだまだ散見されて、そのため、プレイ中にフッと〈虚〉が生まれる。

そこを衝かれてパスを1本通されて命取り、はもう勘弁です。

チームのため、もっと自分を使うプレイヤー、そういう者だけでゲームをやってもらいたい。

最後。

レフェリーの笛について。

彼なりの判断基準があって、しかも、それにはかなりプライド有り、とお見受けしたが、ファールのジャッジが、痛み方、転倒の仕方に大きく左右されているような印象であった。

したがって、吹かれる笛が、すでに次のプレイに移っている後からになって、おそろしく遅い。

ファール有無の査定は、あくまで発生の機序に即するべきだと思うんですがね……。

では。

肉と骨と (アルビレックス戦プレビュウ)

琉球戦の逆転負けに懲りたのか、それと、フルで使いたいタレントが90分持たない台所事情のためかも知れないが、
ここ2戦、前半は堪えておいて、後半、相手の運動量が落ちたところで勝負、みたいなゲームプランをもって臨戦の山雅。

ところが、実際は、守備がもたずに前半に失点。

すくなくとも 2点とらないと勝利できないむづかしい状況で、後半の笛を待つことになる。

失点 63 を叩き出しているような守備に、45分間をクリーンシートで過ごせ、と期待すること自体、果たしてプランとして妥当なのか、大いに疑問です。

ラストのほうで持ち直した町田戦ではあったけれど、たとえば、3失点目のシーンを観ていただきたい。

守備陣が全員ボールホルダーの周りに吸い寄せられてしまい、ミドルシュートを打つべく駆け上がった町田プレイヤーのほうは、誰もケアしていない。

気づいた佐藤があわてて寄ろうとするが、間に合わず、余裕を与えて打たせてしまう。

ゴールの瞬間、ディフェンダー4人がゴールマウスに固まって茫然。
― なんてのは観ているこっちのほうが、唖然とする。

こういうのを、プロにあるまじき行為として、指揮官から叱責されたのでは?、金沢戦で。

さて、今節の対戦相手、アルビレックス。

データをみたら、ボール保持とパス回数では、リーグ第1位、と来たもんだ。

弱気、遅足、ファールでしか止められない守備陣は、前節と同様にやれば、素早く回されるボールに振り回されるのが、目にみえている。

まぁ、これ、最終ラインだけの非でもなくて、彼らが背走せざるを得ないようなパス出しをゆるしてしまうファーストディフェンスと中盤を責めるべきかもしれない。

とにかく、速い裏抜けや、縦パスを通されたら、お手上げ状態。

あのリヴァプールから始まって、クオリティの差があるとは言えど、さぁ、これから行きますよ、なんて挨拶なしに、空いたスペース狙って、人とボールが同時に入ってくるのが、スタンダードなサッカーになりつつような気がします。

だから、こういうのを止め、かつ、こちらがそれを発動できないと、なんとも苦しい。

ただただ、自陣奥深くに侵入されるのを、
―おいおい。
なんて嘆息まじりに見せられるも、いい加減にしたいんです。

ですから、そこのところを前提に、ゲームプランを立てるべきであって、

結論として、ここ2試合の、70分過ぎあたりからのメンツを、惜しげなく先発で投入してしまったらどうか?、というのが論旨。

そして……、
虎の子の1点を守り切るような、あの栃木のように、全員守備の割り切りサッカーに手を染めるのか?

あるいは、陣形をコンパクトに、ディフェンスラインを高めに押し込んでいくスタイルに執着するのか?

正直言って、後者を推すんですが、どちらにしたって、貧弱な得点力と脆弱な守備なんだから(得失点差 ▲33)、最初から飛ばして、先制しない限り、勝ちは転がり込まない、と思います。

肉を切らせて骨を裁つ、なんて構えていたら、切る前にこちらが断たれてしまう。

最後。
たくさんシュートを打たれるがゆえの恩恵として、数多いゴールキックの件。

これにしたって、後方からつなぐのか、でなくて、ロングフィードするのか、判断と決意が、その都度遅くて、手際が悪いことマッコトおびただしい。

あれ、相手をじらすため、わざとダラダラやってる作戦なら、いろいろ言わん。

だったら、ヘディングに優位な榎本 樹を入れておいて、ロングボールで競り勝ってセカンドボールの回収、に全力を挙げたらどうか。

ネヴァーギブアップっていうのは、そういう地道なことの徹底ではありませんかねぇ?

では、アルウィンで。