山雅よ これがJ3 だ (2022.3.26鹿児島戦レビュウ❶)

昨日は、いろんな事情が重なって、アルウィン参戦はならず。
チノ氏との再会は、次々節にお預け。

ゆえに、DAZN画面に頼り切りの寸評になることを、はじめにお断りします。

〈舞い上がりもせず、落ち込みもせず〉

1 – 2 の敗戦。

底流のゲーム評は、プレビュウで想定した内容に尽きてしまうんですが、

鹿児島ユナイテッドは、やっぱり、強敵でありました。

あのサッカー、その出来はともかく、2部リーグで戦っていても遜色ない。

要は、このまま2部へ持っていっても、なんら違和感のないチームでした。

ですから、もしも J2 ならば、ああいったゲームを強いられるんだ、というリアルが、リーグ開始早々に取り戻せただけでも、良かったのではないでしょうか。

変な錯覚は、それこそ無用。

逆に言えば、鹿児島スタイルは、かならずしも、3部リーグの主流ではない。

なので、これから先、そこをキチンと見据えて準備すればいいのであって、
次の鹿児島との対戦(8/14予定)までに、どれだけチーム力を積み上げられるか?、との宿題をもらったと思えばいい。

〈やることやってる、ことを評価〉
やるべきことであるか、それはわかりませんが、戦術論で話ができつつあるのは、僕にとっては嬉しい流れ。

例えば、前半は、3 – 4 – 2 – 1 で入っておいて、劣勢なゲームを、こちらにたぐり寄せる手法として、後半は、4 – 4 – 2 にシフトするようなこと。

実際、このシフトチェンジが効いて、鹿児島が布陣変更に戸惑った結果、横山 歩夢を捕まえきれなくなった鹿児島ディフェンスのファール(PK)を誘えたわけです。

前半の、守備時は、1 – 4 – 5 になるやり方 。
これもそれほど破綻があったとは思っていませんが、過去2節で奏功したボールホルダーへの寄せが、残念ながら、鹿児島相手だと、チト通用しなかった部分はありました。

特に、サイドで数的優位に立たれてしまう展開のところ。

さて、システムの流動性がこれほどまでに高まれば、それに対応可となる(先発/サブ)プレイヤーの見極め、加えて、プレイヤー自身が、ユーティリティを身につけること、それが、直近の課題でありましょうか?

〈それでも、結果がすべて〉
これは、息子の決まり文句。
彼の、DAZN見逃し配信によるゲーム評は、― とにかくムダなボールロストが多過ぎる!、でありました。

確かに。

いくら鹿児島の寄せが鋭かったにせよ、そこは改善しないと。

相手は、ミスが極めて少ないサッカーでしたが、そこには山雅が、ボランチの#30 木村 拓志に自由にヤラセ過ぎた、って緩さもある。

次節の相模原も、おそらく、球際では負けない意思でくるでしょうから、そこは焦眉の急、と考えて手当てせよ。

そもそも、ルカオ不在だと、前線で収め、そこから前をめざす、という戦術を棄てざるを得なかった。

それに強風も加わって、ロングボール戦法はまったく役立たず。

そこを、どうするのか?

小松 蓮、榎本 樹の活かし方を含め。

4月いっぱいは、風に悩むアルウィンを覚悟するとして。

では。

主人公は決まってる (鹿児島United戦プレビュウ❷)

なぜ、鹿児島ユナイテッドを、リーグ最強豪と考えるのか?

前節の対八戸戦の先発メンバーをみると、

ダブルボランチは、左に中原 秀人、右は 木村 祐志。
2列目中央には、ロメロ フランク、そしてセンターフォワードに、有田 光希。

このメンツで、センターラインを形成するのだから、経験豊富な、悠然としたサッカーが想像できる。

4 – 4 – 2 の、定番的な初期布陣ということからも、それが、うかがえます。

さらに、第1節の 対いわき戦。

ボール保持60%、クロス投入18本の厚い攻撃をもってしても、
やっとこさで、1対1のドローにするのが精一杯だったのは、ある意味、鹿児島の有する鷹揚さが、やたらとすばしこいサッカーに虚を衝かれたのではありませんかねぇ?

とすれば、そこのところに、山雅の勝機が潜んでいる、とも言えましょうか。

ならば、胸を合わせて真正面からボール支配で競り合おうともせず、屈強なセンターフォワードにボールを入れ続け、そこからのセカンドボールを左右に活かす格好で、ひたすら速くゴールに向かいましょう。

つまり、このゲーム、(先発ならば) ルカオに主人公を割当てて、60分までは、彼を活かしたサッカーで突っ走る。

ルカオにしたって、かつて在籍したクラブとの対戦であるからには、特段のモチベーションも入ることでしょうから。

あとは、クロス投入が、下川 陽太や外山 凌の専担事項と見せかけておいて、佐藤 和弘、ルカオ、宮部 大己らがクロスを叩き込む、って攻撃を仕掛ける、とか。

強風下、それを計算に入れたサッカーが重要になるとは思いますが、

なんといっても、勝利に貢献しようとする山雅ファン&サポーターの思い、それが最も試されているような気がします。

では。

ひたすら胸をかりる (鹿児島United戦プレビュウ❶)

萬年式予想によれば、今季3部リーグ最強のライバルは、鹿児島ユナイテッド。

だから、ホーム開幕戦が、そこと当たり、しかも、天候が雨予想、とはなんとも因果な(=不幸な) お話なんであります。

2014年、J加盟をめざし、鹿児島県に在った2つのチームが合体して、船出。

それが2019シーズンには既に、この統合クラブは、2部リーグ初年度を戦っていた。
残念ながら、1年で降格の憂き目をみたのだが、それでも勝ち点は 40(11勝)。

たった7勝しか挙げられず、勝ち点34だったチームが、どうして、先輩風など吹かせられようか。

要は、これだけの急成長株には、みづからの立ち位置を勘違いしないで謙虚な気持ちで立ち向かえ、ということです。

とはいっても、当方も今季それなりの流儀で、過去2戦、キラリと光る戦いを魅せているのも、確か。

特に、前節の、対Ys横浜戦。
ボールを、(僕の期待に反して) 60%も握られ、

かつ、ペナルティエリアには、ほぼ倍の回数を侵入され、

コーナーキックはこちらの3倍で11本、クロスは 16本入れられながらも、

ゲーム総体としては、6割がたを制したという、実に粘り強い姿を披露してみせた。

特に後半、割り切ったサッカーに徹し、それを完遂できるようになったところに、チームとしての成長を読み取る。

僕は、感じる。

好調であるならば、誰にでもレギュラーポジションが与えられる風通しの良さ、や、雰囲気を。

だから、ルーキーたちが物怖じすることなく、自分の強みを発揮する。

ゆえに、今節のテーマは、執着心と清新さで、経験豊かな薩摩隼人の胸をかりる。

これで、決まり。

では、プレビュウ❷に続きます。

過度な欲求の 可笑しさ (2022.3.20 Ys横浜戦レビュウ❷)

もうずっと昔、
― 最高のファンサーヴィスは、勝つことだよ。
……と、看破してみせたのは、落合 博満。

今こそ、そのことを実感なさっているのではありませんか?、山雅ファン&サポーター諸氏よ。

❶良い部分を、もっと見よう
3部リーグの他チームに対して、我ら山雅は、フィジカルとテクニックのところでは幾分かは優る。

とは言え、無双、と言えるような圧倒的なチーム力は無いのだから、第2節対Ys横浜戦は、今の、ベストに近いゲームだったように、僕は思っている。

ゲーム入りの数分と、前半30分台は明らかに、Ys横浜がゲームを握っていた。

が、上に書いたような事情からすれば、主導権がシーソーのように互いを行ったり来たりするのが、サッカーというもの。

たしかに、ボールを縦に通しておいて、即、横に入ってくるプレイヤーにボールを渡すYs横浜の攻撃には、かなり手こずった。

が、追走ばかりの守備シーンはなかったし、1対1で執拗にボールを絡めとろうとする執着心は、ゲームを通して衰えなかった。

正面から行って捕まえきれずに、横のスペースへとずいぶん交わされましたけれど、僕はむしろ、自分流の戦法に奉じた Ys横浜イレブンをホメたいですね。

ビクトルの再三のファインセーヴに助けられたとは言え、その前でコースを窮屈にしていたり、ブロックを惜しむこともなし。

あと、失点シーンは、そのビクトルがボールを後逸してしまったため、後方でディファンスの態勢が崩れてしまったところを、ヘディングで被せられたもの。

たしかにミスなんだが、無為の失点でもないのだから、改善を期す、ぐらいでいいんじゃあないか?

欲を言えばキリがなく、新たなサッカースタイルの構築を続けるチームをポジティブに見守るのが肝要だと考えます。

とにかく、今節で、特筆すべきことは、

監督コーチの指示があったにせよ、(おそらく前半の反省とパス多用の相手のやり方から) 4 – 4 – 2 の陣形を、縦横にできるだけリジッドに保持しておいて、相手のボランチに空いたスペースを使わせないような守備に、後半は徹底したこと。

横山 歩夢が不用意に相手のセンターバックを深く追いかけようとすると、すかさずパウリ―ニョからポジションを修正(連動性のこと)するように指示が飛んでいましたから。

守備から攻撃への反転を、自動化させるような構え、というべきでしょうか。

❷守備と攻撃の一体化にこそ注目を
2得点とも、素晴らしいクロスからの得点でありましたが、もともとの起点は、相手ボールを奪取したところから。

特に、2点目(by 小松 蓮)は、ボールを奪った菊井 悠介が、かなり低い位置から小松に通した鋭いパスから始まった、流れるような連動だった。

彼、ボランチでやっていけるんじゃあないか?、と思わせるプレイでしたが、奪って即前へ、というのが、合言葉なんでしょう。

2戦連続先発を獲った米原 秀亮もそこのところは意識していて、随所に攻撃を考えたプレイでしたし、コーナーキック時の守備では高身長を活かしている。
このゲーム、影のMVP推しです。

❸緻密さを織り込んだセットプレイ
後半、ゴールへ向かって、右45°付近からフリーキックが2本あり、両方、佐藤 和弘がキッカーだった。
初回のやつは、ファーに構えた常田 克人めがけて入れて、中へ折り返す策。

で、2回目はですね、蹴る前にわざわざ常田を呼んで、なにかを耳打ちする。
あぁ、なにかのフェイクなんだろう、と思っていたら、案の定。
相手の守備ラインとゴールキーパーの中間に鋭いボールが、蹴り込まれた。
全員がゴールに雪崩れ込む格好のやり方。

あるいは、コーナーキックでは、佐藤から外山 凌へと短く出しておいて、外山が、中央へ走り込んで来る米原に送り、ぺナ外縁から打たす、とか。

要は、細部の仕込みにまで工夫がされてきている、そういうチームの状態を評価したいのであります。

では。

謙虚に 胸を張れ (2022.3.20 Ys横浜戦レビュウ❶)

2 – 1 の勝利。

職場のヴァン氏には、
― フツーにやれば(地力差からいって)  3 – 0 でしょう。
けれど、サッカーはミスもあるし、ひょんなPKも取られるんで、さぁ、どうでしょう?

……、などと不遜な予告をしてあったのですが、それなりの結果なので、メンツも立った、という次第。

マリノスが在って、横浜FCが在って、その同じ街で、Jクラブとして存在すること、これはまぁ、なんと難しい仕事か、とずっと思いながらの観戦でありました。

昨日の入場者数が、1,900人ちょっと。

うち、アウェイの山雅ファン&サポーターが、およそ 1,500人ならば、ホーム側は 400人のご参集であったということ。

それならば、バックスタンドを開放した日には、手数ばかりが増えて非生産的でありましょうし。

ピッチに散水が行なわれなかったのも、結局は、運営上の限界なんでしょう。

かように、3部でやる、ということの現実がだんだんと露わになれば、勝ち切っていくためにも、それに順応しなくてはならないものの、その生活に馴らされてしまってもいけないなぁ、とファンのひとりとして感じております。

要は、これくらいか、という気持ちは一切棄てて、全力応援をやり遂げる。

これが僕らにできる、ブレちゃあいけない原点、ってこと。

さて、ゲーム内容に関するたわごとは、レビュウ❷に続きます。

では。