元に戻して,守る公約 (2023.6.17 讃岐戦レビュウ❶)

直近、封印していた、最終ラインから繋ぎ、組み立てるやり方に戻したうえで、

ホーム帰還のゲームを、2 – 0 で勝利。

スコアはともかく、内容的には、完封、とまでは言い切れない、かも知れない。

けれど、相手の2倍はシュートを撃って、得点も倍みたいに積んで、しかも、無失点。

自分自身に及第点を与えられない課題や、営業的に秘しておきたいことも、多分あるだろう。

が、松本山雅よ、みづからを誇れ。

そして、ゲームの出来については、やってる身として、必要以上に、ファン&サポーターに対し、おもねったような言動も要らない。

MVPの橋内 優也が、インタビュウで発信した、

ひとりがひとりを誘って、アルウィンの閑席を埋めてくださいよ、という煽りは、

僕には、ずいぶんと堪えました。

橋内、よく言った。

弱くなれば減って当たり前、とか言って、観客減を、自分を棚上げして語っているような連中には、どう響いたんだろうかね。

(強ければ足を向ける、っていうは、どうも胡散臭くてなりません)

さて。

ようやく、14節を消化する過程で、それなりにチームのやりたいことが、まるでポラロイド社写真の画像が浮き上がってくるように固まってきた、と考えたいところですが、

ゲームそのものに関する議論は、プレビュウ❷で、すこし。

では。

相手の 倍獲れ (讃岐戦プレビュウ❷)

季節の憶え ☞ 夏椿、花落ちて知る、その開花 (3日ほど前から)

つまりは、相手の2倍は、ゴールを挙げよう。

無失点ならば、もっといいが、事故みたいな失点は避けたい。

とにかく、勝つには、終了の笛が鳴った時、得点で、相手を上まわっていなければ。

ここで、前々節の、対相模原について、勘違いの向きがあるようだから、ハッキリさせておきますが、

双方がオウンゴールで、1点づつをやり合っているので、

実質は、4 – 2 で決着したゲームでありました。

5得点、などと血迷ってはいけません。

で、終盤に立て続けの失点だったから、(感情的に)後味が悪かっただけのこと。

4点を、自分たちのやりたい形で叩き込んだのだから、立派なスコアだと思う。

チームがこれを誇らずして、どうするのか。

やっとホームでやれる、ってのに、

観客の反応を伺いながらゲームをするなんてのは、なんとも悲しい話であって、

飄々と、堂々と、やりたい放題、ゲームに没頭してもらいたい。

今季初のナイトゲーム(@アルウィン)。

しかも、モモ氏が、再びご観戦。

 山雅愛 惜しみなく与ふ 夜よ来い

では、アルウィンで。

探り当てたか? スタイル (讃岐戦プレビュウ❶)

今シーズンの山雅スタイルを、勝手に命名して、僕が、

〈守攻一体、高強度〉サッカーと呼ぶのには、それなりの理由があるからでして、

ポイントは、守攻、と守りを先にひっくり返していること。

あくまで攻撃偏重で、やるんだけれど、

相手がボールを持った、あるいは、持たせた格好からスタート、リスタートすることによって、より高い位置から攻撃に着手することを、狙う。

かつ、最終ラインから主体的にボールを動かしていって、相手の陣形を切り裂きもしたい。

ただ、ここ2ゲームでは、最基底からの組み立てのほうは、封印。

とは言え、ボール支配がせいぜい40%程度で戦っているのは、守攻の順序を、より徹底していることの証拠と診る。

うまいことに、結果(=勝利)は、手にしてきた。

けれど、この部分を、どう差配していくのか?

多分、対戦チームのスタイルを見ながら考える、そんなところでしょうが、リーグ消化3分の1で、見えてきたものがあるのは、いい事。

思うに、

徹底的にボールを持ち続けることでゲームを支配できるだけのサッカーに至れないのは、

3部リーグのチームだと、安定的、継続的なチーム編成が、かなり困難な事情からでしょう。

だから、程度の差こそあれ、カウンター攻撃を標榜する。

それに特化して成功したのが、たとえば、いわきFC。(2部リーグでは相当苦しんでいて、つい2日前、監督交代)

山雅には、そのクラブ基盤やリクルート能力からして、それとは違う道を歩んでもらいたい。

なんだかんだ言って、良質のプレイヤーを集めること(レンタルでなければもっと良い)、まづは、そこでしょうから。

さて。

カマタマーレ讃岐。

僕は、今治とやるよりも、やりにくい相手、と思う。

今治の場合、その攻め手がわかりやすく、手当も明確だった。

それに比して、讃岐はボールの出どころが、イマイチ印象に薄い。

ただし、前節の盛岡戦を観ると、

どこかで、ワントップの森本を、ロングボール、あるいは、グラウンダーパスを使い、裏抜けの格好で走らせて、決定機を創ることを、常に狙っていた。

そうなれば、こっちは、マンツーマンで強度高く対処するのと、フィードをおこなうセンターバック、あるいはボランチを自由にさせないの、2点は外せない。

おおかた、今やっていることを徹底すれば、勝機は見いだせると考えますが、

相手をできるだけ深く(高いところへ)追いつめて、苦し紛れの蹴り出しをさせることで、中盤で奪取。

それでもって、手間ヒマかけずにゴールまで、という一連のシナリオで。

では。

チームと共に歩む (FC今治戦レビュウ❸)

快勝、みたいな書きようで、メディアも煽るだろうし、

見栄えするスコア(2 – 0)で勝ってしまったので、

変な勘違いが、山雅界隈に生まれやしないか?、が前回投稿の結語でした。

ソネさんから、これと似かよった話を聞いたのが、月曜日。

― どうして、アウェイだと、のびのびとやれるんでしょうかねぇ?
たとえば、ひんぱんな嘆息とか、最終ラインでのボール組立て(バックパス)に不満を表明する、といったホームの雰囲気だと、プレイヤーが委縮してしまうんじゃあないか、って声を聞いたことありますよ。

なるほどね。

チームの変化、変容を容認できない気分が心の奥にあるから、眼前でミスや失点を見せられると、そこばかりを責めてしまう?

ゲームやプレイに関し、個人がどう感じようがかまわないが、スタジアム全体に負の評価が満ち満ちる、ってのはどうもねぇ。

以前、書いたとおり、

負けはしたが、チームとしてかなりの進化を魅せていた鹿児島戦での、南ゴール裏からの盛大なBOO。

あれは、やり場のないフラストレーションを安易に、結託してぶつけただけの大人げない行為であったから、僕は否定する。

ついに、サポーターのほうからワンソウルに亀裂を入れた日、になった。

長野戦でやって味をしめたんだろうが、ふたつのゲームは、質として決定的に違う。

(その長野戦にしても、苦しいチーム事情による切羽詰まったやり繰りがあったはず)

同伴するならば、よくゲームを観ることです。

子が宿題に苦しんでいるのなら、励ましてポジティブに見守る。

そう、ありたい。

複数得点でようやくセーフティ、といった現実はあるにせよ、1 – 0 やタイスコアの時、終盤80分になっても、更に得点を狙いにいくのが、今の山雅。

実際、今治戦89分の、2得点目のシーン。
常田が頭でボールをフィードしようとした瞬間、

小松ばかりではなくて、橋内、篠原、渡邉のすべてが、ゴールに向かって動き出していた。

かなり象徴的なシーンではないでしょうか。

では。

データは動かなかった,けれど(FC今治戦レビュウ❷)

リーグでいちばんシュートを放ち、かつ、いちばんシュートを打たせない今治、とプレビュウには書きました。

今節の公式データによれば、今治のシュート 11本、対し、山雅 4本。

となると、山雅の認定シュートは、

村越によるFK(4分)、榎本のヘディング(72分)、それに、小松の2得点(18,89分)となるが、

実際は、この倍程度は、シュートモーションから打っているはず。

ま、そうやってカウントすれば、今治の場合、20本近く打ってるだろう。

いずれにしたって、シュート数では、相手を上まわれなかったことは、確か。

けれど、それこそが、今節、山雅がやった〈割り切り〉サッカーの当然の帰結だったように思います。

攻守における,割り切りの中身 (レビュウ❶とすこし重複)

❶ゴールキーパーとセンターバックからは、ロングフィード一辺倒、ないしは、多用することで、あわよくば、相手最終ラインでボールを獲る、

でなくとも、自陣遠くから、今治にボールを保持させる状況をつくり、そこからスタート。

❷で、ボールを持った今治最終ラインへ、強く追い込みをかける。
この際、今治に、ボランチを経由するボールを巧く使わせなったのは、ミゴト。

❸上の❶❷を徹底することで、今治得意のカウンター攻撃に曝されるリスクをできる限り、減じた。
よって、山雅は、ボールをカット、または奪取されることを避け、最終ラインの組み立て戦法を封印。

❹今治、右サイドの脅威もプレビュウで触れましたが、
これは、#10 マルクス ヴィ二シウスの突破力(byドリブル)に大きく依存しているので、これを徹底マーク。
人数をかけた、2段、3段の防御壁を設けたのは、危ない場面は、それでも生じるだろう、という割り切りからの逆算でしょう、きっと。

❺今治の堅い守備を衝くのに、ピッチを広く使って、サイドチェンジを多用。

これによって、相手の守備網を粗くできて、結果、小松の1点目、ヘディングシュートがもたらされた。

いかにもすんなりとゴールしてますが、あれ、アシスト含め、凄いです。

こういったサッカーをやり抜く中で、2得点の小松は、別格としておき、

全員の走力が、ゲーム最後まで衰えなかったことが最大の勝因であって、

その中、MVP級のプレイヤーを敢えて絞って挙げれば、村越、パウリ―ニョ、それに常田かな。

荒い今治の接触プレイにもめげず、身体を張って、前後両方に動き回った、その勤勉に対して。

交代出場者として、濃密なプレイで貢献したのは、榎本、米田。

……で、最後。

懸念として指摘したいのは、今節の結果を受けて、こういうサッカーが、
特に、懐古の感情がまさるが故に、現山雅の追求したいサッカーを理解できないファン&サポーターに、

〈山雅らしさ〉として、やたらと称揚されはしないか?、ということなんです。

まさか、チームに勘違いはあるまい、と信じますが、

かつての堅守とは、まったく違ったことをやろうとしているのが、今の山雅ですから。

そこらの深掘りは、レビュウ❸で。

では。