すこし早いが、富山を喰ふ。

先の土曜日。

富山に単身赴任している息子が、久しぶりにやって来た。

その日の午前中に、魚津に出かけ、道の駅で購ったホタルイカを携えて。

今年は漁が芳しくないようで、高値なのだ、という。

数十秒熱湯にくぐらせてから、(定番は、酢味噌らしいが)

今回は、山葵と醤油 で頂戴する。

雑談は自然と、山雅の話に及び、(息子のほうがファン歴は長い)、この前の沼津戦が持ち出されると、

― ゾーンディフェンスは、果たして、どうなのかなぁ?、と息子。

たとえスペースを埋めても、対人マークが出来なければ悪手、という評価のようだ。

― たしかに、後方から飛び込まれて、或いは、外からシュートを打ち込まれて被ゴールになったからねぇ。

やはり、出て行って向かっていく守備をしないとダメ、ということなのか。

ここらへんの修正を注目することになりますな。

富山戦まで、あと一週間を切って、

験を担ぐ僕でもないから、ホタルイカは、ただただ美味しい旬をいただいたに過ぎないけれど、

どんな形であれ、昨季のアウェイ 3 – 4 のお返しは、したいね。

では。

見つかった!! 山雅攻略法 ❷

では、山雅攻略法の中身とは。(つまり、山雅の不出来を誘う策)

❶守備面。
山雅の前線と、基底ラインまでの陣形を、出来る限り間延びさせてしまう。
これは、山雅プレイヤー同士の連係(パスのやりとり) を寸断するため。
沼津の場合はこれを、ツートップと、アウトサイドが巧く寄せ、張り出すことで敢行した。

❷特に、サイドと中盤においてのデュエル(競り合い)では、人数をかけ、ファールを侵してでも、山雅に負けない。

❸ ❶および❷を手を抜かず、マメにおこない、山雅プレイヤーのボール保持を妨げ、かつ、パスコースを限定し、消す。

❹攻撃面。
山雅のセンターバック(現レギュラー) のアジリティとスピードが格段に高いわけでもないから、それを凌ぐ速さとサイドを使った揺さぶりで、シュートまで持って行く。

……、そんなところ。

センターバック同士、センターバックとボランチ、センターバックとサイドバック、これらのパス回路を閉ざされてしまうと、なかなか前進できないことが露わになった。

ただし、山雅からすると、

山雅攻略法を克服するには、今季取り組んでいるサッカーを高めるしかなく、新たな要素はそれほど必要でない、というのが僕の診立てなんです。

前稿で述べましたが、あるコンセプトを採用している場合、それをヘタに矯正すると、全体にゆがみが生じることがあり得る。

たとえば、失点すると真っ先に指弾されるセンターバック。

北Q戦、入って来たクロスを、なんと! ゴール前へとヘディングしたのが相手に渡り、1失点目のお膳立てをしてしまった常田 克人。

けれど、同時に、逆転弾のアシストとなった、山本 龍平のワンタッチクロスの起点となる絶妙ロングフィードを蹴ったのも、常田だった!

これなんか、強みにフォーカスすることで仕事をする、の典型。

ただ弱みだけを観ていたんじゃあ、プレイヤーは活きません。

また、上手くなった、と家人が絶賛する、野々村 鷹人。

彼にしたって、その成長の根源は、基底ライン同士、ボランチとのパスワーク、更には、前線へ挿し込むパスにおける熟達でありましょう。

堅守の名による、相手から入るボールの単なる跳ね返しを無くし、いかにして前方へ繋げるか?、を見続けないと。

もちろん、連携云々の元は、個の技量アップ。

レギュラー組を脅かしてピッチに立つ、新たなプレイヤーを待ち望んでいます。

では。

見つかった!! 山雅攻略法❶ (兼8~10節プレビュウ)

vs沼津に敗戦(4/16) したおかげで、

これから対戦する予定のチームに、yamaga攻略の方程式が開示されたことは、たしかなように思われます。

3部リーグの場合、極端に対症的なサッカーをしてくるチームは、5/13の長野以外には (おそらく)考えにくいので、

他のチームが、方程式の解をどれほど熱心に求めるかは、定かでない。

だからむしろ、山雅みづからが、第10節まで行きつく間に、キッチリと修正すべきポイントと考えます。

直近2ゲームで 6失点したことをもって、堅守が崩壊した、などというたわごとが聞こえてきそうですが、

僕の観るかぎり、今季の山雅は、〈堅守〉など標榜してはおらず、ひたすらより相手ゴールに近い位置でボールを手に入れるサッカーを目指しているに過ぎない。

たとえば、アスル戦87分の、被逆転ゴール。

相手ゴールキーパーからのセットプレイ。
ロングボールが入るのを予想して、山雅フィールドプレイヤー全員はペナルティエリア付近にラインを作って待ち構えていたのが、
左サイドに張ったプレイヤーにボールが出て、そのままカットインされてシュートを打たれる。

意表を衝かれた、といえばそれまでですが、守備にこだわるチームにしては、脇が甘い。

強いフィジカルと好連動によって、ボール奪取と保持に執着しているから、結果的に、失点が、リーグ最下位レベルなのだ。

そもそも、守備と攻撃を区分けしてもおらず、換言すれば、攻めるために守備をしている、と言うべきか。

相手ボールホルダーへの圧迫とチャレンジが際立って、そこから即、攻撃スイッチを入れる、という意味で、萬年式に〈守攻一体型/高強度〉サッカーと呼ぶ。

だから、山雅の圧を、どうにかしてかいくぐった相手とのゲームになれば、北Q戦や、アスル戦みたいな乱打戦にもなります。

では、ここで、失点しないために守備だけをいじくればいいかと言うと、さにあらず。

せいぜい、コーナーキックやセットプレイ時のマークを厳密にするくらい、と考えますね。

では。(その❷へと続く)

残り9分で逃す勝ち星 (沼津戦レビュウ 本論)

註)北ゴール裏の同志チノさんと逢えば、ハーフタイムやゲーム後には、短評合わせみたいなことをやっていて、それがこの投稿に多分に反映しています。

まづ、昨日の投稿を補足します。

僕は、感情的になること自体を否定はしない。

たとえば、日曜日、南ゴール裏では、挨拶にまわるチームに対し、不満、不評の boo が巻き起こり、そこに怒声が交じったり、
はたまた同時に、拍手が湧き起こったりするあり様。

それは、各人の心情が、強制もなく自由率直に吐露されていて、山雅ファン&サポーターの〈健全性〉のあかしだと思っています。

ただ、自分の心象を、闘う選手の姿勢や態度に、勝手に反映し、それを、あたかも事実のごとく断ずるのは、オカシイのでは?、と言いたかった。

さて。

― 残念だったね、昨日は、とか挨拶されたり、

― 山雅はどうだったの?、とか訊かれたり、まぁ、こんなのはフツーで、

きっと、そのスコアにびっくりしたんでしょうね、

― 一体なにがあったのよ?、なんてのもあった月曜日でありました。

それに対する、僕の目撃者としての弁明は、

― いやぁ。

手こずってはいたが、81分までは、ほぼ完璧に近いようなゲーム運びだったんです。
ところが、残り9分間で、勝ちが手からスルりと逃げた、っていう。

90%まではたどり着くが、のこり10%を凌げなかった、そんな感じでしょうか。

学校のテストでは、90点も獲れば、(僕なら) 大いばり。
ところが、サッカーではダメなんですよね、最後に相手より多く得点していないと。

でもね、3点は獲れる、たとえ、先制されてもひっくり返せる、そんなサッカーをやる山雅になりつつある、そこに注目して、今後を楽しみたい。

〈ゲームの基調〉
ゲームの入りには絶好のチャンスが生まれるも、それを逃がすと、

沼津プレイヤーの素晴らしいアジリティ(俊敏性)、長短織り交ぜたボール回し、
特に、相手フォワードと、サイドプレイヤーの寄せの圧力に曝されて、

山雅流前線からの追い込みと、それに連動すべく2列目以降の押し上げが機能せず、非常に窮屈な状況に追い込まれた。

たとえば、ボランチ住田。

彼は、相手の圧を回避しようとしたのか、本来ならば、センターバックふたりの真ん中、あるいは、その前方に位置してボールを受け、前へと進路を見いだすべくボールを捌くのに、あの時は、常田と山本を結ぶ線状に張ってしまい、かえって連携を阻害した。

そのセンターバックにしても、相手の速い寄せの前に、プレイから余裕がなくなり、かつ、普段のパススピードには、なかなか達しない。

ただし、この閉塞状態は、前半30分頃から幾分は改善され、住田とパウリ―ニョに活きたプレイが戻りつつあった。

手こずってはいたが、逆境に抗しつつ、2点(小松、榎本) を挽回。

ゲーム内修正力、これは最近になって目立つ財産で、これからのリーグ戦で大きな武器になりそう。

〈84分の交代は、やはり采配ミス〉
下川を、右サイドバックで途中投入は、これは、ヒット。

そのクロスが、ゴール左で待ち構えた山本のヘッドにドンピシャでミート(81分)して、逆転弾となる。

問題は、その直後、84分の2枚替え。

得点を挙げ、ようやく蘇生のキッカケをつかんだプレイヤーをピッチから下げてしまうのには疑問が残るし、

そもそも榎本が去ったことによって、フォワードから高さがひとつ、消失。

これが、マークの弱さとなり、コーナーキックからのヘディング被弾の伏線となったと診ます。

前々から、交代枠の活用がゲーム帰趨の重要な要件、と思っていますが、

今回の84分交代は、チームへの活きたメッセージを伴っておらず、采配の妥当性に疑義を呈しておきます。

ただ、どうしようもない難題でもないはずなんで、改善を乞う。

ゴン中山アスルのサッカーに、今回は一敗地に塗れるも、更に成長したあげくに、後半戦(10/22) では、愛鷹で、オカエシさ !!

では。

感情に溺れると, (2023.4.16沼津戦レビュウ その序)

ロクなことにはなりません。

まづまづの好天下、3 – 4 の 、いろいろあっての、再逆転負け。

こういうのは、かなり堪えます。

が、おそらくは、(発言者の)耐性の無さ、または、貧弱さからでしょうが、

― 山雅のプレイヤーよりも、沼津のほうがズっと、ひたむきで、泥臭く、勝利に貪欲だった、などという発言が湧いてくる。

これ、世に言う、ハロー効果。

人物や事象の評価において、ある特徴的な一面(ショックな敗戦)にまどわされて、全体の評価がゆがんでしまうこと。

ハローとは、聖人の頭上にある光輪、光背のことで、例えば、部下の弱点のひとつへの心象によって、彼の業績すべてを悪く診てしまうような人事考課。

ただ、このハロー効果がなければ、ある意味、恋愛も成立しないわけですから、

ただただ山雅愛で観戦していれば、可愛さ余って憎さなんとか……で、そういう妄言も吐きたくなるかも。

しかし、感情一辺倒な心情を、さも、個やチームのプレイ態度として言い切ってしまうこと、これはまづいでしょう。

いい大人がやることではない。

こういう意見に接すると、根性の曲がった僕なんかは、

山雅のプレイヤーたちに、
― ホーム必勝の押し付け、ひたむきさ欠如云々、なんかに負担感を一切覚えることなく、アウェイで思う存分戦ってこい、と言いたくなる始末。

曇りガラスの外は雨、でもあるまいし、

それなりのサッカー論議をするならば、まづは、物事をキチンとみましょうよ、ということを言いたい。

10節までに、新・山雅スタイルの〈完成形〉にもっていくとして、逆算すれば、7ゲームを終えて、初の黒星。

ゲーム平均2得点、失点は約1、ゲーム当り勝ち点(=昇格基準) には、2つ及ばず、というのは、上等な出来。

U23チームが混じる不可解なことをやめ、マトモなリーグとなって3年目の3部リーグは、急激に戦力が拮抗しつつあり、

現在、山雅から上下の、勝ち点差3以内には 13チームがお団子でひしめく……か。

さて、ゲーム振り返りの本論は、明日です。