強欲……。

1 – 0 の勝利。

もともとが、

僕は、サッカーという、いわばスポーツ以上、闘争未満の競技は、内容と結果という二元論に立って評価できないもの、と思っている。

だから。

内容が悪くても勝て、だとか、

オウンゴールの1点で勝ったから、気分がスッキリしない、だとかは、

どちらも、あまりに欲深い要求ではないか?

と思ってしまうんだけれど、

ただひとつ言えることは、

昨日の山雅、スタジアムで観戦している限りでは、

かなり新しい可能性やら、プレイの深みが感じられた、

好ゲームと診ています。

では。

北Q,攻撃の起点は明白 (ギラヴァンツ戦プレビュウ)

― ソフトバンク(球団)がある限り、ギラヴァンツがあの地域を制するのは、ムリ。

これ、小倉出身のジョー氏の口癖だけれど、

先月里帰りした際は、

ご実家の、湾を隔てて対岸に建つ〈ミクニワールドスタジアム北九州〉まで出向くと、その画像(外観) を送ってくれた。

待望の本拠、専用スタジアムが出来たとたんに、3部に降格(2017季)。

その後、2部昇格と参戦(2020~2021季)をまたいで……、なんとも、辛い歴史を背負うギラヴァンツ。

9月に辞任した田坂 和昭氏にかわり、小林 伸二氏が、監督(スポーツダイレクター兼務) となって挽回を図っているが、苦闘。

メンバーをみれば、2部でもやれると思うタレントを擁するが、直近5連敗で、最下位に甘んじる。

アウェイだからこそ、6連敗は絶対回避、の決意で乗り込んでくるだろう。

こっちにしたところで、負けたらアウトの土俵際でもあるから、

背水の陣、といった立場では、まったく似た者同士

ならば、その合戦において、

どうやって、サッカースタイルとその実践で、相手を凌駕するのか?

〈守備のポイント〉
❶左サイドからボールを運ぶと、ペナルティーエリア角付近から、カットインしてシュート。

これ、ミッドフィルダー岡田 優希の、十八番。

わかっていても、ゲーム中、何本かは撃たれてしまうのもまた、ルーテインらしいけれど、シュートへ持ち込む前でカットしてこそ、山雅右サイドが、守備を語れるようになるのです。

万が一、放たれたシュートは、ファーへと巻いた軌道を描くので、村山では確実に届きません。

❷反対の右サイドには、野瀬 龍世。
攻撃の頻繁さでは、こちらのほうがよほど危険であるから、気が抜けない。

僕としては、ここはやはり、下川 陽太の守備力に期待したいところ。

まさか、小林さん、岡田と野瀬をスイッチするような奇策は打たないとは思いますが、
サイドを使うとみせて、このふたりの連携で中央突破を狙うことぐらいはするでしょうね。

山雅センターバック、それにインサイドハーフの、強靭と俊敏が試される。

❸シュートまで至る確率は山雅よりも低い、とは言え、セットプレイ持ち込み度数は、リーグ3位。

特に、コーナーキックでは、後方から飛び込んでくるプレイヤーを厳重にガード。

〈攻撃のポイント〉
ひとつだけ挙げるならば。

ハイライトなどを観る限り、北Qのディフェンスラインは、戻りの速さと強度に不足を感じる。

(相模原と同じような趣きで)、ライン自体はきちんと作るが。

ならば、山雅は、ボール奪取からの反転攻撃を、

いっそう迅速、手間ひまかけずにフィッシュまで持っていく、これに特化しましょう。

要は、前方や後方へ移る時のプレイスピードを、手を抜かずに、同じくらい高く保つ

手数少なく、ということだと、ロングボールのクリア(撥ね返り)を回収して、さて、前へ、っていう手も有効でしょう。

では、アルウィンで。

騒音と雑音の本質。

J.スチュアート ミル(1806~1873) の言葉が、たまたま目に入った。

― 今の時代をどうこう言ったところで、あるいは、言わせてみたところで、我々はそこから抜け出すことはできぬ。

(☞ Whatever we may think or affect to think of the present age,
we cannot get out of it.  を筆者が訳した)

〈時代〉を、山雅に、

〈そこ〉を、山雅愛、または、山雅への関心へと、それぞれ置き換えてみると、

いろいろと、わかりやすくなる。

もちろん。

山雅憎しの、浅はかな頭脳が、勝手放題を言っているようなのは、論外。

では。

あぶない男が三人。

リーグ戦は、残り5戦。

今季の仕上げでもあるから、できれば、もっとも良い準備とメンツで戦いたい。

― 小松 蓮は間違いなく、20点台には乗せるよね、と来季の去就も含めて家人と会話。

― 移籍してきたシーズンの米原 秀亮のことは、よく憶えているのよ。

― あぁ、熊本ユース出身、期待の星だった。

プレイからためらいや遠慮も消えて、このまま突っ走ったらいいね。

 

ここに、菊井 悠介を加えた三人には、対戦相手にとってつねに危険な存在でいてもらいたい。

けれど。

違った意味で、彼らは、あぶない三人でもありまして、

カード累積が 3枚になっていて、出場停止にリーチがかかっているんです。

特に、菊井の場合は、2回目の停止となるから、2試合の出場ができない。

これからの対戦相手は、北Q、福島、ys横浜、讃岐、奈良……。

このうち、反則(カードも)がリーグいちばんに多い奈良とは最終戦で当るのは救い、としても、

ys横浜とやる場合は、サッカースタイルからして、それなりの強度となるだろうから、ここらへんが鬼門か。

とは言え、山雅とやる際は、どこも闘志むき出しで来るだろうし、

アルウィンは、プレイヤーを燃やす処だし。

せいぜい、ムダに熱くなるな、と願うしかありせんかね。

では。

冴えたセンターラインよ (相模原戦レビュウおしまい)

アウェイ観戦になると、周りには、ふだんとは違った方々が席を占め、

そのつぶやき、交わされる会話が、それとなく耳に入ってくる。

今節、バックスタンドのホーム(つまりアウェイ)側では、いろんな〈声〉が聞かれ、山雅を観馴れていれば、やはり、そうなるでしょうね、というのが多かった。

〇久しぶりのヴィクトルの、安定感と、落ち着いたプレイ。

たとえば、21分。

フリーキックから岩上 祐三が入れたハイボール。
村山ならば、おそらくはパンチングを試みたろうが、しっかりとキャッチできるプレイには安堵。
身長で 5㎝ 優る、ということはリーチを加えれば、10㎝ は高所に手が届くわけだから、ずいぶんと違う、などなど。

〇小松 蓮の、成長ぶりへの称賛。

後方で観戦の女性(中年)が、
レンタルから復帰後、体幹、フィジカルが強くなったことを強調していた。

たしかに。

J参入後、19得点は、船山 貴之、高崎 寛之以来か、と思うが、

ユース生え抜きフォワードがブレイクしつつあるのを観られるのは、山雅も、歴史を更新しつつあるということ。

それに加え……、

〇インサイドハーフ(ボランチ)米原 秀亮の、充実。

たしか、熊本から移籍してきた当時は、20歳だった彼。

相棒が安永 玲央であることも刺激になっていると思うが、ボール捌きの技量がずいぶんと向上。

鹿児島戦で魅せた、右サイド藤谷へのロングボール供給(先制のアシスト)は、視野の広さと素早い判断力の証明。

プレイから遠慮や逡巡がなくなった分、より攻撃的なボランチに変容。

上背があるのも魅力。

まぁ、あとはシュートに磨きをかけて、と思う。

……、こうみてくると、チームのセンターラインがしっかりしていると、安定、強固なゲームができるということか。

もちろん、センターバックの出来も上等で、常田のロングフィードは、攻撃の重要なスイッチになっている。

あとは、野々村の鋭い縦パスが、もっと観られることを願います。

では。