強く,速く,広く (FC琉球戦プレビュウ❷)

……ボール保持に長けて、パスを多用、タイミングをはかり、鋭く縦に、ボールとプレイヤーが、ペナルティエリアに侵入してくる。

琉球のサッカーがそんなならば、

山雅は、いつもの陣形で、つまり、3トップが、(ボールを持った)相手センターバックを追い込んで、高い位置からボールを手に入れると、攻撃を仕掛ける。

しかも、左右のサイドを広く使って。

対し、琉球は時折、ロングパスを発動し、一気に、山雅センターバック後方を狙う。

ボールは、7割方を、琉球が持つ展開で……。

これまでのサッカー流儀をそれぞれが踏襲すれば、おおよそ、そんなゲーム様相になるでありましょう。

相手を、窮屈なパスワークに直面させたいなら、こっちの陣形は間延びさせず、中盤で自由に使えるスペースを与えないこと。

じりじり守備ラインを下げたところで、結局は、ペナルティエリア周辺に押し込まれるだけ。

ゴールラインに逃げれば、コーナーキックの洗礼が待っていますし。

とにかく、勇気をもって、強い当たりで、前へ前へと、出来る限り相手の陣地でゲームをやるに越したことはない。

村越 凱光が(2ゲーム)出られないので、最前線の左に、誰が入るのか?

滝 裕太をそこに配すのか、それとも、榎本 樹を置くのか?

復調のルーカス ヒアンを、いよいよ試すのか?

はたまた、鈴木 国友を、右に置くことで、他の者を左に回すのか?

3トップの並べ方の工夫。

それと、山雅流サッカーを、いかほど対琉球用にアジャストするか。

この2点が、僕からすると、今節、格別の見どころであります。

では、DAZNで。

悩むことがあって (FC琉球戦プレビュウ❶)

ざっと言ってしまうと、

2部リーグから陥落した今季、

FC琉球は、プレイヤーの21人が去って、16人が新たに加入。

新監督でチームを作ることから始めたが、その監督も先頃更迭、ヘッドコーチが昇格して指揮を執っている。

ゆえに、2,3年前に対戦した、とはいえ、チームはかなり変貌したに違いない。

その特徴を、ひとつだけ挙げると、

ボール保持率の高いサッカーをすること。

ゲーム平均で、55%という数字。

特に、相手陣内でのポゼッションが高い。

……けれど、ここで疑問が湧いてくる。

みずからボールを握り、カウンター攻撃はほぼ棄てている、にもかかわらず、

琉球の、反則数は、リーグで5番目に多くて、ゲーム当り 14個。

しかも、警告は、リーグワーストで、32個。

(参考までに、山雅は、ゲーム当り11個の反則、警告数は、22個)

つまり、ボール奪取を狙うようなサッカーでもないのに、どうして、ファールが比較的に多いのか?

具体的に、どういう局面で、反則を多く犯しているんだろうか?、今はそれが気になるところですが、

前に指摘したように、そんな琉球とやるには、〈強度〉を高く保ち、先手を取ることで、アタリ負けしないようなサッカーが求められる。

これは、愛媛戦も同様だったんですけれど、ただし、ムダに熱くなる必要はありませんぞ。

では、予想されるゲームの図式は、プレビュウ❷で。

良識派でないから、

騒ぐ気持ちがわからない、というお話。

(気が向かないけれど、書いておきます)

相手に手を挙げた行為によって、レッドカードが出ると、

やたらと寄ってたかるのが、世間、というものの煩わしさ。

ゲーム開始2分もたたないうちに、ボールを持ち出そうとした菊井 悠介を、

愛媛ボランチの森脇が、当夜の挨拶代わりなんだろうか、

けっこう激しく削ったのが、そもそもの伏線にあって、その鬱憤が、ああいう格好で噴出した。

でも、わざわざフェアプレイや、人倫を持ち出すまでもないことで、まぁ、手を挙げた日には、結局は、当方が損をするのがサッカーの定石のオチ。

だから、やめとけや、

自分で、自分自身を傷つけてしまうことにもなるしね、村越よ。

……、その程度のことで、済ましては?、と僕は思う。

あくまで、損得上のことでケリ、でいい。

フェアプレイで縛らないといけないほどに、サッカーは、ズルさと手を切れない。

挑発と報復は、見苦しくもあり、もちろん、推奨はしませんが、

こういう事が起こると、

いかにも良識派ぶって正論っぽいことを吐く輩が湧いてくるけれど、

きっと、この野郎、といった感情を抑制できる、立派な社会人なんだろう、そのお方は。

乱闘を、子どもに見せてどうするんだ、とか。

僕の経験からすれば、ああいう舞台での立ち回りよりも、

もっと日常的な、たとえば、目の前の夫婦喧嘩や親の吐くウソによって、ずっと、子どもは落胆と侮蔑を学んでいるから、そう心配めさるな。

ファールをもらおうとして身体を使うこと。

実際の苦痛以上の見映えを演出すること。

そういう部分が、かなり疑わしいサッカーならば、むしろ、それを楽しんでしまいましょう。

ただし。

僕からみていて、食傷な演出はですね、

失点の途端に、ディフェンダーがそろってひっくり返って寝転がる、あれ。

サッカー定番?の落胆のポーズ、はどうしても、好きになれない。

では。

こころ打たれた 雨の夜 (愛媛戦レビュウおまけ)

退場劇があったせいか?、はわかりませんが、

ミスの少ない、という意味では、好ゲームだった。

ひとり少なくなって、こっちはますます手数をかけられなくなる、

そして、愛媛からは、手数をかける余裕を奪いたい。

そういった切羽詰まった緊張感、それが案外、うまく作用したように思う。

交代カードにしても、クロス投入の可能性を高めること、ペナルティエリア内では高身長で優位に立つ、そういった観点が明白であったわけで。

アラートが常に入るチームであること、ゲームコントロールで意思統一が強固であること。

こういう学びを、時節琉球戦に繋げたいもんです。

スタジアムを一周して挨拶をしてくれた、森下 怜哉の丁寧な人柄。

飾らない玉林 睦実の、生のままの人柄。

あそこに居なければ味わえなかったのだから、雨に打たれた価値もあった、としておきましょう。

では。

こころ晴れた 雨の夜 (2023.7.01愛媛戦レビュウ)

前半35分に退場者が出て、ひとり少ない不利なゲーム。

後半10分に先制されて、もっと困難にはなったけれど、

追いついて、1 – 1 のドロー。

勝ちに等しい引分け、といった安堵感。

けれど、追加点のチャンスはけっこう作れていたから、勝てたゲーム、と悔しがらなくてはいけないんだろうなぁ。

数的優位の愛媛が、ひたすら左サイド攻撃に専念してくれて助かりました。

左から、ひと手間かけて右へ展開され、守備が振られた結果、中央が空き、そこから打ち込まれたら、とヒヤヒヤでしたが、

強みへの固執が、裏目に出てしまった愛媛、としておきましょう。

それと、後半になって足が止まったのは、数的に苦しい山雅でなくて、愛媛のほうだったのも、こっちにゴールが生まれる伏線でした。

今月末には、アウェイでこのチームと再びやるんですけれど、

フツーにやれば、どっちに分があるか?、は観ていて納得され、ある意味、いい準備となった、と前向きに考えたい。

……、で、このゲームから学べた重きこと、ふたつ。

❶苦境に立たされた時こそ、チームの真価が問われるし、そこを切り抜ける智恵と技量を発揮するチャンスである、ということ。
山雅のプレイヤーすべてが、それを体現していました。

❷苦しいゲームを挽回しようと、スタジアムは一体になれた。

どうでしょうか?、観戦者のココロがチームを後押しすることでひとつとなれた、ワンソウルが戻ってきた、そんなアルウィンだった。

スタンドの誰ひとりとして、諦めていないのが解かりましたから。

逆境がむしろ、チーム山雅の真価を魅せつけてくれた、そんな、強雨の夜に感謝しています。

では。