ゲーム終了後。
北ゴール裏に挨拶を済ませたチーム山雅が、バックスタンドへと向かう姿を眺めていると、
同士チノ氏が、隣にやって来て座り、
しんみりと。
― これが、実力ですかね~。
実際、負けた相手がおおかた、順位的に上にいますもんね。
僕は、彼の言葉に、まったく我が意を得たり!!、の夜だった。
(勝ち負けの数が同じになれば、リーグ中位は当たり前だし)
幸先良く先制しても、やがては持ち堪えられずに、終盤に逆転をゆるす。
前節琉球戦レビュウで触れたとおり、それは、
精一杯、力の出し惜しみもなくやっている結果としての、1 – 2 の敗戦だった。
今節も、まったく同じスコアで、
得点後の停滞、攻め込んでもロストが多発してシュートまで持って行けない、
攻撃の手詰まりが顕著。
ここまで正確に、毎回同一的なゲーム展開を踏襲しての敗戦、ってのは、
したくても、なかなかできないことではあるまいか。
もちろん、意識的にみずから屈辱をかぶっているわけでもなかろうから、
ある意味、やってることは、あまりに正直、実直、とも言える。
……で、プレイヤーたちが南ゴール裏まで達すると、
今回は、盛大なるBOO。
けれど、それと同じくらいの音量で激励チャントが混在する、実に印象的な光景だった。
これとは、(南ゴール裏に限れば) チーム山雅に対し、
一方に、〈回復〉、〈挽回〉を求めるロマンチストがあり、
他方に、〈確かな新生〉を支持するリアリストがいる、という状況を物語っている。
あるいは、前者を、復古主義者、後者を前進主義者と、固い表現もできる。
今の山雅に対し、何を求めるか、について、かなり錯綜している、ということであり、
チーム山雅そのものよりも、それを取り巻く周辺の人々の混乱のあやうさを、僕は指摘しておきます。
もちろん、筆者は、後者の立場をとる者だけれど、
ただし、いかに精一杯やってる、といったところで、それはないよ、という点については、レビュウ❷で。
では。