
半世紀前に、ひとりの文筆家が、こう記したー。
ものを言ふというのは本来は言ひたいことがあるから言つたのであり、
言つた以上はその責任を取るのが常識だった。 (by 吉田 健一)
どうやら当時、世の中が、すでに、そうなってはおらずに、
言いたいことよりも、言って得になることが重要視されたり、
言ったことに責任を取るなんてのは損だ、という風潮があったから、
こういう言葉が、吐かれた、と思う。
それから。
ずいぶんと時間が経ちまして、
一個人のつぶやきさえもが、これだけおおっぴらに、大勢の耳目に届く今日。
注目されたいだけのために発する言葉が、あまりにも、飛び交い過ぎている。
では。

