エレンバースティン 三部作とは。

久しぶりに、

『夕陽のギャングたち』(1971年 伊西米合作映画) を観返した。(令和キネマ座ベストテンのひとつ)

ま、ロッド スタイガーの、良さ(=巧さ) を再確認するだけで儲けもの。

この作品は、当初。

セルジオ レオネは脚本などの裏方にまわり、みづからがメガホンを取るつもりはなかったらしいが、

主演のロッド スタイガーと、ジェイムズ コバーンが、

レオネが監督をしなければ役を降りると主張して譲らなかったために、

仕方なくデレクトしたんだそうな。

予定で、監督候補にあがっていたひとりが、

ピーター ボグダノビッチ。

1971年には、

その監督作品『ザ ラストピクチャショー』が公開されていて、当時売り出し中。

☞ もしも、ボぐダノビッチが監督したら、どんな夕陽のギャングたちが出来上がったのか、まことに興味深々ではあるけれど。

で。

この『ラストショー』(邦題) に出ていたのが、

エレン バースティン (1932~ )。

この作品では、

オスカー(助演女優賞)を、クロリス リーチマン(1926~2021年)が獲っているから、劇中の迫力では、リーチマンのほうにどうしたって分があるが、

エレンも、オスカーとゴールデングローブとにノミネートされたようだ。

その後。

『エクソシスト』(1973年公開)、『アリスの恋』(1974年公開) と、

順調にキャリアをつくった時代の作品を、

『ラストショー』とあわせて、

エレンバースティンの三部作、と呼んでおこう。(異議があってもかまわない)

そのアリスの恋を、これまた、最近に観た。

原題は、Alice Doesn’t Live Here Anymore (アリスはもうここには住んでない)

これが、なぜに、アリスの恋となるのか、とは思うが、

案外、名訳かも知れない。(実際に、映画をご覧になるとわかります)

クセの強い役者も配されていて、面白く観た。

劇中歌に、エルトン ジョン作『Daniel』が使われている。

この曲は、1973年の発表だから、

主人公が運転する車中、ラジオから流れ来る〈新譜〉という設定なのだ。

エルトン作、とは言うが、歌詞はバーナードトーピンが書いてるので、ふたりの共作と呼ぶべき。(だいたいが、そう)

スペインに旅立つ兄ダニエルをうたう内容。

トーピンの後日談によれば、ベトナムからの帰還兵について語りたかったらしい。

……以上、70年代初頭の、クラシカルムービーたちの話。

では。