
僕らは、日常の中で、
なにかを評して、強い、弱い、と言う。
が、そのことがらについて、
丹念に考えてもいない。
つまり、悟性の光を当てているわけでもないから、かなり主観的であることがほとんどだ。
強い=善、弱い=悪、が、ちっとも成立しないことの多さよ。
これが、
スポーツ(競技)の世界になると、
勝利した者を強い、敗れた者を弱い、と評せるので、すこしはスッキリする。
スポーツの良さとは、そうやって断じてしまえる、済ませられる、ことなのかも知れない。
……某介護施設において。
生活保護制度の受給下で、施設で被介護生活を送っている女性(60代後半らしい)が、
その施設で働く女性を指して、
― 77歳にもなって、こんな仕事で働くんて、あの人、よっぽど生活に困っているんだねぇ、と語った。
こういった話を聞くと、いろいろ考えるところはあるけれど、
人生何十年もやってると、それぞれに理解できないような地点にたどり着くものだ。
では。

