野や畑に入る者にとって、
なにが、不快で、鬱陶しいか、と言えば。
植物の多くが、鋭いトゲや、茨(いばら)を持っているということ。
茄子、きゅうり、オクラ、南瓜……。
そのヘタに、実の表面に、つるや葉の周辺にと、挙げたらまったく切りもない。
迂闊に触れて、微小なトゲが手にささろうものなら、
抜くのに手間取り、実に、厄介。
たしか、庭か畑で刺して、おととしは、どうしようもなくて皮膚科に行った。
……ふたたび、バイブル(旧約聖書) を引き合いに出せば、
人間が、エデンの園を追放された際、
神は人に言われた、
地はあなたのために、いばらとあざみとを生じ。……とある。
人は、智恵を授かった代償に、自分の周囲でたやすく、トゲといばらと出逢うようになった。
これが真相でよい、と僕は思う。
なぜに、植物にはトゲやイガがあるのか?
巷間、書物には。
なぜなら、外敵(動物)から身を守ったり、モノに引っ掛かって成長するため、と平気で書いてある。
しかし、考えても御覧なさい。
植物に、防衛とか、他への寄りかかりとかいう〈意思/意欲〉を認めること自体が、
科学では認めにくい霊魂論であって、(☜ この部分は、機会あれば追補します)
全能者(=神)が、地を変えたという聖書の主張と、そうは変わらず、
そこを、僕らは、よく考えもせず、素通りしているに過ぎない。
では。