ディフェンダーが称賛される理由 (鳥取戦レビュウ❷)

このゲームでは、

ディフェンス陣(センターバック)が、上等、上質の働きぶりを示した。

それは、

無失点で終わらせた、といった陳腐な理由ではなくて、

攻撃参加の意思と実践にあふれたプレイに終始したからに他ならない。

別の表現をすれば、攻撃的な守備、とも言えようか。

ゲーム開始早々に、宮部、野々村からクロスが投入されたのが、その象徴。

……くりかえしにはなるけれど、

野々村は、村越、菊井への縦パスを幾度かチャレンジし、

宮部は、樋口と絡んで左サイドへ侵入、

高橋は、ロングボールの標的を、前線に常に探し求めていた。

ディフェンダーの駆け上がりによって、相手のプレイヤーが彼に対応するために、相手守備網に、〈疎〉が生じるから、

杉田を含め、今後も、期待大の戦術には違いない。

おそらくは、琉球戦の修正が強く意識されていたゆえに、

ゲーム冒頭から、かなり堅調で、隙をみせないサッカーができていて、

(前後半とも) ゲームの入りとしては、今季ベストに近かった。

そこに、上に指摘した、ディフェンダーの攻撃性が乗っかったから、

たとえば、前進した時は、10人全員が、相手コートに入り込む、高橋がセンターサークルの頂点に位置する、といった光景が現出。

いつも言ってる、〈守功一体型〉サッカー。

先手先手でいけば、結果として、ボール保持が 60%を超えるということ。

こうなると、

鳥取が、山雅の最基底ラインの裏抜けを狙うのは至当だったが、

まぁ、それも、ともかく凌げたわけだし。

(鳥取のシュートが2回、オフサイド疑惑によるものだったことは指摘しておく)

ホイッスルが鳴ってからの全力投入のツケは、やはり、

60分以降の疲弊にあらわれるわけで、

ここからのリフレッシュの適否が、ゲームを左右するけれど、

今節は、まぁまぁ機能していた、と思う。

前田 陸王は、カンフル剤になっていた。

できれば、そこに布陣変更をかませれば、相手のマークに迷いを生じさせられたように思うが、チト望みすぎか。

ゆえに、次節以降の課題は、ふたつ。

ひとつ。

飛ばしてプレイすることからの疲れ、特に、〈頭脳面〉の快復へのテコ入れの方法。

ふたつめは、投入されたクロスに、どうやって中でミートするのか?

これに尽きるでしょう。

では。