みっつの貯金箱。

ここしばらく拙宅に逗留の、小学四年生との合意のもとに、

貯金箱を三つ作って、暮らしている。

ひとつ、〈まづい〉貯金。

ふたつ、〈暑い〉貯金。

そして、みっつめが、〈オー マイ〉貯金。

出された食事、食物を、まづいと口にすることの不敬の罪は、罰金 10円。

やたら、暑いと愚痴るような、感謝を忘れたネガティヴの罪は、罰金 10円。

なにかにつけ、オーマイガー!と、意味もわからず発することは、

むやみに神の御名を口にする、瀆神の罪(バイブルの破戒)だから、罰金 10円。

……現在の、途中経過では、

オーマイ貯金には、100円、暑い貯金には、75円が、それぞれ入金されている。

なお、途中まで言いかけて止めたのは、5円、

もちろん。

萬年の側のお手つきは、フェアに相殺済みとしてあり、

小学生の原資は、滞在期間中用のお小遣いであるが、

彼のほうに、負けが込んでいる。

では。