奈良クラブが、後半冒頭から、たたみかけてきた戦術的な変更。
前記事ではこれを、変節と、かなり非礼な言い方をしたんですが、
メンツを入れ替えながらも、
ゲーム当初からの、特に、中盤におけるインテンシティを保持しつづけようとした山雅とは、好対照の、
観ていて、面白い、味わいに満ちておりました。
山雅戦では、勝ちとして実らなかったものの、
こういった修正力が、現在、彼らが、我らより上位に在る理由でもありましょう。
3点獲れば完勝で、3失点すれば完敗、とはやし立てる向きには、
ここらへんの綾などは、目に入らないんでしょうが。
けれど、それって、
走れ!走れ!を連呼して止まず、走らなければ山雅にあらず、といった単細胞な見方と同根ですわ。
さて。
奈良クラブ、
初期配置の 4 – 2 – 3 – 1が、
後半からは、
極端にいうと、2 – 3 – 5 くらいになって、前線に4 ~ 5人が一線に並ぶと、
後方から供給されるボールに、すぐにでも反応できる態勢。
そのために、
中島 賢星は後方に落ちて、ボール捌きに、ミドルレンジのシュートに、と専念。
他には。
ボランチの一角が、サイドに出て突貫するとか、あるいは、
右サイドハーフの #7田村から、60°の斜め後方より、山なりのクロスが再三前線に入って、それをヘッドで狙うとか。
……見応えのあるアイデアが、満載。
ひょっとしたら、このチームと再戦があり得る、と覚悟すべきかも。
で。
出場時間は20数分だった、
とはいえ、杉田に替り、左センターバックに入った宮部 大己。
鋭いスルーパスに反応して突進してきた田村に先回りで寄せると、
ゴールラインかつかつで、その身体にボールを蹴り当てて、ゴールキックを獲る。
この沈着なプレイなどで、
ゲーム終盤、相手の攻撃の芽を摘んだことによって、萬年式MIP なんです。
ご本人に訊いたら、左サイドバックは、大学時代にやっていたので苦にならず。
となれば、杉田から宮部への変換は、かなり合理的、かつ効果的。
大学時代の恩師(監督)が、現在のコーチでいらっしゃることでもあるからにはチャンス到来。
#16を背負うことを機に、山雅の魂を、より体現してもらいたいなぁ。
さらに。
それに近いプレイヤーは、
怪我から復帰して、3ゲーム目の 馬渡 和彰。
アウェイ栃木SC戦で、彼がピッチに投入されると、
隣で観ていた家人が、その独特な存在感に打たれたのか?、
― (指さして) #7って誰だっけ?、とおっしゃった。
スロウインひとつとっても、投入の目当てが、実に攻撃的であって、
周囲の受け手の側が、つねに臨戦態勢を採っていないと、きちんと処理できない。
緊張感をチームにみなぎらせるプレイは、ホント貴重です。
では。